2023/5/27(土)
京都競馬場・芝1200m
過去5年分の葵Sのデータを軸に、過去の好走馬の血統傾向や今年の登録馬のコース相性などを踏まえて注目馬をピックアップしています。
1週前予想なので回避馬・除外馬が含まれる場合があり、また枠順や馬体重など記事公開時には予想に反映できない要素もありますのでご了承ください。
※血統・枠順などのコースデータは京都芝1200mの参考データ、葵Sのデータは代替の中京開催・またオープン特別時を含む過去8年分のデータを集計しています。
葵S 登録馬
登録馬
予想人気(1週前)
2番人気 ルガル
3番人気 モズメイメイ
4番人気 アルーリングビュー
5番人気 タマモブラックタイ
参考:netkeiba.com
登録28頭とかなり多くなりましたが、予想オッズではマーガレットS、中京2歳Sなど芝1200mのオープン特別を3連勝しているビッグシーザーが1番人気。2番人気は前哨戦の橘Sを5馬身差で圧勝したルガル、3番人気はチューリップ賞優勝馬モズメイメイが推されています。
4番手以下は前走1勝クラスでルガルを破っているアルーリングビュー、ファルコンS優勝馬タマモブラックタイ、京王杯2歳S・フェアリーS3着の実績を持つスピードオブライトなどが続きます。
葵S コース&血統分析
京都芝1200mの特徴
京都芝1200mは内回りコースを使用。スタート後は上り坂でコーナーまでの距離も長くないため、前半はそれほどハイペースにはなりません。
ペースが速くなるのは4コーナーの坂の下りからですが、京都内回りコースはコーナーの角度が急なので外側を走る馬はコーナーで外に振られることが多く内枠有利なコースとなっています。
父系統別データ
- キングカメハメハ系【6-7-1-34】
- ディープインパクト系【5-2-4-23】
- サンデーサイレンス系【3-3-3-89】
- エンドスウィープ系【3-1-4-25】
- ストームキャット系【1-4-3-24】
性別によって傾向が異なり、牡馬はロードカナロア、ストーミングホームなどミスプロ系・キングカメハメハ系の成績が良く、ノーザンダンサー系が続く形。サンデー系は2~3着が多いもののディープインパクト系は2020年のビアンフェなどある程度結果を残しています。
牝馬はディープインパクト系、ハーツクライ系、キングカメハメハ系が拮抗しており、ストームキャット系やサドラーズウェルズ系も複勝率は優秀です。
母父系統別データ
- サンデーサイレンス系【4-13-8-78】
- ダンジグ系(欧)【3-2-3-22】
- グレイソヴリン系【2-3-1-17】
- プリンスリーギフト系【2-0-2-8】
- ストームキャット系【1-1-3-13】
牡馬は母父ノーザンダンサー系かナスルーラ系の成績が良く母父ミスプロ系は(1-1-2-53)と不振。母父サンデー系も(0-5-2-47)と勝ち切れません。牝馬はどの系統でも走りますが母父サンデー系は安定しておりミスプロ系もまずまず。
またリピーターが多いコースですが個別ではエイティーンガール、カラクレナイの母父アグネスタキオンの複勝率が抜群。ダンスインザダーク、キングカメハメハも好調です。
葵S 傾向データ①
枠順データ
枠順 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1枠 | 4-3-2-39 | 8.3% | 18.8% |
2枠 | 3-1-2-44 | 6.0% | 12.0% |
3枠 | 3-5-4-40 | 5.8% | 23.1% |
4枠 | 2-6-6-37 | 3.9% | 27.5% |
5枠 | 4-1-4-45 | 7.4% | 16.7% |
6枠 | 6-4-3-43 | 10.7% | 23.2% |
7枠 | 4-7-2-56 | 5.8% | 18.8% |
8枠 | 2-2-4-61 | 2.9% | 11.6% |
コースデータからは内寄り優勢ですが、上のクラスになるとそこまでの差はありません。ただし牝馬は真ん中から内寄りの成績が安定していて8枠だと(0-1-2-28)と割引き。牡馬は内外どちらでも問題ありません。
馬番データ
- 偶数馬番【18-17-9-178】
- 奇数馬番【10-12-18-187】
偶数馬番の連対率が高く、8番・10番・12番と真ん中から外寄りが狙い目。
脚質データ
脚質 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
逃げ | 3-6-2-17 | 10.7% | 39.3% |
先行 | 7-8-5-79 | 7.1% | 20.2% |
差し | 16-8-12-158 | 8.2% | 18.6% |
追込 | 2-7-8-111 | 1.6% | 13.3% |
直線に坂が無いため逃げ馬が粘りやすいコースですが、優勝馬は差し馬が多いのが特徴。特に牝馬の方が差し切っており、牡馬は前に行ける馬ほど成績が安定します。
馬体重データ
馬体重 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
-439 | 2-6-1-19 | 7.1% | 32.1% |
440-459 | 4-2-6-53 | 6.2% | 18.5% |
460-479 | 10-9-6-97 | 8.2% | 20.5% |
480-499 | 6-6-10-121 | 4.2% | 15.4% |
500-519 | 3-6-4-62 | 4.0% | 17.3% |
520- | 3-0-0-13 | 18.8% | 18.8% |
小柄で走っているのは牝馬に多く、牝馬は480kg未満の回収値が安定しています。牡馬も470kg前後の成績・回収値が安定しており、性別関係なく500kg以上になると単回値が低めに出ています。
葵S 傾向データ②
人気データ
人気 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1番人気 | 3-1-0-4 | 37.5% | 50.0% |
2番人気 | 1-1-1-5 | 12.5% | 37.5% |
3番人気 | 0-1-0-7 | 0.0% | 12.5% |
4-6番人気 | 1-3-3-17 | 4.2% | 29.2% |
7-9番人気 | 2-1-1-20 | 8.3% | 16.7% |
10番人気- | 1-2-2-47 | 1.9% | 9.6% |
世代限定の芝1200m重賞は2歳夏の小倉2歳Sや函館2歳S以降は無いということもあり、人気通りには決まらないレースです。ただし重賞昇格後はディアンドル、ビアンフェ、代替開催ですがウインマーベルと1番人気馬は安定。
3歳春はオープンクラスの1200mのレースが少ないため、2歳時に1200mで好走し春は1400~1600mで大敗した馬が巻き返すケースもよく見られます。
所属データ
所属 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
美浦 | 3-2-4-33 | 7.1% | 21.4% |
栗東 | 5-7-3-66 | 6.2% | 18.5% |
地方 | 0-0-0-1 | 0.0% | 0.0% |
中京開催の2021年、2022年は関東馬が2頭3着以内に入っていますが、京都開催時は関西馬優勢です。
キャリアデータ
キャリア | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
-3戦 | 0-0-0-3 | 0.0% | 0.0% |
4戦 | 1-0-1-14 | 6.3% | 12.5% |
5戦 | 1-1-3-16 | 4.8% | 23.8% |
6戦 | 3-2-0-16 | 14.3% | 23.8% |
7戦 | 1-4-1-19 | 4.0% | 24.0% |
8戦- | 2-2-2-32 | 5.3% | 15.8% |
近年はキャリア5~8戦くらいに好走馬が固まっていますが、昨年優勝のウインマーベルはキャリア10戦でした。
騎手データ
- 継続騎乗【4-3-1-35】
- 乗り替わり【4-6-6-65】
コースデータからは川田騎手、武豊騎手、デムーロ騎手の複勝率が高く、改修前の減量時の成績ですが岩田望騎手も結果を残しています。
葵S 前走データ
前走クラスデータ
クラス | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
GⅠ | 0-1-1-6 | 0.0% | 25.0% |
GⅡ | 1-0-0-6 | 14.3% | 14.3% |
GⅢ | 1-1-1-18 | 4.8% | 14.3% |
リステッド | 2-3-1-21 | 7.4% | 22.2% |
オープン | 2-2-2-21 | 7.4% | 22.2% |
1勝 | 2-2-2-26 | 6.3% | 18.8% |
橘Sは2019~2022年は中京、それ以外の年は京都開催ですが信頼できるローテです。阪神組は桜花賞などの1600m組は人気馬中心、1200m組は特にマーガレットSからのローテに穴馬が多く、1400m組はやや不振。
また前走オープン特別(リステッドを除く)以下は牡馬が(0-1-2-25)、牝馬が(4-3-2-22)。牡馬は前走リステッド以上の方が好走馬が多く、牝馬は前走クラス不問です。
主な前走
- 橘S【3-4-1-25】
- 雪うさぎ賞【2-0-0-4】
- マーガレットS【1-1-2-12】
- ファルコンS【1-0-1-17】
- ニュージーランドT【1-0-0-1】
前走距離
- 1200m【3-3-3-30】
- 1400m【4-4-3-60】
- 1600m【1-2-1-8】
- 1800m【0-0-0-1】
前走場所
- 東京【0-0-0-3】
- 中山【1-0-2-11】
- 京都【2-3-1-24】
- 阪神【1-5-3-27】
- 中京【2-1-1-27】
- 福島【1-0-0-4】
- 新潟【1-0-0-2】
前走人気データ
人気 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1番人気 | 2-2-1-9 | 14.3% | 35.7% |
2番人気 | 1-1-1-11 | 7.1% | 21.4% |
3番人気 | 0-0-0-10 | 0.0% | 0.0% |
4番人気 | 0-2-1-3 | 0.0% | 50.0% |
5番人気 | 1-0-1-8 | 10.0% | 20.0% |
6-9番人気 | 3-3-1-30 | 8.1% | 18.9% |
10番人気- | 1-1-2-29 | 3.0% | 12.1% |
1勝クラス組は前走人気だった馬が中心。牝馬は前走6~9番人気だった馬の好走が多く、特に前走がオープンクラスだった牝馬に注意。
前走1勝クラス
- 2番人気以内【1-2-2-14】
- 3番人気以下【1-0-0-12】
前走3番人気以下で優勝したのは2021年のレイハリア。この年は中京開催でしたがコース適性の高いロードカナロア産駒など買い要素がありました。
アンビバレント、カンチェンジュンガ、クリノエンジェル、シルフィードレーヴ、タツダイヤモンド、ビルカール、メイショウピース、モズスナイパー、ワックスフラワーが前走1勝クラスで3番人気以下。
牝馬
- 1番人気【2-2-0-2】
- 2~5番人気【0-1-2-19】
- 6~9番人気【3-3-1-11】
- 10番人気以下【0-1-1-13】
昨年のコムストックロード、一昨年のレイハリア、京都開催時では2018年のゴールドクイーンなど前走6~9番人気の牝馬は人気薄での好走も多く、特に橘S組が狙い目です。
今年の牝馬ではアルーリングビュー、グランテストが前走1番人気、トラベログ、モズメイメイ、ワックスフラワーが前走6~9番人気。
前走着順データ
着順 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1着 | 4-2-2-29 | 10.8% | 21.6% |
2着 | 0-0-0-4 | 0.0% | 0.0% |
3着 | 1-1-0-5 | 14.3% | 28.6% |
4着 | 0-1-0-7 | 0.0% | 12.5% |
5着 | 1-1-2-6 | 10.0% | 40.0% |
6-9着 | 2-1-1-22 | 7.7% | 15.4% |
10着- | 0-3-2-27 | 0.0% | 15.6% |
1勝クラス組はほぼ1着馬のみ。前走がオープンクラスだった馬は性別によって傾向が異なり、牡馬は前走6着以下からの巻き返しが多く、牝馬は前走好走し勢いがある馬の成績が良いのが特徴。
前走オープンクラス(牡馬)
- 5着以内【1-0-0-11】
- 6着以下【2-1-2-30】
コーパスクリスティ、コスモイグローク、タマモブラックタイ、トールキン、ペースセッティング、ミルトハンター、ヤクシマが前走オープンクラスで6着以下だった牡馬。
前走オープンクラス(牝馬)
- 5着以内【3-3-2-13】
- 6着以下【0-3-1-18】
前走はダートの昇竜Sですが、エレガントムーンが前走オープンクラスで5着以内だった牝馬。
葵S データまとめ
買いデータ
★当日1番人気馬
★牡馬の逃げ・先行馬、牝馬の差し馬
★前走橘S
★前走1番人気または6~9番人気の牝馬
★前走オープンクラスで5着以内の牝馬
消しデータ
★8枠の牝馬
★馬体重500kg以上の穴馬
★前走オープン特別(リステッドを除く)以下の牡馬
★前走オープンクラスで5着以内の牡馬
葵S 予想
▲ペースセッティング
○ルガル
△アルーリングビュー
△タマモブラックタイ
△トールキン
ビッグシーザーはこの路線の有力馬としては珍しく1400m以上の重賞を使っていませんが、4連勝はいずれも0.3秒差以上の完勝でマーガレットSからのローテになる点は○。京都は初めてになりますが、サクラバクシンオーやショウナンカンプなどプリンスリーギフト系はコース回収値が高いためコース替わりには十分期待できます。
ペースセッティングは重賞実績豊富な安田厩舎の管理馬で、小倉芝1200mの未勝利戦ではビッグシーザーを3馬身差で破っています。シンザン記念2着などマイルでの実績もありますが、久々の1200m戦で期待できそうなタイプ。前走で6着以下に敗れている点、500kg未満の馬体と穴でも狙える要素はあります。
ルガルは不良馬場の橘Sを5馬身差で圧勝。ドゥラメンテ産駒の1200mはまだそれほど実績はありませんが、牡馬のキングカメハメハ系と見るとこのコースでは期待できる血統。牡馬は前に行ける馬ほど成績が良いので脚質的にも期待できそうですが、前走が連闘→中2週と間隔が詰まるのは気になります。
アルーリングビューは1勝クラスでルガルをハナ差破っており、3着馬は4馬身差と京都実績がある点はプラス。過去の戦績から見ると差しに回りそうですが、牝馬は差しが届きやすいコースなので脚質的にも面白そうです。また岩田望騎手も減量時のコース成績は非常に良かったのもプラス要素。
他では牡馬の母父サンデー系なので2~3着狙いが無難ですが、ファルコンS勝ちの実績があるタマモブラックタイ、小倉芝1200mでは3戦2勝で持ち時計的にも及第点のトールキン。