過去5年のコースデータから予想に役立つ傾向と特徴を紹介しています。
コースの特徴や人気・脚質・馬体重データに加え、枠順・馬番は良馬場時と重馬場時に分けて分析しています。またこのコースを得意とする血統(種牡馬・母父)や騎手・調教師の考察も行っています。
函館競馬場 芝1200m
コース概要
直線:262.1m
向こう正面のポケットからスタートで3~4コーナーまでの約800mが上り坂、そこからゴールまでの400mまでが下りとなっています。直線が短いため先行有利ですが、洋芝で馬場が重いため開催後半は差しが届きやすくなります。
同じ洋芝ですが、北海道の札幌競馬場と比べるとコーナーの角度が急で起伏に富んだコースです。
函館芝1200mで行われるレース
- 函館スプリントS
- 函館2歳S
- 函館日刊スポーツ杯
函館芝1200m 傾向データ
函館芝1200m 人気データ
人気馬は回収値も80前後で平均的な成績です。2歳の新馬戦・未勝利戦では1番人気馬の複勝率は80%前後と優秀で、全体的には牝馬の方がやや信頼度の高いコースです。
また1番人気馬は良馬場だと複勝率57.2%、稍重以上で複勝率81.8%と道悪時の方が成績が良いのが特徴。2~4番人気馬は馬場状態にはそれほど影響されません。
3勝クラス以上では1~3番人気馬の複勝率は50%前後で横並びに近く、6~9番人気くらいの中穴よりも10番人気以下の大穴の方が狙えるコースです。特に函館2歳Sは10番人気以下の好走が目立ちます。
函館芝1200m 脚質データ
※1勝クラス以上を集計
直線の短いコースなので逃げ・先行馬が安定していますが、クラスが上がるに連れて差しも届くようになります。ただし極端な追い込みは届かず出遅れは致命傷になるので、スタートの悪い馬には注意。
函館芝1200m 馬体重データ
※1勝クラス以上を集計
420kg未満の軽量馬は苦戦していますが牡馬は440kg以上、牝馬は420kg以上あれば問題ありません。ただし牝馬は馬格に連れて成績が徐々に上がります。
また函館2歳Sでは小柄な馬でも好走していますが、函館スプリントSでは2017~2020年の4年間の3着以内12頭中最も馬体重が軽い馬は472kg。特別競走では460kg以上の馬が勝ち切ることが多いのが特徴です。
函館芝1200m コースデータ(良馬場)
函館芝1200m 枠順・馬番データ(良馬場)
枠順
良馬場では1枠の複勝率が28%と高いものの、人気しやすいこともあり回収値はそれほど高くありません。性別で見ると牡馬は3枠が勝率12.9%、複勝率31.2%と全体的に成績が良く、牝馬は1枠が複勝率30.5%で4枠・6枠もまずまず。
ただし8枠は人気より着順を下げることが多く性別問わず割引き。特にフルゲート時は信頼度が下がります。
馬番
枠順より馬番で見た方が傾向がはっきりしており1~9番に入ればプラス、10番以降ならマイナス。
牡馬は外寄りになると10番、12番、14番と偶数馬番ならそこまで成績は落ちませんが奇数馬番と大外16番は割引き。逆に牝馬は外寄りだと奇数馬番の方が成績が良く、13番は(2-10-7-56)、15番は(6-3-3-44)と複勝率は20%以上をキープしています。
函館芝1200m コースデータ(重馬場)
函館芝1200m 枠順・馬番データ(稍重~不良馬場)
枠順
道悪では1枠・8枠と内外極端な枠に入ると複勝率が20%を割っていますが、それ以外の枠は差はありません。性別で見ると牡馬は2枠、4枠、7枠の成績が良く牝馬は3枠、5~6枠が好調。
馬番
馬番で見ると6番、8番と真ん中の偶数馬番の成績が良く、10番も回収値は単複共に100超え。牡馬は内外どちらでも問題ありませんが牝馬は4~10番の成績・回収値が高めです。
函館芝1200m 血統データ
函館芝1200m 種牡馬データ
ロードカナロア、ダイワメジャーの2頭が勝利数では他を大きく引き離しています。ロードカナロア産駒は特に2~3歳馬の勝率が高く、4歳以上になると勝ち切れません。ダイワメジャー産駒は2歳馬の成績が飛び抜けていますが3歳以降でも安定しています。
近年はジョーカプチーノ産駒の成績が非常に良く、函館2歳Sを勝ったナムラリコリスや函館スプリントS3着のジョーマンデリンなど活躍しているのはほぼ牝馬ですが重賞でも好調。
他にはダノンシャンティ、リオンディーズ、リーチザクラウン、アイルハヴアナザー、ジャスタウェイあたりの成績が良く、2~3着狙いならマクフィやディスクリートキャットも複勝率は優秀です。
種牡馬系統別
- サドラーズウェルズ系【7-9-4-41】連対率25.0%
- キングカメハメハ系【34-21-16-190】連対率21.1%
- ダンジグ系(欧)【9-9-10-65】連対率19.4%
相性の悪い種牡馬
- ローズキングダム【0-0-0-13】連対率0.0%
- ドゥラメンテ【0-0-1-9】連対率0.0%
- スウェプトオーヴァーボード【1-0-2-30】連対率3.0%
函館芝1200m 母父データ
飛び抜けて成績の良い系統はありませんが、サクラバクシンオーやクロフネ、キングヘイローやアドマイヤムーンなど現役時代にスプリントGⅠを勝っているか、スプリントGⅠ馬を輩出している馬を母父に持つ馬は比較的安定しています。
母父サンデーサイレンスは性別問わず走りますが、母父サクラバクシンオーは牡馬の複勝率32.7%に対して牝馬は16.3%。クロフネ、フレンチデピュティなどデピュティミニスター系は牡馬の複勝率17.7%に対して牝馬は31.2%と性別によって傾向が異なります。
表以外ではキャプテンスティーヴ、トワイニング、デュランダルも複勝率は40~50%前後と優秀。母父グレイソヴリン系は出走数は多くありませんが、良馬場時の複勝率23.1%に対して道悪時は複勝率35.3%まで上がります。
母父系統別
- グレイソヴリン系【6-11-4-61】連対率20.7%
- ダンジグ系(米)【10-2-4-44】連対率20.0%
- エンドスウィープ系【11-4-3-58】連対率19.7%
相性の悪い母父
- メジロライアン【0-0-0-13】連対率0.0%
- ステイゴールド【0-0-1-13】連対率0.0%
- ファルブラヴ【1-0-1-16】連対率5.6%
他にはフォーティナイナーやサドラーズウェルズ、ホワイトマズルあたりも連対率は10%以下。洋芝なので欧州型ノーザンダンサー系は合いそうですが、成績が良いのはスピード寄りのデインヒル系でスタミナ寄りのサドラーズウェルズ系やリファール系は回収値が低めです。
函館芝1200m 騎手・調教師データ
函館芝1200m 騎手データ
4~5年前までは岩田康騎手の成績が断トツでしたが、ここ数年成績を伸ばしているのが池添騎手、吉田隼騎手と横山武騎手。池添騎手と横山武騎手は未勝利戦での勝ち鞍が多く、吉田隼騎手は未勝利~2勝クラスで万遍なく勝っています。
複勝率ではルメール騎手がトップですが、平均2.4番人気ということを考えるとイマイチ。特に新馬戦では(0-3-1-8)、未勝利戦では(4-9-4-12)と勝ち切れません。武豊騎手はクラス・性別問わず安定しており当日3番人気以内で(12-4-4-15)、4番人気以下は(0-3-1-16)と買い時がハッキリしています。
他では藤岡佑騎手は牡馬の複勝率が47.5%、牝馬が25.0%と牡馬での成績が良く、若手では坂井騎手や秋山稔騎手が好調です。
相性の悪い騎手
- 小沢大仁【0-0-0-21】連対率0.0%
- 柴山雄一【0-0-8-56】連対率0.0%
- 菊沢一樹【0-1-1-34】連対率2.8%
函館芝1200m 調教師データ
清水調教師はクラス問わず成績が良く重賞でも函館2歳S1着のカシアス、函館スプリントS3着のジョーマンデリンと結果を残しています。安田調教師も同じく函館スプリントSのダイアトニック、ジューヌエコールと得意なコース。
清水調教師は池添騎手、吉田隼騎手、岩田康騎手とコース成績上位の騎手とのコンビで強く、安田調教師は北村友騎手を騎乗させることが多く結果も優秀です。
南井調教師はオープンクラスでの出走は少ないものの条件戦での複勝率は抜群。重賞ではアスターペガサス、ビアンフェを管理する中竹調教師も好調です。他では武幸調教師は2020~2021年で4勝を挙げており今後成績を伸ばしてきそうです。
相性の悪い調教師
- 伊藤伸一【0-0-2-19】連対率0.0%
- 天間昭一【0-1-3-20】連対率4.2%
- 伊藤大士【0-1-1-19】連対率4.8%
函館芝1200m 傾向まとめ
コース傾向
★逃げ・先行馬が有利
★馬格がある牝馬が狙い目
★開催前半は内枠有利、馬番10番以降は割引き
★道悪時の8枠はやや割引き
血統
★キンシャサノキセキ、ヨハネスブルグは牡馬の成績が良い
★近年はジョーカプチーノ産駒の成績が抜群
★ダノンシャンティ、リオンディーズ、アイルハヴアナザー産駒も好調
★母父サクラバクシンオーの牡馬○
★母父デピュティミニスター系の牝馬○
騎手・調教師
★武豊騎手は当日3番人気以内○
★藤岡佑騎手は牡馬で好成績
★清水、安田調教師はクラス問わず好成績
★南井調教師は条件戦○
函館競馬場 コースデータ
芝1200m 芝1800m 芝2000m 芝2600m ダ1000m ダ1700m ダ2400m