過去5年のコースデータから予想に役立つ傾向と特徴を紹介しています。
コースの特徴や人気・脚質・馬体重データに加え、枠順・馬番は良馬場時と重馬場時に分けて分析しています。またこのコースを得意とする血統(種牡馬・母父)や騎手・調教師の考察も行っています。
阪神競馬場 芝2000m
コース概要
直線:356.5m
阪神芝2000mは内回りコースを使用。スタート後すぐに直線の上り坂を迎えることとコーナー4つのためあまりペースは速くなりません。
直線も357mと短めなため先行力やコーナリング力、またパワーを要する馬場状態になることが多いのが特徴です。阪神芝1600m~1800mは外回りで行われるので傾向の違いには注意が必要です。
阪神芝2000mで行われるレース
- 大阪杯
- 鳴尾記念
- チャレンジC
- マーメイドS
阪神芝2000m 傾向データ
阪神芝2000m 人気データ
1番人気馬の勝率はそれほど高くなく、2~3番人気馬の方が回収値が高めです。牡馬の成績は概ね人気順通りですが、牝馬は1~3番人気馬の勝率が20%台で横並びに近く、回収値では1番人気<2番人気<3番人気となっています。
特別レースになると1番人気の複勝率58%に対して2番人気の複勝率は66%、重賞でも4番人気以内は混戦ですが、こちらも牝馬の1番人気馬の信頼度が低いのが特徴です。
阪神芝2000m 脚質データ
※1勝クラス以上を集計
コーナー4回の内回りで行われるため逃げ・先行馬の成績が良いコースです。直線だけで差を詰めるのは難しく、前半スローの場合は3~4コーナーにかけてのマクリも時々見られます。
GⅠでも2022年は大阪杯でレイパパレが逃げ切り、秋華賞のアカイトリノムスメは4角4番手から押し切って優勝。重賞で比較的差し・追い込みが決まりやすいのはマーメイドS。
阪神芝2000m 馬体重データ
※1勝クラス以上を集計
他のコースでは馬格と成績が比例することが多いのですが、阪神芝2000mでは440~459kgのやや軽めの馬の成績が良いのが特徴。チャレンジCを勝ったサトノクロニクルやマーメイドSを勝ったリラヴァティも450kg台。
ただし人気薄の軽量馬は成績が振るわず、穴ならやはり馬格のある馬が中心になります。また大阪杯も良馬場で行われた2017~2020年の優勝馬4頭はいずれも500kg以上でした。
阪神芝2000m コースデータ(良馬場)
阪神芝2000m 枠順・馬番データ(良馬場)
枠順
1枠と7枠が複勝率30%前後ですが、平均人気と着順が大きく離れた枠はなく枠による有利不利はありません。3勝クラス以上になると1枠と6~7枠の成績が良い反面、5枠は複勝率12.9%と不振。重賞では4~5枠の回収値が低めに出ています。
馬番
多頭数の外枠に入るとやや割引きですが、1~12番くらいまでは大きな差はありません。性別で見ると牡馬は真ん中の6~9番あたりは連対率20%前後と成績が安定しており、牝馬は内寄りの1~5番が好調です。
阪神芝2000m コースデータ(重馬場)
阪神芝2000m 枠順・馬番データ(稍重~不良馬場)
枠順
道悪時は大外8枠の成績が極端に悪く、4枠も連対率が10%を切っています。牡馬は真ん中から外寄りの5~7枠は成績・回収値共に高く、牝馬は8枠のみ(0-0-1-29)複勝率3.3%と極端に成績を落としていますが、それ以外の枠はあまり差はありません。
馬番
馬番では14番以降が大きく割引きですがフルゲートになるレースは多くはありません。牡馬は1~3番または6~8番あたりの成績が比較的安定しており、牝馬は1~8番は差はありませんが9番以降に入ると成績が不安定になります。
阪神芝2000m 血統データ
阪神芝2000m 種牡馬データ
ディープインパクト、キングカメハメハ、ハーツクライの三つ巴で重賞ではこの3頭に加えオルフェーヴル、ステイゴールド、ルーラーシップあたりが健闘しています。
世代限定戦中心ですがドゥラメンテ産駒はコース複勝率40%台と好調で、特に牡馬のコース成績が抜群です。エピファネイアも複勝率は高めですがこちらは牝馬の2着が多いのが特徴。
また道悪時はステイゴールド系とエイシンフラッシュ産駒の成績が良く、ゴールドシップ、オルフェーヴルなどステイゴールド系は(4-6-4-19)複勝率42.4%、単回値289と抜群の成績。エイシンフラッシュ産駒も出走数は多くはありませんが道悪時の回収値は単複共に300超え。
種牡馬系統別
- ディープインパクト系【51-53-40-274】連対率24.9%
- キングカメハメハ系【46-41-34-257】連対率23.0%
- ハーツクライ系【27-22-19-157】連対率21.8%
相性の悪い種牡馬
- ジャングルポケット【1-1-1-33】連対率5.6%
- スクリーンヒーロー【2-0-3-29】連対率5.9%
- メイショウサムソン【1-1-1-27】連対率6.7%
他ではネオユニヴァース、ヴィクトワールピサ産駒も連対率は10%弱とこのコースは苦手としています。
阪神芝2000m 母父データ
タピットが成績を押し上げていますが母父ボールドルーラー系の連対率が非常に高く、重賞でも大阪杯を9番人気で勝ったアルアインやマーメイドSを10番人気で勝ったシャムロックヒルとクラス関係なく狙えます。グレイソヴリン系もオープン特別以下では信頼できます。
近年はディープインパクト、キングカメハメハの2頭が成績を伸ばしており、母父ディープインパクトはキセキやワンダフルタウン、母父キングカメハメハはアカイトリノムスメやステイフーリッシュとどちらも重賞で好走馬を複数輩出しています。
上に挙げた系統は基本良馬場時の成績が良いのですが、道悪になったら必ず抑えておきたいのがデピュティミニスター系で(7-5-4-16)複勝率50%、単回値549という成績。大阪杯のレイパパレ以外にも人気薄の好走が非常に多く、人気問わず抑え必須。
母父系統別
- ボールドルーラー系【8-12-4-38】連対率32.3%
- キングカメハメハ系【10-13-11-59】連対率24.7%
- ディープインパクト系【10-13-15-58】連対率24.0%
相性の悪い母父
- フジキセキ【0-1-4-31】連対率2.8%
- マンハッタンカフェ【1-0-4-23】連対率3.6%
- キングマンボ【1-0-2-19】連対率4.5%
他では複勝率は30%台ですが母父ストームキャットは(1-4-4-19)と勝率が低いのが特徴。アグネスタキオンやダンスインザダークも勝率が低く2着が目立ちます。
阪神芝2000m 騎手・調教師データ
阪神芝2000m 騎手データ
リーディング上位騎手やベテラン騎手の成績が良く、川田騎手は牡馬だと複勝率70%前後。武豊騎手、福永騎手、デムーロ騎手、ルメール騎手も安定していますがこの5人は人気を背負うことも多く人気に比べると着順を落としています。
松若騎手はオープンクラスでは苦戦していますが3勝クラス以下では安定しており回収値も高め。北村友騎手は牡馬では複勝率50%台に回収値は単複共に100越えです。若手では団野騎手、坂井騎手あたりが好調。
相性の悪い騎手
- 太宰啓介【0-1-1-32】連対率2.9%
- 国分優作【1-1-4-36】連対率4.8%
- 鮫島克駿【1-2-1-40】連対率6.8%
他では幸騎手は騎乗数は多いものの連対率8.8%。人気薄に騎乗することが多いためまずまず人気通りの着順には収まっていますが穴としては狙いづらいです。
阪神芝2000m 調教師データ
池江調教師は一時期に比べ活躍馬は減ったもののアルアイン、ストロングタイタンなど過去5年で重賞4勝を挙げており相性が良いコースです。友道調教師は重賞は勝ち切れないもののヒートオンビート、ブラヴァスなど馬券にはしっかり絡んでおり近年成績を伸ばしています。
他ではクロノジェネシスやサマーセントの斉藤調教師、レイパパレの高野調教師も重賞実績があり複勝率は50%前後と安定しています。この2人は牡馬よりも牝馬の成績が良いのが特徴。
相性の悪い調教師
- 梅田智之【0-0-5-26】連対率0.0%
- 奥村豊【0-1-5-24】連対率3.3%
- 本田勝【1-0-3-26】連対率3.3%
梅田調教師、奥村調教師は連対率は低いものの穴馬が3着に来ることが多く複回値は100超え。人気に対して着順を落としやすいのは池添調教師。
阪神芝2000m 傾向まとめ
コース傾向
★逃げ、先行馬有利
★馬格の影響は小さく、重賞でも440~459kgが活躍
★3勝クラス以上の良馬場では1、6~7枠○
★道悪では8枠の牝馬が不振
血統
★ドゥラメンテ産駒の牡馬が近年好調
★ステイゴールド系、エイシンフラッシュ産駒は道悪で買い
★母父ボールドルーラー系、ディープインパクト、キングカメハメハが好調
★道悪では母父デピュティミニスター系の抑え必須
騎手・調教師
★松若騎手は3勝クラス以下、北村友騎手は牡馬で買い
★池江調教師は重賞含め相性が良いコース
★友道調教師はクラス問わず安定
★高野、斉藤調教師はどちらかと言えば牝馬が好成績
阪神競馬場 コースデータ
芝1200m 芝1400m 芝1600m 芝1800m 芝2000m 芝2200m 芝2400m 芝3000m ダ1200m ダ1400m ダ1800m ダ2000m