過去5年のコースデータから予想に役立つ傾向と特徴を紹介しています。
コースの特徴や人気・脚質・馬体重データに加え、枠順・馬番は良馬場時と重馬場時に分けて分析しています。またこのコースを得意とする血統(種牡馬・母父)や騎手・調教師の考察も行っています。
中山競馬場 芝1600m
コース概要
直線:310m
中山芝1600mは外回りコースを使用。1200m同様直線部分が少ないため内枠が有利なコースで、序盤は緩やかな下り坂が続くためペースも速くなりがちです。
最後の直線は310mと短く、残り180mから70mにかけては中山名物の急坂が待ち構えています。急坂を上るパワーや小回り適性・持続力が必要なコースですが、路盤改修の影響や野芝メインで行われることもあり9月開催は高速馬場になりやすいのが特徴。
中山芝1600mで行われるレース
- ニュージーランドT
- ダービー卿CT
- ターコイズS
- フェアリーS
中山芝1600m 傾向データ
中山芝1600m 人気データ
1番人気馬の複勝率60.6%は中山芝コースの中では最も低い数値。このコースで行われるニュージーランドTやフェアリーSなどの重賞も人気馬同士で決着することは少なく、配当も高めになりやすい傾向があります。
ただ芝1200mと比べて10番人気以下の大穴が来るケースはそれほど多くはないため、人気サイドから中穴に流していく形がお勧めです。
また2016年以降の重賞では5番人気以内が25勝に対して6番人気以下は2勝。改修後の重賞は人気馬が勝ちやすくなっており、人気薄は2~3着狙いが無難です。
中山芝1600m 脚質データ
※1勝クラス以上を集計
勝利数では先行馬・差し馬が半々くらいの成績で重賞でも同様の傾向です。ただし外回りコースは緩やかなカーブが続く形態と短い直線が特徴なので、直線だけで捉えるのは困難です。差し・追い込み馬は末脚だけでなくコーナリングの巧さも重要。
出遅れの影響も大きいため同じ関東の東京コースで実績をそのまま当てはめるのは危険です。逆に東京苦手で中山得意という馬も多くコース適性も重要になります。
中山芝1600m 馬体重データ
※1勝クラス以上を集計
馬格に連れて徐々に成績が上がり、500kg以上になると勝率は10%前後で安定します。特に牡馬は馬格と成績が比例します。牝馬は馬格がある馬よりも440~479kgの好走が多め。
中山芝1600m コースデータ(良馬場)
中山芝1600m 枠順・馬番データ(良馬場)
枠順
2枠、4枠と内寄りの成績がやや良く見えますが人気を考慮すると枠による成績の差はありません。ただ改修前は内枠有利だったため、内寄りの馬が人気しやすい傾向があります。
性別で見ると牡馬は1枠、4枠、6枠が複勝率25%前後とやや高く、牝馬は2枠、7枠が複勝率20%台。また重賞では2~3枠の複勝率・回収値が高く、特に近年は牡馬の人気薄がよく馬券に絡んでいます。
馬番
馬番では2番、4番、8番など内寄りの偶数馬番に入った馬の成績がやや高めです。11番以降になると勝率は落ちますが14番だけは勝率9.7%と全馬番の中でトップの数値で、特に牝馬の優勝馬が多いのが特徴。
重賞でも1着馬は10番より内から出ることが多く、11番以降は2~3着狙いが無難です。
中山芝1600m コースデータ(重馬場)
中山芝1600m 枠順・馬番データ(稍重~不良馬場)
枠順
道悪になると牡馬の回収値が全体的に上がり、牝馬は苦戦しています。
枠順では内の1~2枠の成績が不安定になり、回収値を含めると3枠の成績が優秀です。特に牡馬は3枠のみ複勝率が30%台で他の枠は20%前後なのでかなり抜けた成績。
牝馬は全体的に回収値が低いため穴狙いはお勧めできませんが、比較的回収値を保っているのは大外の8枠、次いで6枠。
馬番
馬番では真ん中から内寄りの4~8番の成績が比較的安定しており、性別問わず狙えます。外寄りでは15番の成績・回収値が目立ちます。
中山芝1600m 血統データ
中山芝1600m 種牡馬データ
ディープインパクト産駒は2017年までは中山マイル重賞で未勝利でしたが、2018年にプリモシーン、カツジ、ミッキーグローリーと一気に3勝を挙げてからはコンスタントに勝ち星を伸ばし、それまで1位だったダイワメジャー産駒を大きく引き離しています。
ダイワメジャー、ハーツクライ産駒はクラス問わず安定しており、キズナやルーラーシップ産駒も近年重賞で好調。ロードカナロア産駒は京成杯AH連覇のトロワゼトワルの印象が強くオープン特別以下では安定していますが、重賞では人気より着順を落とすことが多いのが特徴です。
オルフェーヴルやノヴェリスト産駒は下級条件の穴狙いでお勧めです。
種牡馬系統別
- ダンジグ系(欧)【25-21-18-143】連対率22.2%
- キングカメハメハ系【49-52-41-354】連対率20.4%
- ディープインパクト系【64-52-45-455】連対率18.8%
相性の悪い種牡馬
- ナカヤマフェスタ【0-1-3-21】連対率4.0%
- スウェプトオーヴァーボード【1-0-0-24】連対率4.0%
- ネオユニヴァース【1-2-6-53】連対率4.8%
- タートルボウル【0-2-1-31】連対率5.9%
改修後はシンボリクリスエスなどのロベルト系、タイキシャトルなどのヘイロー系は全体的に成績が振るわず、ロベルト系のエピファネイア産駒もシティレインボー、ベッラノーヴァ、シーズンズギフトと重賞で好走している産駒はいるものの(1-4-5-41)と勝ち切れません。
中山芝1600m 母父データ
母父サンデーサイレンスは産駒数は減ってきていますが重賞での好走も多く未だ健在。ネオユニヴァースやディープインパクトなどサンデー系の母父が上位に入りますが、重賞では父サンデー系が強いため母父サンデー系は条件戦が中心です。
重賞ではミスパンテールの母父シンボリクリスエス、グランシルクの母父Dynaformerなど母父ロベルト系の成績が非常に良く、欧州型ダンジグ系やリファール系、フォーティナイナー系も好調です。
母父系統別
- ダンジグ(欧)【25-19-12-118】連対率25.3%
- プリンスリーギフト系【9-13-10-83】連対率19.1%
- ストームキャット系【13-13-15-105】連対率17.8%
相性の悪い母父
- マンハッタンカフェ【3-0-3-51】連対率5.3%
- フジキセキ【8-7-10-157】連対率8.2%
- コマンダーインチーフ【3-4-5-70】連対率8.5%
父サンデー系の出走が多いコースなので母父サンデー系はイマイチ。その中でもフジキセキ、マンハッタンカフェは相性があまりよくありません。
中山芝1600m 騎手・調教師データ
中山芝1600m 騎手データ
ルメール騎手は大半がノーザンFなど社台系生産の人気馬ですが、1番人気馬の騎乗時は(27-6-7-18)複勝率69%と軸としては最適。デムーロ騎手や川田騎手も騎乗数は多くありませんが、いずれも複勝率は50%前後です。
関東では回収値を含めると田辺騎手、横山典騎手の信頼度が高く、戸崎騎手はやや人気が先行しがちで2着が多いのが特徴。若手では石川騎手が健闘していますが、全体的には中堅~ベテラン騎手が安定しているコースです。
相性の悪い騎手
- 井上敏樹【0-0-1-30】連対率0.0%
- 武士沢友治【1-1-1-70】連対率2.7%
- 嘉藤貴行【1-1-1-42】連対率4.4%
他では松岡騎手が連対率5.1%、丹内騎手が複勝率5.2%、他にも吉田豊騎手、勝浦騎手が連対率5~6%と苦手としています。
中山芝1600m 調教師データ
国枝調教師は1勝クラス以下での勝利数が多く、特に牝馬はカレンブーケドールやサトノレイナスなど8勝全てが1勝クラス以下。牡馬は下級条件から重賞まで幅広く勝利を挙げています。
木村調教師も下級条件の出走数が多い点では国枝調教師と似た傾向ですが、国枝調教師は新馬戦では複勝率30%とあまり仕上げることが少ないのに対して木村調教師は複勝率66.7%としっかり仕上げてきます。
重賞になると関東では国枝調教師や木村調教師、堀調教師が強く、関西では高野調教師、昆調教師、藤岡調教師あたりが好成績。
相性の悪い調教師
- 杉浦宏昭【1-0-4-45】連対率2.0%
- 小野次郎【0-1-0-40】連対率2.4%
- 勢司和浩【1-2-2-55】連対率5.0%
中山芝1600m 傾向まとめ
コース傾向
★重賞では5番人気以内が優勝することが殆ど
★差し・追い込み馬は小回り巧者、コーナリングの巧い馬が狙い目
★牡馬は馬格がある馬が優勢、牝馬は460kg前後でも問題なし
★良馬場では内寄りの偶数馬番がやや優勢、重賞では1~3枠の牡馬が狙い目
★稍重以上だと牝馬は苦戦、3枠の牡馬が狙い目
血統
★近年はキズナ、ルーラーシップ産駒も好成績
★下級条件ではオルフェーヴル、ノヴェリスト産駒は穴でも狙える
★母父サンデー系は条件戦中心
★重賞では母父ロベルト系、欧州型ダンジグ系が強い
騎手・調教師
★関東では田辺、横山典騎手が好調、戸崎騎手は過剰人気しがち
★関西ではデムーロ、川田騎手
★国枝調教師は未勝利~1勝クラス、木村調教師は1勝クラス以下○
★関西では藤岡調教師が好調
中山競馬場 コースデータ
芝1200m 芝1600m 芝1800m 芝2000m 芝2200m 芝2500m 芝3600m ダ1200m ダ1800m ダ2400m