過去5年のコースデータから予想に役立つ傾向と特徴を紹介しています。
コースの特徴や人気・脚質・馬体重データに加え、枠順・馬番は良馬場時と重馬場時に分けて分析しています。またこのコースを得意とする血統(種牡馬・母父)や騎手・調教師の考察も行っています。
中山競馬場 芝2000m
コース概要
直線:310m
中山芝2000mは内回りコースを使用し、直線入り口あたりからのスタート。コーナーまでの距離が十分にあることから1800mよりも位置争いが激しくなりますが、道中のペースは落ち着く傾向にあります。
最後の直線は310mと短く、残り180mから70mにかけては中山名物の急坂が待ち構えています。急坂を上るパワーや小回り適性・持続力が必要なコースですが、路盤改修の影響や野芝メインで行われることもあり9月開催は高速馬場になりやすいのが特徴。
中山芝2000mで行われるレース
- 皐月賞
- ホープフルS
- 弥生賞
- 紫苑S
- 京成杯
- 中山金杯
中山芝2000m 傾向データ
中山芝2000m 人気データ
人気馬が強いコースで3番人気以内に推された馬は堅実。1番人気馬の複勝率69.0%はJRAの全芝コースの中でもトップクラスです。重賞でもこの傾向は変わらず、ホープフルSでは2017~2020年まで1番人気馬が4連勝。比較的荒れやすいのは皐月賞で7~9番人気の好走が目立っています。
10番人気以下の大穴はあまり期待できないコースですが、穴馬で連を狙うとしたら前走福島組。アクートの未勝利戦や紫苑Sのパラスアテナなど時々大穴が激走しています。
中山芝2000m 脚質データ
※1勝クラス以上を集計
直線が短いため先行馬有利に見えますが、逃げ・先行馬の回収値はそれほど高くありません。後半は持続力勝負になりやすいため、極端な直線一気でなければ脚質はあまり関係ありません。
中山芝2000m 馬体重データ
※1勝クラス以上を集計
馬格がある馬が勝ちやすく、特に重賞では460kg未満の馬は割引き。
2018年の皐月賞1~3着のエポカドーロ、サンリヴァル、ジェネラーレウーノは共に490kg前後の馬体重。人気を背負って敗れたステルヴィオ、ワグネリアン、オウケンムーン、タイムフライヤーは460kg以下の馬体でした。
中山芝2000m コースデータ(良馬場)
中山芝2000m 枠順・馬番データ(良馬場)
枠順
牡馬は枠順による成績の差はあまりなく、人気と着順を比較してもほぼ変わりません。重賞では4枠の成績が良く、特に皐月賞では4枠7番が2017~2021年まで5年連続で馬券に絡んでいます。
牝馬も枠順での成績の差はありませんが、牡馬と異なり外枠になるに連れて回収値が上がります。特に7枠の回収値が単195/複87、8枠は単221/複68という数値。逆に1~3枠の単回値は10~20と勝っているのはほぼ人気馬のみ。
馬番
多頭数時の17番枠は人気馬がほぼいなかった影響もあり成績を落としていますが、枠順同様に内外で大きな有利不利はありません。牡馬・牝馬共に偶数馬番・奇数馬番での差もほぼ無くどこからでも好走可能です。
中山芝2000m コースデータ(重馬場)
中山芝2000m 枠順・馬番データ(稍重~不良馬場)
枠順
道悪になると牡馬は1枠、8枠と内外極端な枠が1着に入るケースがやや目立ちます。2020年は皐月賞のコントレイル、弥生賞のサトノフラッグ、京成杯のクリスタルブラックがいずれも1枠1番から優勝しており、8枠も2019年弥生賞のメイショウテンゲンなど穴馬の好走が見られます。
牝馬は良馬場では外枠ほど回収値が上がりましたが、道悪になると成績・回収値共に1~5枠が優秀で6~8枠は人気馬ならといった形。
馬番
道悪では偶数馬番の回収値が高く、8番は人気馬が多かった影響もありますが複勝率は40%。また大外に入った馬が(7-9-2-36)複勝率33.3%、特に4番人気以内だと(5-8-1-6)と大外の人気馬は堅実です。
牡馬はどの馬番でもそれなりに走りますが、牝馬は12番以降に入るとやや割引きです。
中山芝2000m 血統データ
中山芝2000m 種牡馬データ
ディープインパクト産駒は牡馬の複勝率が41%、牝馬の複勝率が26%と牡馬の成績が良く特に世代重賞では圧倒的です。
キングカメハメハ→ルーラーシップ、ロードカナロアやハーツクライ→ジャスタウェイなど上位種牡馬は後継から重賞で活躍する産駒も出始めています。その分ハービンジャー産駒はやや押され気味で重賞勝ちは2018年紫苑Sのノームコアが最後。
近年はエピファネイア、ドリームジャーニー、スクリーンヒーロー、タートルボウルが成績を伸ばしています。
種牡馬系統別
- キングカメハメハ系【39-34-39-279】連対率18.7%
- ハーツクライ系【27-23-21-198】連対率18.6%
- ディープインパクト系【51-36-40-343】連対率18.5%
相性の悪い種牡馬
- マツリダゴッホ【1-0-2-31】連対率2.9%
- ナカヤマフェスタ【1-1-2-57】連対率3.3%
- ジャングルポケット【1-1-3-55】連対率3.3%
- ネオユニヴァース【2-0-4-49】連対率3.6%
ネオユニヴァースは皐月賞を勝ったヴィクトワールピサの印象は強いものの改修後は不振。キズナもマルターズディオサが紫苑S、クリスタルブラックが京成杯を勝ちましたが(2-1-2-29)連対率8.8%と全体的に見れば成績は悪く、この2勝はどちらも稍重馬場でした。
中山芝2000m 母父データ
シンボリクリスエスやブライアンズタイムなど母父ロベルト系は重賞でも強く、母父グラスワンダーのヤマカツエース、母父Intikabのダノンプレミアムなど様々な血統が重賞を制しています。
サンデー系ではサートゥルナーリアやディアドラの母父スペシャルウィーク、ラストドラフトやステラヴェローチェの母父ディープインパクトが成績を伸ばしています。
近年はデインヒル系の活躍馬が増えており、京成杯のグラティアス、ホープフルSのダノンザキッドなどがこの血統。フェアリーキング系やサドラーズウェルズ系など欧州型ノーザンダンサー系は全体的に安定しています。
穴ならフレンチデピュティの成績が非常に良くメイショウテンゲンやカミノタサハラなど弥生賞に強いのが特徴。母父クロフネもノームコアやパッシングスルーを輩出しており、重賞での母父デピュティミニスター系には注意。
母父系統別
- ストームキャット系【10-11-6-63】連対率23.3%
- エンドスウィープ系【7-4-3-41】連対率20.0%
- サドラーズウェルズ系【13-16-7-117】連対率19.0%
相性の悪い母父
- ティンバーカントリー【0-0-0-20】連対率0.0%
- タイキシャトル【1-0-1-32】連対率2.9%
- メジロマックイーン【1-1-2-29】連対率6.1%
中山芝2000m 騎手・調教師データ
中山芝2000m 騎手データ
ルメール騎手は騎乗馬がほぼ3番人気以内ですが、2番人気以内の成績は(32-12-7-20)勝率45.1%、複勝率71.8%。このコースの1番人気馬の成績が勝率32.6%、複勝率65.8%なので1番人気よりルメール騎手の方が信頼できるという謎の成績。
関東では田辺騎手、戸崎騎手の2人が上位の成績を残しており、この2人は重賞でも関西騎手に負けず劣らずの成績を残しています。
他には丸山騎手は2021年中山金杯を5番人気ココロノトウダイで2着。1番人気馬の騎乗は多くありませんが7番人気くらいまでは普通に持ってくるので中穴狙いにお勧め。若手では横山武騎手や菅原騎手も好調です。
相性の悪い騎手
- 嘉藤貴行【0-0-0-33】連対率0.0%
- 杉原誠人【0-0-0-31】連対率0.0%
- 宮崎北斗【0-0-1-32】連対率0.0%
他では藤田騎手、勝浦騎手、武士沢騎手、丸田騎手も連対率は3%前後と苦戦しています。
中山芝2000m 調教師データ
重賞やオープンクラスのレースが多く行われるコースのため、国枝調教師や堀調教師など関東トップクラスの調教師が並びますが、コントレイルを管理する矢作調教師は新馬戦や下級条件でも遠征させることが多く、7勝中6勝が2~3歳馬の勝鞍です。
重賞ではマルターズディオサ、ココロノトウダイなどを管理する手塚調教師の複勝率が非常に高く、2016年以降の重賞では(2-5-2-4)複勝率69.2%。手塚調教師以外は関西の厩舎が強く、池江調教師や中竹調教師、中内田調教師あたりが上位。
相性の悪い調教師
- 小笠倫弘【0-0-0-34】連対率0.0%
- 萱野浩二【0-0-1-24】連対率0.0%
- 武藤善則【0-0-1-30】連対率0.0%
中山芝2000m 傾向まとめ
コース傾向
★牡馬は460kg以上優勢、馬格のある馬が強い
★良馬場だと牝馬は外寄りの回収値が高い
★道悪だと牝馬は1~5枠○、6~8枠△
血統
★キングカメハメハ系、ハーツクライ系も安定
★近年はエピファネイア、ドリームジャーニー、タートルボウルも好調
★母父ロベルト系、欧州型ノーザンダンサー系が好成績
★穴狙いなら母父フレンチデピュティ
騎手・調教師
★戸崎、田辺、デムーロ騎手が好成績
★中穴狙いなら丸山騎手、若手なら横山武、菅原騎手
★堀、国枝調教師が好成績
★重賞では手塚調教師の複勝率が抜群
中山競馬場 コースデータ
芝1200m 芝1600m 芝1800m 芝2000m 芝2200m 芝2500m 芝3600m ダ1200m ダ1800m ダ2400m