2023/5/28(日)
東京競馬場・芝2400m
過去8年分の日本ダービーのデータを軸に、過去の好走馬の血統傾向や今年の登録馬のコース適性などを踏まえて注目馬をピックアップしています。
2週前予想なので回避馬・除外馬が含まれる場合があり、また枠順や馬体重など記事公開時には予想に反映できない要素もありますのでご了承ください。
日本ダービー 登録馬
登録馬
予想人気(2週前)
2番人気 スキルヴィング
3番人気 ファントムシーフ
4番人気 タスティエーラ
5番人気 サトノグランツ
参考:netkeiba.com
予想オッズでは無敗で皐月賞を制したキタサンブラック産駒のソールオリエンスが1番人気。2番人気もキタサンブラック産駒で青葉賞を制したスキルヴィングが続き、3番人気は皐月賞で1番人気3着だったファントムシーフが推されています。
4番人気以下は皐月賞で2着に入ったタスティエーラ、3連勝で京都新聞杯を制したサトノグランツ、昨年のホープフルS優勝馬ドゥラエレーデ、皐月賞5着のショウナンバシットなどが続きます。
日本ダービー コース&血統分析
東京芝2400mの特徴
ダービーやジャパンCなど日本を代表するGⅠが行われる舞台。直線の坂を上りきった地点からスタートし、前半1000mは平坦~下り坂となっています。
スピード、スタミナ、底力など総合力が問われるコースでレースレベルが上がるほど人気馬が好走しやすい特徴があります。
父系統別データ
- ディープインパクト系【5-3-3-30】
- キングカメハメハ系【2-0-1-20】
- ハーツクライ系【1-2-1-14】
- ステイゴールド系【0-1-1-9】
- ロベルト系【0-1-0-7】
2012年からはディープインパクト、ハーツクライ、キングカメハメハ産駒が優勝を分け合っていましたが今年の登録はハーツクライ産駒のハーツコンチェルトのみ。
また過去8年の連対馬の父は上の3頭に加えオルフェーヴル、キタサンブラック、エピファネイア。6頭全てが2400mのGⅠ勝ちの実績を持ちます(ハーツクライはドバイSC、それ以外の5頭は日本ダービーorジャパンC)。
母父系統別データ
- ボールドルーラー系【2-0-0-1】
- ロベルト系【1-1-2-9】
- ミスタープロスペクター系【1-1-1-9】
- ダンジグ系(米)【1-1-0-2】
- サンデーサイレンス系【1-0-1-21】
近年は高速化が進み、米国型の母父を持つ馬の成績が良いのが特徴。血統表でもミスプロ、シアトルスルー、ストームキャット、ダンジグなど米国型の血統を持つ馬はプラス。
母父欧州型ノーザンダンサー系は(0-2-0-23)で2着に入ったのはイクイノックス、サリオスと皐月賞2着+当日2番人気だった馬です。上位人気馬はそれほど多くありませんが、他にはグレートマジシャン、ワーケアも人気の一角に推されながら4着以下に敗れています。
日本ダービー 傾向データ①
枠順データ
枠順 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1枠 | 1-2-1-12 | 6.3% | 25.0% |
2枠 | 1-1-1-13 | 6.3% | 18.8% |
3枠 | 1-0-1-14 | 6.3% | 12.5% |
4枠 | 0-2-1-13 | 0.0% | 18.8% |
5枠 | 1-0-0-15 | 6.3% | 6.3% |
6枠 | 1-2-2-11 | 6.3% | 31.3% |
7枠 | 2-0-1-20 | 8.7% | 13.0% |
8枠 | 1-1-1-21 | 4.2% | 12.5% |
ダービーはCコース替わりでゲートが内2つ分空いているので1枠1番は非常に有利。スタート後窮屈にならずに出していけるのは大きな利点で過去8年では(1-2-1-4)。近年は以前ほど1枠の成績は目立ちませんが、1枠1番だけは注意。
人気馬は枠順は不問ですが、当日6番人気以下は馬番1~7番が(1-0-3-37)、8番以降が(0-0-1-61)と穴馬は内寄りが狙い目。
馬番データ
- 偶数馬番【3-5-2-61】
- 奇数馬番【5-3-6-58】
前走時の馬番
- 1~6番【7-3-3-46】
- 7~18番【1-5-5-73】
昨年は皐月賞で12番枠だったドウデュースが優勝しましたが、前走時に内寄りだった馬の優勝が多いのが特徴です。皐月賞組ではソールオリエンス、グリューネグリーン、ショウナンバシット、フリームファクシが前走時の馬番が1~6番。
また皐月賞組が当日5番人気以内に推された場合、皐月賞での枠が1~4枠だった馬は(5-5-1-4)、5~8枠だった馬は(1-2-2-6)。前走時5~8枠で連対したドウデュース、サトノダイヤモンド、イクイノックスはデビュー以来継続騎乗でした。
脚質データ
脚質 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
逃げ | 0-1-0-7 | 0.0% | 12.5% |
先行 | 3-1-2-21 | 11.1% | 22.2% |
差し | 3-5-5-56 | 4.3% | 18.8% |
追込 | 1-1-1-34 | 2.7% | 8.1% |
マクリ | 1-0-0-1 | 50.0% | 50.0% |
人気馬は位置取り不問ですが、当日4番人気以下+1角10番手以下は(0-0-1-56)なので中穴以下を狙うならある程度前でレースが出来そうな馬。
前走4角位置(前走皐月賞)
- 6番手以内【0-6-2-20】
- 7番手以下【6-1-4-37】
皐月賞で4角6番手以内だった馬は2着が多く、2着に入った6頭はいずれも皐月賞で3着以内+当日4番人気以内。4角7番手以下だとステラヴェローチェ、ヴェルトライゼンデ、ワグネリアンのように前走大敗や皐月賞より人気を落としていても拾えます。
有力馬ではタスティエーラが皐月賞で4角6番手以内、ソールオリエンス、ファントムシーフが4角7番手以下でした。
前走上がり3F(前走皐月賞)
- 1位【4-0-0-5】
- 2位【1-2-4-2】
- 3~5位【1-4-0-13】
- 6位以下【0-1-2-46】
皐月賞で上がり最速+3着以内は(4-0-0-1)で4着以下に敗れたのは2019年のサートゥルナーリア。ソールオリエンスが皐月賞で上がり1位、ファントムシーフ、シャザーン、トップナイフが2位で3頭並んでいます。
馬体重データ
馬体重 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
-439 | 0-0-0-5 | 0.0% | 0.0% |
440-459 | 2-2-0-16 | 10.0% | 20.0% |
460-479 | 1-0-4-43 | 2.1% | 10.4% |
480-499 | 4-3-3-41 | 7.8% | 19.6% |
500-519 | 1-2-1-10 | 7.1% | 28.6% |
520- | 0-1-0-4 | 0.0% | 20.0% |
480kg未満で連対した5頭はいずれもディープインパクト産駒。ディープ産駒やステイゴールド産駒は小柄でも走るタイプが多かったのですが、今年の登録馬だと連対候補としては480kg以上が無難です。
前走との馬体重差
- +体重【1-2-2-47】
- 増減無【0-1-1-21】
- -体重【7-5-5-51】
当日3番人気以内ならプラス体重でもマイナス体重でも複勝率は変わりませんが、当日4番人気以下は±0kg以下だと(3-2-4-65)、+体重だと(0-0-0-45)。
日本ダービー 傾向データ②
人気データ
人気 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1番人気 | 2-1-2-3 | 25.0% | 62.5% |
2番人気 | 1-3-1-3 | 12.5% | 62.5% |
3番人気 | 2-2-1-3 | 25.0% | 62.5% |
4-6番人気 | 2-2-0-20 | 8.3% | 16.7% |
7-9番人気 | 0-0-2-22 | 0.0% | 8.3% |
10番人気- | 1-0-2-68 | 1.4% | 4.2% |
当日3番人気以内は横並びで当日5番人気以内が(7-8-4-21)、6番人気以下は(1-0-4-98)。
また当日5番人気以内は皐月賞組が(6-7-3-10)、その他のレースが(1-1-1-11)と皐月賞組の人気馬がやはり堅実で、その他のレースから好走した3頭はいずれもディープ産駒でした。
所属データ
所属 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
美浦 | 2-4-4-41 | 3.9% | 19.6% |
栗東 | 6-4-4-78 | 6.5% | 15.2% |
関東馬、関西馬の差はありませんが当日4番人気以下だと関東馬が(0-0-2-36)、関西馬が(3-2-2-74)。出走数の違いはありますが、藤原厩舎や池江厩舎など関西の上位厩舎には注意。
キャリアデータ
キャリア | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
3戦 | 1-1-0-8 | 10.0% | 20.0% |
4戦 | 3-4-2-25 | 8.8% | 26.5% |
5戦 | 4-2-3-31 | 10.0% | 22.5% |
6戦 | 0-0-3-20 | 0.0% | 13.0% |
7戦- | 0-1-0-35 | 0.0% | 2.8% |
キャリア6戦以上で好走した馬は当日2番人気以内か重賞勝ち馬。近年はローテの多様化によりキャリアの多い馬が減ってきておりキャリア4~5戦に好走馬が集中しています。グリューネグリーン、ショウナンバシット、トーセントラム、トップナイフ、ドゥラエレーデ、パクスオトマニカ、メタルスピードがキャリア6戦以上。
またコズミックフォース、ロジャーバローズ、ヴェルトライゼンデ、ステラヴェローチェと近年はキャリア5戦の穴馬がよく馬券に絡んでいます。
騎手データ
- 継続騎乗【7-7-7-78】
- 乗り替わり【1-1-1-41】
2021年のシャフリヤールは乗り替わりでしたが過去3戦中2戦で福永騎手が騎乗していました。ただそれ以前は30年以上乗り替わりでの優勝はなく、やはり継続騎乗組が中心です。有力馬ではファントムシーフ、タスティエーラ、ドゥラエレーデあたりが乗り替わり想定。
生産者データ
- ノーザンF【6-6-6-52】
- 社台F【0-0-1-12】
近年はノーザンFの1強状態です。社台F生産馬は人気薄が多い影響もあり成績は振るいませんが、昨年アスクビクターモアが3着。社台F生産馬が優勝すると2010年のエイシンフラッシュ以来になります。
ノーザンF生産馬はサトノグランツ、シーズンリッチ、ショウナンバシット、スキルヴィング、タスティエーラ、ドゥラエレーデ、ノッキングポイント、パクスオトマニカ、フリームファクシ。社台F生産馬はシャザーン、ソールオリエンス、ベラジオオペラ。
日本ダービー 前走データ
前走クラスデータ
クラス | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
GⅠ | 6-7-6-73 | 6.5% | 20.7% |
GⅡ | 1-1-1-32 | 2.9% | 8.6% |
GⅢ | 1-0-0-5 | 16.7% | 16.7% |
オープン | 0-0-1-7 | 0.0% | 12.5% |
1勝 | 0-0-0-1 | 0.0% | 0.0% |
過去8年で馬券に絡んでいるのは皐月賞、京都新聞杯、毎日杯、青葉賞、プリンシパルSの5レース。皐月賞以外で連対しているのは京都新聞杯、毎日杯と関西のレースで関東の青葉賞、プリンシパルSは近年は3着止まりです。
また今年の皐月賞は重馬場でしたが、2010年以降道悪の皐月賞優勝馬はコントレイル、エフフォーリア、エポカドーロ、ゴールドシップ、ヴィクトワールピサの5頭。コントレイル以外はダービーで2~5着に敗れています。
主な前走
- 皐月賞【6-7-6-57】
- 京都新聞杯【1-1-0-13】
- 毎日杯【1-0-0-5】
- 青葉賞【0-0-1-16】
- プリンシパルS【0-0-1-2】
前走距離
- 1600m【0-0-0-16】
- 1800m【1-0-0-7】
- 2000m【6-7-7-66】
- 2200m【1-1-0-13】
- 2400m【0-0-1-16】
前走場所
- 東京【0-0-2-37】
- 中山【6-7-6-60】
- 京都【1-1-0-12】
- 阪神【1-0-0-7】
- 中京【0-0-0-2】
前走人気データ
人気 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1番人気 | 3-1-3-15 | 13.6% | 31.8% |
2番人気 | 2-3-0-12 | 11.8% | 29.4% |
3番人気 | 2-3-0-11 | 12.5% | 31.3% |
4番人気 | 0-0-2-13 | 0.0% | 13.3% |
5番人気 | 1-0-0-7 | 12.5% | 12.5% |
6-9番人気 | 0-1-3-32 | 0.0% | 11.1% |
10番人気- | 0-0-0-29 | 0.0% | 0.0% |
皐月賞で上位人気に推された馬は安定しており、前走3番人気以下で好走した12頭は全て皐月賞組です。
前走皐月賞
- 1~3番人気【5-6-1-9】
- 4~9番人気【1-1-5-28】
- 10番人気以下【0-0-0-20】
皐月賞で1番人気だった馬は(3-1-1-1)ですが、唯一4着以下に敗れたのが乗り替わりだったサートゥルナーリア。ファントムシーフが皐月賞1番人気ですが今回は乗り替わりになります。
前走3番人気以下
- 皐月賞【3-4-5-51】
- その他のレース【0-0-0-41】
シーズンリッチ、トーセントラムが前走皐月賞以外のレースで3番人気以下。
前走着順データ
着順 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1着 | 3-3-3-26 | 8.6% | 25.7% |
2着 | 2-2-1-22 | 7.4% | 18.5% |
3着 | 1-2-1-7 | 9.1% | 36.4% |
4着 | 0-0-0-8 | 0.0% | 0.0% |
5着 | 1-0-1-6 | 12.5% | 25.0% |
6-9着 | 1-1-2-23 | 3.7% | 14.8% |
10着- | 0-0-0-26 | 0.0% | 0.0% |
こちらも皐月賞で3着以内だった馬は(4-6-3-11)複勝率54.2%と安定しています。
前走6着以下から巻き返した4頭はヴェルトライゼンデ、ワグネリアン、スワーヴリチャード、サトノクラウンの4頭。いずれも芝1800mのレースを上がり最速で優勝した実績があり、ヴェルトライゼンデ以外はそのレースが重賞でした。
前走皐月賞
- 3着以内【4-6-3-11】
- 4着以下【2-1-3-40】
4着以下から巻き返した6頭はいずれも皐月賞で6番人気以内。皐月賞でのオッズは13倍以下くらいが目安です。今年はフリームファクシ、ベラジオオペラが近いです。
前走タイム差(2着以下)
- 0.5秒差以内【4-5-3-36】
- 0.6秒差以上【1-0-2-56】
前走で0.6秒差以上離されていて3着以内に入った3頭は前走が皐月賞でしたが、いずれの年も皐月賞馬がダービーでも連対しています。今年に当てはめると皐月賞で5着以下だった馬を買う場合、ソールオリエンスも2着以内に入るという形です。
日本ダービー データまとめ
買いデータ
★母父米国型
★1枠1番
★前走時1~4枠(特に馬番1~6番は1着狙い)
★前走皐月賞で上がり1位+3着以内
★前走皐月賞+当日5番人気以内
★ノーザンF生産馬
★前走皐月賞で3番人気+3着以内
消しデータ
★当日6番人気以下+馬番8番以降
★当日4番人気以下でプラス体重
★乗り替わり
★前走皐月賞以外のレースで3番人気以下
★前走0.6秒差以上負け
日本ダービー 予想
○スキルヴィング
▲ファントムシーフ
△ハーツコンチェルト
△タスティエーラ
△サトノグランツ
ソールオリエンスは皐月賞で4角後方から上がり最速で優勝と皐月賞での内容は文句無し。左回り・また長距離適性が高いキタサンブラック産駒ということで1番人気は確実ですが、母父サドラー系など母系に欧州型の血統が多い点が割引き要素。皐月賞は前半ハイペースだった展開利もありダービーとは求められる能力が異なるレース。良馬場で他馬を大きく上回る末脚が使えるかはやや疑問です。
スキルヴィングは過去一度も優勝が無い青葉賞からのローテですが、母父が米国産のシンボリクリスエスにシアトルスルーやミスプロ持ち。青葉賞は皐月賞より間隔が短いので能力を測る上では難しい部分もありますが、派手に勝つよりは前走くらいの内容で良いと思います。またコース成績抜群のルメール騎手の継続騎乗想定となる点はプラス。
ファントムシーフは皐月賞では落鉄のアクシデントがあったものの、1番人気に推され4角後方から上がり2位で3着と内容は問題ありません。テン乗りの武豊騎手に乗り替わりという点・また血統もあまり強調できませんが、ディープ産駒不在で今年は傾向が大きく変わる可能性もあり、相対的には上位評価。
ハーツコンチェルトは東スポ杯3着・青葉賞2着とハーツクライ産駒らしく左回り巧者で母父がスワーヴリチャード、コントレイルと同じアンブライドルズソングと血統は魅力的。重賞未勝利の1勝馬など馬柱的に見栄えはせず予想オッズでも10番人気前後と傾向からは紐候補ですが、キャリア5戦なので穴狙いなら面白そうな所です。
タスティエーラは乗り替わりが割引きですが、皐月賞4角好位組の有力馬という点では2~3着候補としては有力。サトノクラウン産駒も東京での勝率が高いものの共同通信杯・弥生賞・皐月賞と有力馬の中では年明け1戦多い分余力があるかが気になります。
最後にサトノグランツは京都新聞杯で1番人気1着、川田騎手の継続騎乗想定と大きな割引き要素はありませんが、上位馬に比べるとデータ的な強調要素も多くはなく押さえまでの評価。