過去8年分のデータ分析と予想です。
※2週前予想なので回避馬が含まれる場合があります。
古くは外枠不利が顕著なコースで波乱が多かったものの、2006年のコース改修以降は固めの決着が多いレースです。新潟2歳Sを勝ったウーマンズハート、アルテミスSを勝ったリアアメリアの2頭に注目が集まりそうです。
- 人気馬優勢、6番人気以下なら関東馬
- 前走東京+上がり上位馬が狙い目
- 前走2着以内はほぼ必須、1着馬はタイム差0.1秒以上
それでは2019年阪神JFのデータ分析を行なっていきます。
阪神JF 登録馬
1番人気予想はリアアメリア。ノーザンF生産のディープ産駒で前走の余裕のある勝ち方で、阪神コース経験から上位人気馬の中でもやや抜けた人気が予想されます。
2番手には新潟2歳Sでペールエールやクリアサウンドを相手に上がり32.8秒で差し切ったウーマンズハート、サウジアラビアRCではサリオスに敗れたものの1.32.9で3着馬には3馬身半差をつけたクラヴァシュドールが並ぶ形。
以下現時点での予想オッズではファンタジーSを勝ったレシステンシア、角居厩舎のディープ産駒ヴィースバーデン、キャリア豊富で武豊騎手が騎乗予定のヤマカツマーメイド、ワーケアなど強い相手と戦ってきたクリスティなどが続いています。
阪神JFのコース分析
阪神芝1600mの特徴
阪神芝1600mは外回りコースを使用。コーナーが内回りに比べてゆったりしているため直線で横一線になりやすく、直線の長さが474mと長く坂もあるため差しや追い込みが決まりやすいコースです。
速い上がりを使える馬が強いためディープインパクトなどのサンデーサイレンス系種牡馬が得意としています。
阪神芝1600m 種牡馬データ
ディープインパクト産駒は5番人気以内が(3-1-2-3)、6番人気以下が(0-0-0-6)という成績。他にもダイワメジャー、オルフェーヴルなどサンデー系が強いレースです。
阪神JF 種牡馬系統別データ
- サンデーサイレンス系【6-3-7-66】
- ミスタープロスペクター系【1-0-0-6】
- サドラーズウェルズ系【1-0-0-2】
- キングマンボ系【0-2-0-5】
- デピュティミニスター系【0-1-1-4】
主な出走馬の血統分析
種牡馬ディープインパクトの予想に役立つデータや特徴をピックアップ。ディープインパクト産駒の得意な距離やコースを芝・ダート…
種牡馬ダイワメジャーの予想に役立つデータや特徴をピックアップ。ダイワメジャー産駒の得意な距離やコースを芝・ダート別にまと…
阪神芝1600m 母父データ
勝率が高いのは母父ノーザンダンサー系ですがナスルーラ系やミスプロ系も複勝率ではそこまで大きく変わりません。サンデーを含むヘイロー・ロベルト系は不振で(0-1-2-40)。3着以内に入った3頭は当日4番人気以内でした。
阪神JF 母父別系統別データ
- サドラーズウェルズ系【2-0-0-1】
- グレイソヴリン系【1-2-0-7】
- ミスタープロスペクター系【1-0-1-15】
- カーリアン系【1-0-1-1】
- ネイティヴダンサー系【0-1-1-0】
阪神JFの傾向データ①
人気データ
人気 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1番人気 | 3-1-1-3 | 37.5% | 62.5% |
2番人気 | 1-3-0-4 | 12.5% | 50.0% |
3番人気 | 0-1-2-5 | 0.0% | 37.5% |
4-6番人気 | 4-0-3-17 | 16.7% | 29.2% |
7-9番人気 | 0-1-1-22 | 0.0% | 8.3% |
10-番人気 | 0-2-1-69 | 0.0% | 4.2% |
2011~2014年は4年連続で4~5番人気が優勝していますが、2015年以降は1番人気が3勝、2番人気が1勝と人気馬同士の決着が続いています。
関西馬
- 5番人気以内【5-5-3-15】
- 6番人気以下【0-1-0-69】
また6番人気以下の好走は関東馬に多く、関西馬は6番人気以下だとほぼ全滅。唯一2着に入ったのは2012年のクロフネサプライズです。
枠順データ
枠順 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1枠 | 3-0-0-13 | 18.8% | 18.8% |
2枠 | 0-0-3-13 | 0.0% | 18.8% |
3枠 | 0-0-1-15 | 0.0% | 6.3% |
4枠 | 1-2-0-13 | 6.3% | 18.8% |
5枠 | 0-2-1-13 | 0.0% | 18.8% |
6枠 | 1-2-2-11 | 6.3% | 31.3% |
7枠 | 2-1-0-21 | 8.3% | 12.5% |
8枠 | 1-1-1-21 | 4.2% | 12.5% |
1枠の勝率、6枠の複勝率がやや目立ちますが平均人気などを踏まえると内外で大きな差はなく、枠順はそれほど気にする必要はありません。
馬番データ
- 偶数枠【4-2-6-60】
- 奇数枠【4-6-2-60】
馬番では11番(1-2-2-3)、13番(2-1-0-5)、2番(2-0-0-6)あたりの成績が目立ちます。
脚質データ
脚質 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
逃げ | 0-0-0-8 | 0.0% | 0.0% |
先行 | 2-2-1-22 | 7.4% | 18.5% |
差し | 5-3-6-53 | 7.5% | 20.9% |
追込 | 1-3-1-37 | 2.4% | 11.9% |
直線は474mと長く実力が出やすいコースです。位置取りよりも速い上がりを使えることが重要なレースで、レースの上がり3位以内が(7-5-4-11)という成績。
前走上がり3F
- 1~3位【6-5-3-46】
- 4~5位【1-3-4-38】
- 6位以下【1-0-1-34】
前走上がり上位馬が優勢ですが京都組は前走上がりはアテになりません。前走東京+上がり5位以内は(3-4-6-20)とまずまずの成績。有力馬ではクラヴァシュドール、クリスティ、リアアメリアあたりが該当します。
阪神JFの傾向データ②
キャリアデータ
キャリア | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1戦 | 1-0-1-11 | 7.7% | 15.4% |
2戦 | 4-3-4-24 | 11.4% | 31.4% |
3戦 | 3-2-3-41 | 6.1% | 16.3% |
4戦- | 0-3-0-44 | 0.0% | 6.4% |
キャリア2~3戦が中心で4戦以上になると大きく成績を落としています。ただキャリア4戦以上の2着は全て8番人気以下なので穴狙いなら。
生月別データ
- 1月【2-2-0-16】
- 2月【3-1-4-23】
- 3月【1-2-0-46】
- 4月【1-2-4-28】
- 5月【1-1-0-7】
3月生まれの複勝率だけが極端に低く馬券に絡んだ3頭は当日3番人気以内。ジェラペッシュ、ヒメサマ、レシステンシアの3頭が3月生まれです。
所属データ
所属 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
美浦 | 3-2-5-36 | 6.5% | 21.7% |
栗東 | 5-6-3-84 | 5.1% | 14.3% |
阪神でのレースですが関東馬も互角以上に走っています。人気データでも紹介しましたが関西馬はほぼ5番人気以内のみで人気薄狙いなら関東馬。
騎手データ
- 継続騎乗【6-5-4-54】
- 乗り替わり【2-3-4-66】
継続騎乗が優勢ですが、5番人気以内ならそれほど関係ありません。また乗り替わり+関東騎手が(1-2-2-13)、関西騎手が(0-1-2-47)、海外騎手が(1-0-0-6)と複勝率では関東騎手への乗り替わりがトップ。
生産者データ
- ノーザンF【5-5-2-22】
- 社台F【2-0-0-15】
- 下河辺牧場【1-0-1-2】
ノーザンF生産馬は5番人気以内で(5-4-1-8)、6番人気以下で(0-1-1-14)。今年の登録馬ではオータムレッド、リアアメリア、レシステンシアの3頭がノーザンF生産馬。
また下河辺牧場は出走は少ないながらもショウナンアデラ、マウレアが好走、アユサンはこのレースでは敗れたものの桜花賞を制しています。クラヴァシュドールが下河辺牧場の生産馬。
馬体重データ
馬体重 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
-419 | 2-0-1-12 | 13.3% | 20.0% |
420-439 | 0-2-1-24 | 0.0% | 11.1% |
440-459 | 1-2-2-33 | 2.6% | 13.2% |
460-479 | 3-3-4-32 | 7.1% | 23.8% |
480-499 | 2-1-0-17 | 10.0% | 15.0% |
500- | 0-0-0-2 | 0.0% | 0.0% |
2歳牝馬同士なので小柄な馬でも問題ありません。
前走との馬体重差
- +体重【0-4-1-35】
- 増減無【2-1-2-9】
- -体重【6-3-5-76】
過去8年では当日プラス体重だった馬は2着止まり。
阪神JFの前走データ
前走クラスデータ
前走クラス | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
重賞 | 5-5-4-58 | 6.9% | 19.4% |
オープン | 1-1-1-13 | 6.3% | 18.8% |
500万 | 1-2-2-36 | 2.4% | 12.2% |
未勝利 | 0-0-0-7 | 0.0% | 0.0% |
新馬 | 1-0-1-11 | 7.7% | 15.4% |
最有力ローテはアルテミスS。他にも前走東京組の成績が良くファンタジーS組は信頼度には欠けます。前走新潟2歳Sからの2着は2013年のハープスター。
主な前走
- アルテミスS【2-3-2-11】
- ファンタジーS【2-1-1-28】
- アイビーS【1-1-0-0】
- 新潟2歳S【0-1-0-2】
前走距離
- 1200m【0-0-0-12】
- 1400m【3-2-3-52】
- 1600m【3-5-5-49】
- 1800m【2-1-0-6】
前走場所
- 東京【4-4-6-33】
- 中山【0-0-1-4】
- 京都【3-3-1-68】
- 新潟【0-1-0-5】
- 函館【1-0-0-1】
前走人気データ
人気 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1番人気 | 4-4-5-24 | 10.8% | 35.1% |
2番人気 | 3-0-0-16 | 15.8% | 15.8% |
3番人気 | 0-1-0-13 | 0.0% | 7.1% |
4番人気 | 1-0-1-17 | 5.3% | 10.5% |
5番人気 | 0-2-1-15 | 0.0% | 16.7% |
6-9番人気 | 0-1-1-21 | 0.0% | 8.7% |
10-番人気 | 0-0-0-14 | 0.0% | 0.0% |
前走1番人気馬の成績が断トツで、5番人気以下だった馬はほぼ重賞組。前走1番人気はウーマンズハート、リアアメリアの2頭のみ。
前走オープン特別
- 3番人気以内【1-1-1-6】
- 4番人気以下【0-0-0-7】
前走オープン特別で3番人気以内はロータスランド、4番人気以下はクリスティ、ヴィースバーデン。
前走500万
- 1番人気【1-1-1-8】
- 2番人気以下【0-1-1-28】
今年は前走500万で1番人気だった馬は登録無し。2番人気以下で馬券に絡んだ2頭はどちらも1着馬で、このパターンに該当するのはマルターズディオサ。
前走着順データ
着順 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1着 | 6-6-5-60 | 7.8% | 22.1% |
2着 | 2-1-2-13 | 11.1% | 27.8% |
3着 | 0-0-1-5 | 0.0% | 16.7% |
4着 | 0-0-0-12 | 0.0% | 0.0% |
5着 | 0-1-0-5 | 0.0% | 16.7% |
6-9着 | 0-0-0-18 | 0.0% | 0.0% |
10-着 | 0-0-0-7 | 0.0% | 0.0% |
前走3着以下から巻き返したのは2015年のブランボヌール(ファンタジーS1番人気3着)とウインファビュラス(アルテミスS5番人気5着)。
前走タイム差(1着)
- 0.1秒差以上【5-6-3-36】
- タイム差無し【1-0-2-24】
前走タイム差無しで優勝したのは2013年のレッドリヴェール。ただ前走は函館で行なわれた札幌2歳S(不良馬場で1.59.7)とかなりの特殊例です。
前走タイム差(2着以下)
- 0.5秒差以内【2-2-3-35】
- 0.6秒差以上【0-0-0-25】
前走クラス関係なく0.6秒差以上敗れている馬は3着以内がありません。有力馬ではオータムレッド、クリスティ、ヤマカツマーメイド、ルーチェデラヴィタあたりが0.5秒差以上で敗れています。
阪神JF 注目馬
最重要ローテのアルテミスSを1番人気で楽勝。血統面でもディープインパクト産駒、生産はノーザンFと隙が泣く、それ以外にもキャリア2戦の継続騎乗、前走上がり最速で0.1秒差をつけるレース内容、過去8年で3勝の2月生まれと今回取り上げた好走データのほぼ全てに当てはまります。
また当日2番人気以内は確実なので期待値は更にアップ。枠の影響が小さいコースなので未確定要素としては馬体重くらいです。川田騎手もチャンピオンズCでGⅠ連敗を止めデータ的にも鉄板級。ただ気性が荒いので敗れるとしたら折り合いを欠く形。
前走サウジアラビアRCはサリオスと同じ脚色で伸びるも最後は突き放され2着。単純比較はできませんがこの時の1.32.9の持ちタイムはメンバー中でも断トツ、3着馬には0.6秒差をつけていることから前走は相手が悪かったと言うしかありません。
血統面ではハーツクライ×ストームキャット系でウーマンズハートとほぼ同じですが、比較した時の強調材料としては前走東京、阪神マイル経験、藤岡佑騎手の継続騎乗予定、このレースと相性が良い下河辺牧場の生産馬という点など。
新潟2歳Sは上がり32.8秒の末脚で豪快に差し切り、新馬戦は上がり32.0秒という究極の末脚でマルターズディオサ相手に快勝。終いの爆発力は現時点ではリアアメリアよりも期待できますが、ペースが流れた時に対応できるかが不安点。
前走新潟2歳Sはハープスターも2着に敗れており、こちらは非ノーザンなのでローテは強調できません。ただ新潟では直線フラフラしていたり粗削りな面があったので、この3カ月半でその辺りが解消されたら。ゴドルフィン主戦のビュイック騎手を予定しているのは期待の表れだと思います。
人気馬が強いレースなので穴はあまり期待できませんが、上記3頭以外で気になるのはサフラン賞を勝ったマルターズディオサ。前走中山と主要ローテを外れていることもあり現時点の予想オッズでは8番人気ですが、人気薄の関東馬、関東の田辺騎手への乗り替わり、2歳戦好調なキズナ産駒と2~3着ならあるかも。
クリスティは関西馬なので6番人気以下なら狙いづらいですが、敗れた2戦は重馬場で相手もワーケアとマイネルグリット。クロフネは父としても母父としてもレース実績があり、芦毛の牝馬はウインファビラスやクロフネサプライズと穴のイメージも。
レシステンシアはノーザンF生産の関西馬ということで5番人気以内なら抑え必須ですが、前走ファンタジーSの成績の悪さや何故か不振な3月生まれなど不安要素も多め。