函館で行われた2013年を除く、過去10年分のデータ分析と予想です。
※1週前予想なので回避馬が含まれる場合があります。
GⅠ級のメンバーが揃うことが多い、夏競馬最大のレースです。今年も凱旋門賞を目指すフィエールマン、ブラストワンピースに加えワグネリアンやペルシアンナイトなどのGⅠ馬が出走を予定しています。
- 1番人気馬は堅実も2着が多い
- 3枠が優勢、人気薄は1~3枠から
- 前走GⅠor函館記念が中心
それでは2019年札幌記念のデータ分析を行なっていきます。
札幌記念 登録馬
1番人気が予想されるのは菊花賞、天皇賞・春を制し凱旋門賞を目指すフィエールマン。初対決となるダービー馬ワグネリアン、昨年の優勝馬サングレーザー、有馬記念馬ブラストワンピースなどが上位人気予想。
以下この距離で大崩れのないステイフーリッシュや安田記念では大きな不利があったペルシアンナイトあたりが続きます。
札幌記念のコース分析
札幌芝2000mの特徴
ポケットからのスタートでコースを1周。1800mとの違いはスタート後の直線部分のみで、コーナーまでの距離が長い分前半からゆったりしたペースになりやすいのが特徴です。
札幌芝2000m 種牡馬データ
ディープインパクトが(3-1-0-7)、キングカメハメハが(1-2-1-7)。今年はフィエールマン、ワグネリアン、サングレーザーとディープ産駒の有力馬が多めです。
ハービンジャー産駒は昨年が初出走でモズカッチャンが3着。コースデータからは十分こなせますがディープ産駒に比べると若干数値は劣ります。
札幌記念 種牡馬系統別データ
- サンデーサイレンス系【5-7-5-65】
- グレイソヴリン系【2-0-1-8】
- キングマンボ系【1-2-2-10】
主な出走馬の血統分析
種牡馬ディープインパクトの予想に役立つデータや特徴をピックアップ。ディープインパクト産駒の得意な距離やコースを芝・ダート…
種牡馬ハービンジャーの予想に役立つデータや特徴をピックアップ。ハービンジャー産駒の得意な距離やコースを芝・ダート別にまと…
種牡馬ステイゴールドの予想に役立つデータや特徴をピックアップ。ステイゴールド産駒の得意な距離やコースを芝・ダート別にまと…
札幌芝2000m 母父データ
相性が非常に良いのが母父ノーザンダンサー系。特に母父デピュティミニスター系は昨年の1、2着馬。昨年優勝のサングレーザー、母父ニジンスキー系のフィエールマンあたりは血統的な裏付けも○。
ブラストワンピースは父ハービンジャー×母父キングカメハメハですが、これは昨年3着のモズカッチャンと同じ血統構成です。
札幌記念 母父別系統別データ
- サンデーサイレンス系【2-1-2-22】
- ノーザンテースト系【2-0-0-3】
- ノーザンダンサー系【1-1-1-4】
- デピュティミニスター系【1-1-1-0】
- グレイソヴリン系【1-1-1-11】
札幌記念の傾向データ①
人気データ
人気 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1番人気 | 2-6-1-1 | 20.0% | 90.0% |
2番人気 | 2-0-2-6 | 20.0% | 40.0% |
3番人気 | 0-0-1-9 | 0.0% | 10.0% |
4番人気 | 1-0-4-5 | 10.0% | 50.0% |
5番人気 | 3-2-0-5 | 30.0% | 50.0% |
6番人気 | 1-0-0-9 | 10.0% | 10.0% |
7-9番人気 | 1-1-2-26 | 3.3% | 13.3% |
10-番人気 | 0-1-0-53 | 0.0% | 1.9% |
1番人気馬の複勝率は90%と優秀ですが勝ち切れず2着が多いのが特徴。モーリスを破ったネオリアリズム、ブエナビスタを破ったヤマニンキングリーなど単勝1倍台の馬が敗れることもあります。
単勝オッズ別データ
- 1.9倍以下【0-4-0-0】
- 2.0~3.9倍【3-1-1-4】
- 4.0~9.9倍【1-3-5-17】
- 10.0~19.9倍【5-0-3-14】
上で書いたように単勝1倍台は4頭いましたが全て2着。今年はメンバー的に1倍台の可能性は低そうです。また5勝を挙げている10倍台の中穴だとステイフーリッシュ、ペルシアンナイトあたりが近そうです。
枠順データ
枠順 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1枠 | 2-0-1-11 | 14.3% | 21.4% |
2枠 | 1-2-1-11 | 6.7% | 26.7% |
3枠 | 1-3-5-8 | 5.9% | 52.9% |
4枠 | 1-2-0-16 | 5.3% | 15.8% |
5枠 | 2-1-0-16 | 10.5% | 15.8% |
6枠 | 1-1-2-16 | 5.0% | 20.0% |
7枠 | 1-0-0-19 | 5.0% | 5.0% |
8枠 | 1-1-1-17 | 5.0% | 15.0% |
3枠の複勝率が50%台と断トツ。7枠以降に入ると割引きですが人気サイドならそれほど影響はありません。
馬番データ
- 偶数枠【3-5-5-57】
- 奇数枠【7-5-5-57】
馬番では2~5番の成績が非常に良く、その中でも5番が(2-3-1-4)と抜けています。2~4番も複勝率40%で並びます。
また11番以降は奇数枠のみ馬券に絡んでおり、12、14、16番は過去10年で3着以内が1回もありません。
6番人気以下
- 1~3枠【2-2-1-23】
- 4~8枠【0-0-1-65】
基本的に固めに決まるレースではありますが、穴馬狙いなら内枠から。6番人気以下+4枠以降はほぼ全滅で、3着に入ったのは2014年のホエールキャプチャ。同年の東京新聞杯勝ち、またGⅠを含む重賞5勝の実績がありました。
脚質データ
脚質 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
逃げ | 1-0-0-10 | 9.1% | 9.1% |
先行 | 4-4-4-32 | 9.1% | 27.3% |
差し | 4-3-4-34 | 8.9% | 24.4% |
追込 | 0-2-2-38 | 0.0% | 9.5% |
マクリ | 1-1-0-0 | 50.0% | 100.0% |
ハープスターとゴールドシップのマクりがあったように強い馬であれば脚質は気にする必要はありません。
前走4角位置
- 5番手以内【2-3-3-52】
- 6番手以下【8-5-6-54】
前走上がり3F
- 1~3位【1-3-1-11】
- 4~5位【3-2-1-14】
- 6位以下【4-2-3-64】
札幌記念の傾向データ②
馬齢データ
馬齢 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
3歳 | 1-1-1-9 | 8.3% | 25.0% |
4歳 | 3-1-1-23 | 10.7% | 17.9% |
5歳 | 3-5-5-27 | 7.5% | 32.5% |
6歳 | 3-0-1-25 | 10.3% | 13.8% |
7歳- | 0-3-2-30 | 0.0% | 14.3% |
複勝率では5歳が優勢ですが、3歳でも7歳以上でも複勝率はそこまで落ちません。
キャリアデータ
- 10戦以下【1-2-0-13】
- 11~15戦【4-3-3-15】
- 16~20戦【3-2-2-18】
- 21戦以上【2-3-5-68】
所属データ
所属 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
美浦 | 3-5-3-43 | 5.6% | 20.4% |
栗東 | 7-5-7-71 | 7.8% | 21.1% |
複勝率では差はありません。
騎手データ
- 継続騎乗【6-6-8-57】
- 乗り替わり【4-4-2-57】
3番人気以内だと継続騎乗が優勢ですが、4~5番人気の乗り替わりに要注意。個別では福永騎手が(2-1-1-4)、横山典騎手が(1-2-0-5)、蛯名騎手が(1-1-1-4)。
生産者データ
- ノーザンF【3-3-2-14】
ノーザンF生産馬は5番人気以内で(3-3-2-4)と堅実。逆に6番人気以下は全て4着以下に敗れています。クルーガー、サトノティターン、フィエールマン、ブラストワンピース、ランフォザローゼス、ワグネリアンがノーザンF生産馬です。
馬体重データ
馬体重 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
-439 | 0-0-0-4 | 0.0% | 0.0% |
440-459 | 1-1-2-17 | 4.8% | 19.0% |
460-479 | 4-1-3-26 | 11.8% | 23.5% |
480-499 | 4-1-3-36 | 9.1% | 18.2% |
500-519 | 0-6-1-23 | 0.0% | 23.3% |
520-539 | 1-1-1-7 | 10.0% | 30.0% |
540- | 0-0-0-1 | 0.0% | 0.0% |
500~519kgは2着が多く、1番人気馬が(0-4-1-0)と複勝率100%ながら1着が無いのが特徴。今年の有力馬でこの範囲になる馬はいなさそうです。
前走との馬体重差
- +体重【5-3-3-37】
- 増減無【1-2-1-12】
- -体重【4-4-5-61】
前走との斤量差
- +斤量【2-1-3-45】
- 増減無【3-5-3-40】
- -斤量【5-4-4-29】
札幌記念の前走データ
前走クラス
前走クラス | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
GⅠ | 4-5-6-18 | 12.1% | 45.5% |
GⅡ | 0-1-0-7 | 0.0% | 12.5% |
GⅢ | 6-2-3-56 | 9.0% | 16.4% |
オープン | 0-0-0-16 | 0.0% | 0.0% |
1600万 | 0-0-0-6 | 0.0% | 0.0% |
海外 | 0-2-1-8 | 0.0% | 27.3% |
前走GⅠか函館記念組が中心です。1600万組、オープン特別組は昨年のマイスタイルや2017年マウントロブソンなどそこそこ人気になる馬もいましたが全滅。
主な前走
- 函館記念【3-2-3-37】
- 宝塚記念【2-2-1-5】
- 安田記念【1-1-1-3】
- オークス【1-1-0-1】
前走距離
- 1600m【1-1-1-4】
- 1800m【2-1-0-25】
- 2000m【4-3-4-61】
- 2200m【2-2-1-5】
- 2400m【1-2-1-6】
- 2500m~【0-1-2-11】
前走場所
- 東京【3-4-2-15】
- 阪神【2-2-2-11】
- 札幌【1-0-1-17】
- 函館【3-2-2-41】
前走人気
人気 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1番人気 | 2-3-1-12 | 11.1% | 33.3% |
2番人気 | 0-0-0-14 | 0.0% | 0.0% |
3番人気 | 2-0-1-10 | 15.4% | 23.1% |
4番人気 | 2-0-2-6 | 20.0% | 40.0% |
5番人気 | 1-1-1-11 | 7.1% | 21.4% |
6-9番人気 | 3-2-1-23 | 10.3% | 20.7% |
10-番人気 | 0-2-3-30 | 0.0% | 14.3% |
前走GⅠ組は人気不問、GⅢは5番人気以内が目安ですが函館記念のみは6番人気以下だった馬の好走も見られます。
前走着順
着順 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1着 | 0-3-2-15 | 0.0% | 25.0% |
2着 | 2-1-1-10 | 14.3% | 28.6% |
3着 | 2-1-1-8 | 16.7% | 33.3% |
4着 | 0-1-0-12 | 0.0% | 7.7% |
5着 | 1-0-0-8 | 11.1% | 11.1% |
6-9着 | 5-3-2-34 | 11.4% | 22.7% |
10-着 | 0-1-4-27 | 0.0% | 15.6% |
前走1着馬が勝っておらず、ゴールドシップやブエナビスタなどの人気馬も敗れています。
フィエールマンはローテとしても天皇賞・春以来、さらに1着とデータ的には微妙ですが、菊花賞や天皇賞・春でもデータを覆して優勝しているので、あまり気にしなくても良さそうです。
前走GⅢ
- 3着以内【2-1-3-17】
- 4~5着【0-0-0-12】
- 6~9着【4-1-0-12】
- 10着以下【0-0-0-15】
前走GⅢは3着以内、もしくは6~9着だった馬の成績が良く特に函館記念で6~9着だった馬が穴で狙い目。
前走GⅠ
- 3着以内【2-3-1-1】
- 4着以下【2-2-5-17】
前走GⅠで3着以内だった馬は堅実。またこの7頭中6頭は2番人気以内だったのでフィエールマン、ワグネリアンが1、2番人気なら信頼度は高め。
クロコスミアもヴィクトリアマイル3着ですが、人気を考えると紐までが妥当か。
札幌記念 注目馬
レース間隔が空くのは体質的なものでその分前走ローテや間隔、キャリアなどのデータには当てはまりませんが、状態や調教が順調なら問題ありません。ノーザンF生産馬で血統的にもディープ×ニジンスキー系と背景もバッチリ。
不安要素としては凱旋門賞までの間隔が1か月半とキャリアで最も詰まる点。父ディープが亡くなったということもあり本番に向けてよりプレッシャーがかかるため、ここは余裕残し&レースでも無理をさせないことは十分に予想がつきます。
大阪杯、宝塚記念を見ても中距離路線は5歳馬がトップ。大阪杯は大敗しましたが安田記念では十分に能力は発揮しての5着。安田記念からのローテも昨年と同じという点で好感が持てます。
またこの馬以外にもマカヒキ、レインボーラインと母父デピュティミニスター系がこのレースでは活躍しており血統的には◎。週末は台風の影響があるかもしれませんが、馬場状態に左右されないのも強みです。
この馬もフィエールマン同様体質的なもので間隔が空いているのが不安要素ですが、前走休み明けの大阪杯で3着と状態が万全ならこの路線のトップクラス。レース相性の良い福永騎手の継続騎乗という点もプラスです。
ただこの馬は金子真人HDの持ち馬、ディープ×キンカメという血統、ハヤヤッコの流れから今回は応援馬券が売れそうで旨味が無さそうな印象もあります。それでも勝つのが金子馬の凄い所なんですが。
それ以外ではハービンジャー産駒の5歳馬ペルシアンナイト。安田記念はスタートの大きな不利が無ければ着順はもっと上だったはず。適度に時計のかかる馬場は合っており、初の北海道は楽しみです。
ステイフーリッシュも大阪杯では大敗しましたが函館記念では57.5kgを背負って3着。GⅠ馬が過剰人気しやすいレースですが、ネオリアリズムやヤマニンキングリー的な存在。
同じステイゴールド産駒のクロコスミアは昨年のエリザベス女王杯ではリスグラシューには敗れたものの3着馬には3馬身差。スムーズに行けた時は残す可能性は十分考えられます。