富士S2019予想|過去10年の傾向とデータ分析

by Goki [CC BY-SA 3.0]
2019年10月19日(土)
富士ステークス(GⅢ)
東京競馬場・芝1600m

過去10年分のデータ分析と予想です。
※1週前予想なので回避馬が含まれる場合があります。

マイルCSの前哨戦として行われ、1着馬にマイルCSの優先出走権が与えられます。近年はペルシアンナイトやイスラボニータなど本番での好走馬をコンスタントに輩出していますが、このレースで敗れた馬の方がマイルCSで好走しやすいのが特徴です。

富士Sの傾向
  • 近年は人気馬優勢
  • ディープインパクト産駒の人気馬は堅実
  • 4歳馬の成績がよく、1着候補はキャリア15戦以下

それでは2019年富士Sのデータ分析を行なっていきます。

富士S 登録馬

同コースでGⅠ勝ちのあるアドマイヤマーズ、ノームコアの2頭が人気の中心ですがアドマイヤマーズは57kg、ノームコアは56kgの斤量。

3番手以下は東京マイル得意な血統のレッドオルガ、昨年の覇者ロジクライ、京成杯AH3着のジャンダルム、NHKマイルC3着のカテドラルあたりが続きます。

富士Sのコース分析

東京芝1600mの特徴


スタート後直線が続くため枠順による有利不利は小さいコースです。他の競馬場ならペースが落ち着く3ハロン目辺りから下り坂になってコーナーに入るため、息が入らない流れになりがちです。

結果的に距離以上のスタミナを要求されるため逃げ馬には苦しく、中距離を得意とする馬が好走しやすい傾向にあります。

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東京芝1600m 種牡馬データ


ディープインパクト産駒が(3-4-2-8)で複勝率50%以上。5番人気以内だと(3-3-2-1)と堅実です。2017年はエアスピネルが優勝していますが、ミスプロ系・キングマンボ系の成績はイマイチ。

今年のディープ産駒はプロディガルサンレッドオルガの2頭。人気が上になりそうなのは東京新聞杯でインディチャンプの半馬身差2着に入ったレッドオルガの方か。

富士S 種牡馬系統別データ

  • サンデーサイレンス系【6-7-5-55】
  • キングマンボ系【1-0-1-9】
  • ダンジグ系【1-0-1-8】
  • ストームキャット系【1-0-0-3】
  • リファール系【0-1-1-2】

主な出走馬の血統分析

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東京芝1600m 母父データ


母父サンデー系は全てサンデーサイレンス自身。ノーザンダンサー系・ミスプロ系の成績が安定していますが、グレイソヴリン系を除くナスルーラ系やダンジグ系、ヌレイエフ系は不振です。

カテドラル、キャンベルジュニアが母父ダンジグ系、ショウナンライズが母父レッドゴッド系です。

富士S 母父別系統別データ

  • サンデーサイレンス系【3-1-2-30】
  • ミスタープロスペクター系【2-1-1-15】
  • リファール系【1-0-2-5】
  • カーリアン系【1-0-1-10】

富士Sの傾向データ①

人気データ

人気着度数勝率複勝率
1番人気3-1-0-630.0%40.0%
2番人気3-0-1-630.0%40.0%
3番人気1-2-1-610.0%40.0%
4-6番人気3-3-3-2110.0%30.0%
7-9番人気0-1-0-290.0%3.3%
10-番人気0-3-5-630.0%11.3%

過去10年では10番人気以下の好走も目立ちますが、過去5年では5番人気以内が(5-4-4-12)と人気馬優勢。

枠順データ

枠順着度数勝率複勝率
1枠0-0-0-170.0%0.0%
2枠2-1-1-1510.5%21.1%
3枠1-0-2-165.3%15.8%
4枠2-3-0-1410.5%26.3%
5枠2-1-1-1510.5%21.1%
6枠0-2-2-160.0%20.0%
7枠1-1-4-174.3%26.1%
8枠2-2-0-218.0%16.0%

1枠のみ3着以内が1度もありませんが、人気薄が入ることが多かったので特別不利という訳ではありません。人気以上の着順になりやすいのはやや外寄りの5~7枠。

馬番データ

  • 偶数枠【4-4-4-64】
  • 奇数枠【6-6-4-67】

馬番では3番(3-1-0-6)、11番(0-2-2-6)の複勝率がやや高めですが、どの馬番からも満遍なく好走馬が出ています。

脚質データ

脚質着度数勝率複勝率
逃げ0-0-0-100.0%0.0%
先行4-3-5-299.8%29.3%
差し5-4-2-537.8%17.2%
追込1-3-3-392.2%15.2%

ワンターンで直線の長いコースなので脚質は不問。

前走4角位置

  • 3番手以内【1-1-1-29】
  • 4番手以下【9-9-9-101】

前走4角3番手以内だった馬は不振ですが、近年はエアスピネル、イスラボニータ、ロゴタイプが好走しており実績馬であれば問題ありません。有力馬ではジャンダルム、ロジクライが前走4角3番手以内。

前走上がり3F

  • 1~2位【3-2-3-26】
  • 3~5位【0-4-3-37】
  • 6位以下【7-4-4-62】

前走上がり6位以下だった馬が4年連続優勝。前走上がり6位以下で掲示板に載っていた馬が狙い目で今年該当するのはジャンダルムリコーワルサーの2頭。

富士Sの傾向データ②

馬齢データ

馬齢着度数勝率複勝率
3歳3-1-3-298.3%19.4%
4歳4-3-2-1417.4%39.1%
5歳3-3-4-346.8%22.7%
6歳0-3-0-350.0%7.9%
7歳-0-0-1-190.0%5.0%

4歳の成績が最も良く3歳・5歳が次点。6歳以上は抑えまでという成績分布です。近年の3歳馬はペルシアンナイトやロードクエストが人気で敗れており、優勝した3頭は全て54kgでした。

アドマイヤマーズは3歳馬にして57kgの斤量が課題。エメラルファイトもGⅡ勝ちがあるため56kgで、3歳馬ではカテドラルクリノガウディーの54kgは魅力的です。

キャリアデータ

  • 15戦以下【9-3-5-43】
  • 16戦以上【1-7-5-88】

またキャリア豊富な馬は勝ち切れておらず、4~5歳馬でもキャリア16戦以上の馬は2~3着狙いが無難です。キャリア16戦以上で優勝したのは2013年1番人気のダノンシャーク。

有力馬ではプロディガルサン、ロジクライがキャリア16戦以上。

所属データ

所属着度数勝率複勝率
美浦3-6-5-594.1%19.2%
栗東7-4-5-688.3%19.0%
地方0-0-0-40.0%0.0%

優勝が多いのは関西馬ですが、複勝率では互角です。

騎手データ

  • 継続騎乗【6-6-6-58】
  • 乗り替わり【4-4-4-73】

乗り替わりはそれほど意識する必要はありません。個別ではルメール騎手が(1-3-0-0)と4年連続連対。それ以外では戸崎騎手が(2-1-0-3)、北村友騎手が(1-0-1-0)。

netkeibaの想定ではノームコアがルメール騎手、クリノガウディーが戸崎騎手です。

生産者データ

  • ノーザンF【4-2-2-30】
  • 社台F【2-4-1-23】

馬体重データ

馬体重着度数勝率複勝率
-4591-2-1-147.1%22.2%
460-4795-1-2-3511.6%18.6%
480-4990-4-4-380.0%17.4%
500-5193-0-2-279.4%15.6%
520-1-3-1-174.5%23.8%

大型馬でも軽量馬でも複勝率はそれほど変わらず、馬格は気にしなくて大丈夫です。ただし最も頭数が多い480~499kgの馬の優勝が無く、2~3着が多いという特徴もあります。

前走馬体重ではクリノガウディー、レイエンダあたりが前走480~499kg。

前走との馬体重差

  • +体重【3-7-5-55】
  • 増減無【0-0-1-22】
  • -体重【7-3-4-53】

富士Sの前走データ

前走クラスデータ

前走クラス着度数勝率複勝率
GⅠ2-3-1-227.1%21.4%
GⅡ3-0-3-1216.7%33.3%
GⅢ3-7-2-554.5%17.9%
オープン2-0-3-295.9%14.7%
1600万0-0-1-70.0%0.0%

夏競馬を使ってきた馬、秋初戦となる馬とローテーションは多岐に渡りますが、ある程度信頼できるのは京成杯AHか安田記念。またNHKマイルC組は(0-0-0-6)で1番人気だったレッドスパーダ、NHKマイルC優勝のクラリティスカイはそれぞれ15着と大敗しています。

主な前走

  • 京成杯AH【2-3-1-28】
  • ポートアイランドS【2-0-0-20】
  • 安田記念【1-3-0-8】

前走距離

  • 1400m【0-0-2-6】
  • 1600m【6-7-4-84】
  • 1800m【1-2-2-16】
  • 2000m【1-0-2-2】

前走場所

  • 東京【2-4-1-30】
  • 中山【3-3-3-30】
  • 阪神【2-1-2-28】
  • 福島【0-1-1-2】
  • 新潟【2-1-2-19】

前走人気データ

人気着度数勝率複勝率
1番人気1-2-0-204.3%13.0%
2番人気3-1-4-917.6%47.1%
3番人気1-1-1-136.3%18.8%
4-5番人気2-1-1-247.1%14.3%
6-9番人気2-3-2-335.0%17.5%
10-番人気1-2-2-312.8%13.9%

前走2番人気だった馬の複勝率が高く、特に京成杯AHで2番人気だった馬が(2-0-1-1)でクリノガウディーが該当。

前走2番人気を除くと上位人気でも下位人気でも複勝率は変わりませんが、直近5年では前走5番人気以内が(5-4-3-29)に対して前走6番人気以下は(0-1-2-31)となっています。

有力馬ではエメラルファイト、ジャンダルム、ロジクライが前走6番人気以下。

前走GⅢ

  • 1~3番人気【3-3-1-17】
  • 4~5番人気【0-0-0-11】
  • 6番人気以下【0-4-1-27】

前走GⅢで3番人気以内はカテドラル、クリノガウディー、プロディガルサン、レイエンダの4頭。6番人気以下はアンノートル、キャンベルジュニア、ジャンダルム、ストロングタイタン、ダッシングブレイズ、トミケンキルカスの6頭。

前走着順データ

着順着度数勝率複勝率
1着2-1-2-198.3%20.8%
2着1-3-0-145.6%22.2%
3着1-0-2-145.9%17.6%
4-5着3-1-1-2012.0%20.0%
6-9着1-2-3-342.5%15.0%
10-着2-3-2-305.4%18.9%

こちらも前走人気同様下位からの巻き返しも多く見られますが、近年は前走掲示板に載っていた馬がやや優勢です。

前走GⅢ

  • 3着以内【3-4-1-20】
  • 4着以下【0-3-1-35】

前走GⅢで3着以内だったのはジャンダルムのみです。

前走タイム差(2着以下)

  • 0.5秒差以内【6-6-4-62】
  • 0.6秒差以上【2-3-4-51】

前走0.6秒差以上敗れていて巻き返したのは前走GⅠだったダノンプラチナとアブソリュート。今年は前走GⅠ組以外は全て前走0.6秒差以上で敗れています。

富士S 注目馬

レッドオルガ

レベルの高いメンバーが揃った東京新聞杯でインディチャンプの2着。兄弟のクラレント、レッドアリオン、レッドアヴァンセもこのレースで3着以内の実績があり、この一族は血統だけで買えます。関西馬やノーザンF生産馬でキャリア15戦以内、54kgの斤量、5番人気以内に推されそうなディープ産駒という点などが買い要素。

不安要素は当日の天気。週末は雨予報でこの馬自身得意な東京マイルでも重馬場では敗れています。富士Sは過去10年中良馬場が8回、不良馬場が2回という極端な馬場状態ですが、不良時にはサンデー系以外が好走していることもあり、道悪なら割引きです。

 

アドマイヤマーズ

3歳で勝っているのはステファノスやダノンプラチナなどディープ産駒や54kgを背負った馬が多く、57kgの斤量は割引き。ただし過去出走した3歳馬の中では実績は断トツでマイルでは5戦無敗。近年は人気馬が強いレースなので抑えは必要ですが、ダイワメジャー産駒なので春からの成長が見られるかは気になる点。

サンデー系にマキャヴェリアン系の牝馬はロジクライやヴィルシーナなど東京適性の高い馬が多く血統からも買えますが、スローからの末脚勝負となると分が悪いので展開面では前がある程度流れて欲しい所。また週末が雨予報なので高速馬場よりは少し時計のかかる馬場の方が良さそうです。

 

ジャンダルム

藤井騎手に乗り替わった中京記念からは先行策に転じ人気以上の結果。京成杯AHは3番手から1.30.9のタイムで3着と復調気配を見せています。4歳馬が強いレースですが今年は実質この馬とレイエンダしかおらず、近走でのマイル経験ではやはりこちら。

前走人気薄・4角3番手以内というのはデータ的には割引きですが、前走京成杯AHで上がり6位以下から3着に残した内容は近年の優勝馬に近い部分もあり、枠次第では頭でも狙えます。父サドラーズウェルズ系×母父サンデーサイレンスという血統は安田記念で穴を空けたロゴタイプに近く血統面もまずまず。

 

その他

ノームコアはヴィクトリアマイルをコースレコードで制覇、今回も5番人気以内はほぼ確実で4年連続連対のルメール騎手が騎乗するので切るに切れませんが、骨折休養明けの56kgなのでここは抑えまでが無難と思われます。

あとは6歳馬ですが昨年の優勝馬ロジクライ。この馬はシンザン記念は勝っていますが古馬になってからの京都成績は振るわず、年齢やコース相性的にもここが最後の狙い目になるかも。

また今回は比較的中団から前につけるタイプが多く前が速めに流れそうなので、昨年のワントゥワンのような追い込みを期待するならプロディガルサンカテドラル

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