2022/6/12(日)
函館競馬場・芝1800m
過去8年分の函館スプリントSのデータを軸に、過去の好走馬の血統傾向や今年の登録馬のコース相性などを踏まえて注目馬をピックアップしています。(札幌競馬場で行われた2021年は除いています)
1週前予想なので回避馬・除外馬が含まれる場合があり、また枠順や馬体重など記事公開時には予想に反映できない要素もありますのでご了承ください。
函館スプリントS 登録馬
登録馬
予想人気(1週前)
2番人気 ビアンフェ
3番人気 プルパレイ
4番人気 シゲルピンクルビー
5番人気 ヴェントヴォーチェ
参考:netkeiba.com
予想オッズでは小倉2歳Sの優勝馬で桜花賞でも3着に入ったナムラクレアが1番人気。2番人気は昨年の優勝馬でスプリント重賞3勝のビアンフェ、3番人気にはファルコンSの優勝馬プルパレイが推されています。
4番手以下は鞍馬Sを快勝したシゲルピンクルビー、春雷Sを1.06.8と好タイムで圧勝したヴェントヴォーチェ、昨年の葵S、キーンランドCの優勝馬レイハリア、高松宮記念で大穴をあけたキルロードなどが続きます。
函館スプリントS コース&血統分析
函館芝1200mの特徴
向こう正面のポケットからスタートで3~4コーナーまでの約800mが上り坂、そこからゴールまでの400mまでが下りとなっています。直線が短いため先行有利ですが、洋芝で馬場が重いため開催後半は差しが届きやすくなります。
函館スプリントS 父系統別データ
- サンデーサイレンス系【2-3-2-25】
- エンドスウィープ系【2-0-0-4】
- ミスタープロスペクター系【1-2-1-10】
- デピュティミニスター系【1-1-1-7】
- キングカメハメハ系【1-0-1-2】
全体的にミスプロ系の成績が良く、サンデー系ではダイワメジャーやマンハッタンカフェが健闘しています。近年のコースデータからはロードカナロア、ジョーカプチーノ、リオンディーズが好調。
函館スプリントS 母父系統別データ
- サンデーサイレンス系【4-1-3-21】
- ボールドルーラー系【1-0-0-1】
- ダンジグ系(欧)【1-0-0-6】
- グレイソヴリン系【1-0-0-6】
- プリンスリーギフト系【0-1-1-4】
母系はサンデー系、欧州型ノーザンダンサー系、ナスルーラ系の成績が良く、ミスプロ系は父系が好調な影響もあり2着まで。米国型ノーザンダンサー系は人気馬が少なかったこともありますが(0-0-0-13)。
函館スプリントS 傾向データ①
枠順データ
枠順 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1枠 | 1-0-2-10 | 7.7% | 23.1% |
2枠 | 0-1-0-12 | 0.0% | 7.7% |
3枠 | 2-2-0-9 | 15.4% | 30.8% |
4枠 | 0-0-2-12 | 0.0% | 14.3% |
5枠 | 1-1-1-12 | 6.7% | 20.0% |
6枠 | 1-1-1-12 | 6.7% | 20.0% |
7枠 | 2-1-1-12 | 12.5% | 25.0% |
8枠 | 1-2-1-11 | 6.7% | 26.7% |
開幕週に行われることが多いレースですがどこからでも好走可能です。外寄りの方が安定しているように見えますが2019年は6頭除外で7頭立てとなった中で7~8枠の3頭が馬券に絡んだので、外有利という訳ではありません。
馬番データ
- 偶数馬番【5-3-2-45】
- 奇数馬番【3-5-6-45】
当日5番人気以内だと偶数馬番が(3-0-1-15)複勝率21.1%に対して奇数馬番は(2-4-4-11)複勝率47.6%。逆に当日6番人気以下は偶数馬番がやや優勢です。
父サンデーサイレンス系
- 1~5枠【1-4-2-17】
- 6~8枠【1-0-0-14】
サンデー系は真ん中から内寄りに好走馬が多く、唯一外枠から優勝したのは2016年のソルヴェイグ。フィリーズレビュー勝ちの実績があり牝馬なので斤量は50kgでした。
脚質データ
脚質 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
逃げ | 2-1-1-4 | 25.0% | 50.0% |
先行 | 3-2-2-22 | 10.3% | 24.1% |
差し | 2-3-3-35 | 4.7% | 18.6% |
追込 | 1-2-2-29 | 2.9% | 14.7% |
直線の短い小回りコースに加えて4コーナーから下りになっているので逃げ・先行馬有利なコースです。4角10番手以下は2016年以降馬券絡みが無く、直近4年間は4角5番手以内が(4-3-4-14)と大半を占めています。
前走4角位置
- 4番手以内【4-2-4-27】
- 5番手以下【4-6-4-62】
前走上がり3F
- 5位以内【2-2-2-27】
- 6位以下【6-6-6-62】
前走の上がり位置取りや上がり順位は不問です。
馬体重データ
馬体重 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
-439 | 0-0-1-3 | 0.0% | 25.0% |
440-459 | 1-1-0-13 | 6.7% | 13.3% |
460-479 | 4-1-1-19 | 16.0% | 24.0% |
480-499 | 1-4-2-37 | 2.3% | 15..9% |
500-519 | 1-1-3-16 | 4.8% | 23.8% |
520- | 1-1-1-2 | 20.0% | 60.0% |
馬格の影響はそれほどありませんが、2020年のダイメイフジや2018年のヒルノデイバローなど近年穴で好走しているのは馬格がある馬です。
前走との馬体重差
- +体重【3-3-2-36】
- 増減無【1-0-5-17】
- -体重【4-5-1-37】
函館スプリントS 傾向データ②
人気データ
人気 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1番人気 | 1-0-2-5 | 12.5% | 37.5% |
2番人気 | 0-2-0-6 | 0.0% | 25.0% |
3番人気 | 2-0-2-4 | 25.0% | 50.0% |
4-6番人気 | 3-3-1-17 | 12.5% | 29.2% |
7-9番人気 | 1-0-2-19 | 4.5% | 13.6% |
10番人気- | 1-3-1-39 | 2.3% | 11.4% |
過去8年で見ると荒れているように見えますが、近年は人気馬の成績が安定しています。また以前は人気薄の牝馬が大穴をあけることが多かったのですが、近年は斤量の軽い牝馬はそれだけで人気しがちなため大穴はあまり狙えません。
所属データ
所属 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
美浦 | 3-1-5-33 | 7.1% | 21.4% |
栗東 | 5-7-3-57 | 6.9% | 20.8% |
複勝率では差はありませんが、当日6番人気以下は関東馬が(1-0-1-24)、関西馬が(2-4-2-40)と人気薄なら関西馬から。
馬齢データ
馬齢 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
3歳 | 2-2-2-8 | 14.3% | 42.9% |
4歳 | 1-2-3-11 | 5.9% | 35.3% |
5歳 | 3-1-2-30 | 8.3% | 16.7% |
6歳 | 1-2-0-23 | 3.8% | 11.5% |
7歳- | 1-1-1-18 | 4.8% | 14.3% |
3歳馬が52kg(牝馬50kg)で出走でき成績も抜群。1kg斤量が上がるキーンランドCでは3歳馬の複勝率は20%弱まで落ちるので3歳馬はここが買い時。
また3歳馬はスプリンターでも春に1400~1600mのレースを使わざるを得ない場合も多く、近走の着順より1200m適性の見極めが重要になります。
騎手データ
- 継続騎乗【3-3-2-42】
- 乗り替わり【5-5-6-48】
人気馬は継続騎乗・乗り替わりで成績に差はありません。当日6番人気以下は継続騎乗が(0-1-0-27)、乗り替わりが(3-3-3-37)と乗り替わりの成績が抜群です。
前走との斤量差(4歳以上)
- +斤量【4-0-1-30】
- 増減無【1-3-3-23】
- -斤量【1-3-2-29】
3歳馬はまず斤量減になるため4歳以上のデータです。当日5番人気以内は斤量が±0kg以上の成績が良く、当日5番人気以内+斤量減だと(1-0-1-13)と不振。
有力馬ではシゲルピンクルビー、レイハリアが斤量減になります。
函館スプリントS 前走データ
前走クラスデータ
クラス | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
GⅠ | 4-2-4-24 | 11.8% | 29.4% |
GⅡ | 2-0-1-8 | 18.2% | 27.3% |
GⅢ | 0-1-0-7 | 0.0% | 12.5% |
リステッド | 0-1-0-3 | 0.0% | 25.0% |
オープン | 1-4-2-42 | 2.0% | 14.3% |
3勝 | 1-0-1-6 | 12.5% | 25.0% |
前走GⅠ組の中でもマイルGⅠ組は(2-2-2-7)で複勝率46.2%。高松宮記念組は人気に推される事は多いものの成績はイマイチで、好走した3頭中2頭は当日1番人気でした。ナムラクレア、プルパレイが前走マイルGⅠ。
主な前走
- 高松宮記念【2-0-1-17】
- 京王杯SC【2-0-1-7】
- 桜花賞【2-0-0-1】
- 韋駄天S【1-1-0-10】
- ヴィクトリアマイル【0-1-1-2】
- NHKマイルC【0-1-1-4】
前走距離
- 1000m【1-1-0-10】
- 1200m【3-3-3-45】
- 1400m【2-2-2-26】
- 1600m【2-2-2-9】
前走場所
- 東京【2-2-4-20】
- 中山【0-0-0-8】
- 京都【1-4-0-27】
- 阪神【2-1-1-3】
- 中京【2-0-1-19】
- 福島【0-0-1-3】
- 新潟【1-1-0-10】
前走人気データ
人気 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1番人気 | 1-0-1-5 | 14.3% | 28.6% |
2番人気 | 0-0-1-5 | 0.0% | 16.7% |
3番人気 | 0-2-0-4 | 0.0% | 0.0% |
4番人気 | 2-1-2-6 | 18.2% | 45.5% |
5番人気 | 1-1-0-8 | 10.0% | 20.0% |
6-9番人気 | 1-2-1-17 | 4.8% | 19.0% |
10番人気- | 3-2-3-44 | 5.8% | 15.4% |
前走6番人気以下からの巻き返しはほぼ重賞組。オープン特別組は前走5番人気以内が目安です。
前走オープン特別
- 5番人気以内【1-4-2-15】
- 6番人気以下【0-1-0-30】
キャプテンドレイク、シゲルピンクルビー、シャンデリアムーン、タイセイアベニール、ヴェントヴォーチェが前走オープン特別で5番人気以内。
前走1200m
- 4番人気以内【2-2-2-11】
- 5番人気以下【1-1-1-34】
前走5番人気以下で好走した3頭中2頭は前走高松宮記念、もう1頭は2019年のアスターペガサスで葵Sを13番人気で2着。
キャプテンドレイク、シゲルピンクルビー、ジュビリーヘッド、タイセイアベニール、ヴェントヴォーチェが前走1200mで4番人気以内。
前走着順データ
着順 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1着 | 1-1-3-12 | 5.9% | 29.4% |
2着 | 0-1-1-6 | 0.0% | 25.0% |
3着 | 1-1-1-4 | 14.3% | 42.9% |
4着 | 0-1-0-4 | 0.0% | 20.0% |
5着 | 0-0-0-5 | 0.0% | 0.0% |
6-9着 | 2-0-0-18 | 10.0% | 10.0% |
10着- | 4-4-3-40 | 7.8% | 21.6% |
こちらも前走下位着順で好走しているのは重賞組で、オープン特別組は前走4着以内が目安です。
前走オープン特別
- 4着以内【0-4-2-16】
- 5着以下【1-1-0-29】
前走5着以下で好走したのは除外馬多数で7頭立てだった2019年のカイザーメランジェ、前走ダートだった昨年のダイメイフジの2頭。
アスタールビー、シゲルピンクルビー、シャンデリアムーン、タイセイアベニール、ヴェントヴォーチェが前走オープン特別で4着以内。
前走タイム差(1200m・2着以下)
- 0.2秒差以内【1-2-1-5】
- 0.3秒差以上【1-0-1-33】
前走1200m組は敗れている場合0.2秒差以内が目安。0.3秒差以上敗れていて優勝したのは2014年のガルボで前走は高松宮記念。
函館スプリントS データまとめ
買いデータ
★当日5番人気以内+奇数馬番
★逃げ・先行馬
★3歳馬(特に1200m実績がある馬)
★前走マイルGⅠ
消しデータ
★父サンデーサイレンス系+6~8枠
★当日6番人気以下+関東馬または継続騎乗
★前走オープン特別で6番人気+5着以下
★前走1200mで5番人気以下(高松宮記念を除く)
★前走1200mで0.3秒差以上負け
函館スプリントS 予想
○ナムラクレア
▲キルロード
△シゲルピンクルビー
△ヴェントヴォーチェ
△ボンセルヴィーソ
ビアンフェは右回りのスプリント戦では安定しており、昨年は札幌開催ですがオーシャンSからのローテも昨年と同じでここが目標。3歳馬との斤量差は大きいものの、馬格や脚質はレース傾向に合っており藤岡佑騎手も牡馬・セン馬でのコース複勝率は抜群です。
ナムラクレアは小倉2歳Sや桜花賞の実績からも3歳スプリント路線ではトップクラスで斤量50kgは誰が見ても有利。不安要素としては阪神・小倉に比べミッキーアイル産駒が北海道では勝ち切れない点や桜花賞まで好走している分スプリント特化というイメージが薄い点。
キルロードは前走はフロック視されますが近走を見てもGⅢでは十分やれる戦績。父ロードカナロア、母父サクラバクシンオーは共にコース成績上位の配合で、今年は上位人気にミスプロ系が少ないので一発も期待できます。
シゲルピンクルビーは近走は前で競馬ができており着順も安定。父ロベルト系はレース出走数が少なく未知の要素もありますが、前走内容は特に問題なく割引き要素は少なめ。データ的には2~3着候補です。
他では函館での勝ち鞍もあり前走の内容が非常に良かったヴェントヴォーチェ、最後に大穴でダイワメジャー産駒+コース成績トップクラスの池添騎手への乗り替わり想定となるボンセルヴィーソ。