2022/12/11(日)
阪神競馬場・芝1600m
過去8年分の阪神JFのデータを軸に、過去の好走馬の血統傾向や今年の登録馬のコース適性などを踏まえて注目馬をピックアップしています。
2週前予想なので回避馬・除外馬が含まれる場合があり、また枠順や馬体重など記事公開時には予想に反映できない要素もありますのでご了承ください。
阪神JF 登録馬
登録馬
予想人気(2週前)
2番人気 リバティアイランド
3番人気 ウンブライル
4番人気 ドゥーラ
5番人気 モリアーナ
参考:netkeiba.com
予想オッズでは新馬・アルテミスSと連勝しているキタサンブラック産駒のラヴェル、アルテミスSではラヴェルの2着に敗れたものの新馬戦では上がり3F31.4秒と極限の末脚を見せたリバティアイランドの2頭がほぼ横並びの1~2番人気。
3番人気以下はステルヴィオの全妹で新馬戦・もみじSと連勝しているウンブライル、ドゥラメンテ産駒で札幌2歳Sの勝ち馬ドゥーラ、コスモス賞の勝ち馬モリアーナ、函館2歳S優勝・ファンタジーS2着のブトンドールなどが続きます。
阪神JF コース&血統分析
阪神芝1600mの特徴
阪神芝1600mは外回りコースを使用。コーナーが内回りに比べてゆったりしているため直線で横一線になりやすく、直線の長さが474mと長く坂もあるため差しや追い込みが決まりやすいコースです。
速い上がりを使える馬が強いためディープインパクトなどのサンデーサイレンス系種牡馬が得意としています。
阪神JF 父系統別データ
- ディープインパクト系【2-2-3-21】
- サンデーサイレンス系【2-0-1-32】
- ステイゴールド系【1-1-2-7】
- サドラーズウェルズ系【1-1-0-2】
- デピュティミニスター系【1-0-1-1】
サンデー系が中心でレース相性が良いのはディープインパクト、ダイワメジャー、クロフネあたり。ミスプロ系は(0-2-0-22)と相性が悪く好走したのは2017年のリリーノーブル、2014年のレッツゴードンキでいずれも当日3番人気以内。
阪神JF 母父系統別データ
- サンデーサイレンス系【1-2-1-22】
- グレイソヴリン系【1-2-0-2】
- ミスタープロスペクター系【1-1-0-16】
- ダンジグ系(欧)【1-0-1-3】
- デピュティミニスター系【0-2-0-6】
- ストームキャット系【0-0-2-7】
- ヘイロー系【0-0-2-2】
母系は様々ですが、ロベルト系は人気馬が少なかったものの(0-0-0-15)。また母父サンデー系で好走した4頭はサークルオブライフ、ラブリイユアアイズ、ビーチサンバ、レッツゴードンキの4頭ですが、いずれも東京の重賞で3着以内の実績を持っていました。
阪神JF 傾向データ①
枠順データ
枠順 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1枠 | 2-0-0-14 | 12.5% | 12.5% |
2枠 | 1-0-3-12 | 6.3% | 25.0% |
3枠 | 1-0-0-15 | 6.3% | 6.3% |
4枠 | 0-2-0-14 | 0.0% | 12.5% |
5枠 | 1-2-1-12 | 6.3% | 25.0% |
6枠 | 1-2-3-10 | 6.3% | 37.5% |
7枠 | 1-1-1-20 | 4.3% | 13.0% |
8枠 | 1-1-0-21 | 4.3% | 13.0% |
どこからでも好走馬は出ていますが5~6枠の複勝率が高め。また代替開催が行われた2020~2021年は真ん中から外寄りに好走馬が多く、特に今年と開催日程が近い2021年は1~4着までが2桁馬番でした。
馬場状態次第ですが、昨年の傾向からは外寄り優勢になる可能性は高そうです。
馬番データ
- 偶数馬番【6-1-4-60】
- 奇数馬番【2-7-4-58】
馬番では11番が(1-2-3-2)複勝率75%で昨年8番人気2着のラブリイユアアイズ、一昨年6番人気3着のユーバーレーベンと穴馬も好走しています。次いで4番が(1-0-3-4)、13番が(1-1-1-5)。
当日3番人気以内
- 1~2枠【2-0-1-3】
- 3~6枠【3-4-2-1】
- 7~8枠【1-1-0-6】
人気馬が強いレースですが、真ん中前後の枠に入った人気馬は堅実です。
当日6番人気以下
- 偶数馬番【0-0-0-50】
- 奇数馬番【0-3-1-48】
当日6番人気以下は奇数馬番が狙い目。上に挙げた2頭に2019年のマルターズディオサを加え、3年連続で当日6番人気以下+奇数馬番に入った馬が馬券に絡んでいます。またこの3頭は関東馬でした。
脚質データ
脚質 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
逃げ | 1-0-0-7 | 12.5% | 12.5% |
先行 | 3-1-1-28 | 9.1% | 15.2% |
差し | 3-5-6-44 | 5.2% | 24.1% |
追込 | 1-2-1-39 | 2.3% | 9.3% |
位置取りよりも速い上がりを使えることが重要なレースで、レースの上がり5位以内が(6-8-7-21)、6位以下が(2-0-1-97)と完全に上がり勝負。上がり6位以下で優勝した2頭はソダシ、メジャーエンブレムとどちらも当日1番人気でした。
前走4角位置(当日5番人気以内)
- 4番手以内【6-2-5-8】
- 5番手以下【2-3-2-12】
人気馬は前走4角好位組の成績が良く、前走4角5番手以下で優勝したダノンファンタジー、サークルオブライフは前走が重賞で上がり最速で優勝していました。有力馬ではドゥーラ、モリアーナが前走4角4番手以内。
また当日6番人気以下+前走4角3番手以内は(0-0-0-50)、4角4番手以下だと(0-3-1-48)。抽選対象馬を除き予想オッズ6番人気以下+前走4角4番手以下に絞るとアロマデローサ、キタウイング、ブトンドール、ミシシッピテソーロが該当します。
前走上がり3F
- 1位【4-3-1-27】
- 2~3位【2-3-4-37】
- 4~5位【1-2-2-22】
- 6位以下【1-0-1-29】
前走上がり1位馬は前走距離が長いほど複勝率が高く、前走1600~1800mだと(3-3-1-14)、1400m以下だと(1-0-0-13)。前走1400m以下で優勝したのは当日1番人気のダノンファンタジー。
抽選対象馬を除き前走1600~1800mで上がり1位だったのはキタウイング、サンティーテソーロ、ドゥーラ、ラヴェルの4頭。
馬体重データ
馬体重 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
-419 | 0-0-0-15 | 0.0% | 0.0% |
420-439 | 0-3-1-27 | 0.0% | 12.9% |
440-459 | 0-2-3-34 | 0.0% | 12.8% |
460-479 | 5-2-4-28 | 12.8% | 28.2% |
480-499 | 3-1-0-13 | 17.6% | 23.5% |
500- | 0-0-0-1 | 0.0% | 0.0% |
過去8年では460kg未満は2~3着まで。また前走時460kg未満も(0-5-4-71)なので前走から馬体が増えていたとしても頭では狙いづらいです。有力馬ではラヴェルが前走時452kg。
近年は勝ち切るには馬格が必要ですが、過去8年の1番人気馬は460~479kgが(3-0-0-1)、480~499kgが(1-0-0-3)と馬格がある1番人気馬にもまた注意。
前走との馬体重差
- +体重【0-3-1-33】
- 増減無【3-1-1-13】
- -体重【5-4-6-72】
また前走からプラス体重の馬は勝ち切れず、プラス体重になる馬は1~4枠が(0-0-0-19)、5~8枠が(0-3-1-14)と外寄りの枠からの好走が目立ちます。
阪神JF 傾向データ②
人気データ
人気 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1番人気 | 4-0-0-4 | 50.0% | 50.0% |
2番人気 | 1-4-0-3 | 12.5% | 62.5% |
3番人気 | 1-1-3-3 | 12.5% | 62.5% |
4-6番人気 | 2-1-5-16 | 8.3% | 33.3% |
7-9番人気 | 0-1-0-23 | 0.0% | 4.2% |
10番人気- | 0-1-0-69 | 0.0% | 1.4% |
古くは荒れることも多かったレースですが近年は人気馬が堅実で当日4番人気以内は(7-5-7-13)。
ただし上位人気馬に支持が集中しやすく、2020年のユーバーレーベンは単勝30.0倍、2019年のマルターズディオサは単勝43.7倍で好走しているのでオッズは離れていてもまずは6番人気以内で線引きするのが無難です。
所属データ
所属 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
美浦 | 4-4-3-31 | 9.5% | 26.2% |
栗東 | 4-4-5-87 | 4.0% | 13.0% |
関西馬は当日4番人気以内で(4-4-5-10)、5番人気以下で(0-0-0-77)と綺麗に人気馬しか馬券に絡んでおらず、中穴以下を狙うなら関東馬。
キャリアデータ
キャリア | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1戦 | 0-0-0-12 | 0.0% | 0.0% |
2戦 | 3-3-3-29 | 7.9% | 23.7% |
3戦 | 5-4-5-34 | 10.4% | 29.2% |
4戦 | 0-1-0-23 | 0.0% | 4.2% |
5戦 | 0-0-0-20 | 0.0% | 0.0% |
好走馬はほぼキャリア2~3戦で、キャリア4戦で2着に入ったのは2015年のウインファビュラス。
騎手データ
- 継続騎乗【7-5-5-49】
- 乗り替わり【1-3-3-69】
乗り替わりは前走重賞だと(1-2-3-27)、オープン特別以下だと(0-1-0-41)。有力馬ではウンブライルが前走オープン特別で乗り替わり想定。
生産者データ
- ノーザンF【5-4-1-21】
ノーザンF生産馬は当日4番人気以内で(5-4-1-7)、5番人気以下は(0-0-0-14)と人気馬のみ。また優勝した5頭はいずれも前走がアルテミスSかファンタジーSでした。アロマデローサ、ウンブライル、ドゥアイズ、ブトンドール、ミスヨコハマ、モリアーナ、ラヴェル、リバティアイランドがノーザンF生産馬。
阪神JF 前走データ
前走クラスデータ
クラス | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
GⅡ | 0-1-1-5 | 0.0% | 28.6% |
GⅢ | 6-3-6-49 | 9.4% | 23.4% |
オープン | 1-1-0-5 | 14.3% | 28.6% |
1勝 | 1-3-1-36 | 2.4% | 12.2% |
未勝利 | 0-0-0-8 | 0.0% | 0.0% |
新馬 | 0-0-0-12 | 0.0% | 0.0% |
過去8年では新馬・未勝利組は全滅。アルテミスS組が最も馬券に絡んでいますが、ファンタジーS優勝馬は2018~2019年のダノンファンタジー、レシステンシアが優勝、昨年のウォーターナビレラが3着と近年の人気馬はまずまず安定しています。
主な前走
- アルテミスS【4-3-3-16】
- ファンタジーS【2-0-2-24】
- アイビーS【1-1-0-0】
- サフラン賞【0-2-0-2】
- 京王杯2歳S【0-1-1-2】
前走距離
- 1200m【0-0-0-10】
- 1400m【3-1-3-52】
- 1600m【4-6-5-49】
- 1800m【1-1-0-7】
前走場所
- 東京【6-5-6-38】
- 中山【0-2-0-2】
- 京都【2-1-1-47】
- 阪神【0-0-1-14】
- 中京【0-0-0-3】
- 札幌【0-0-0-1】
- 函館【0-0-0-2】
- 福島【0-0-0-3】
- 新潟【0-0-0-4】
- 小倉【0-0-0-1】
前走人気データ
人気 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1番人気 | 4-4-3-23 | 11.8% | 32.4% |
2番人気 | 2-0-2-16 | 10.0% | 20.0% |
3番人気 | 0-2-0-12 | 0.0% | 14.3% |
4番人気 | 0-1-1-18 | 0.0% | 10.0% |
5番人気 | 0-1-1-14 | 0.0% | 12.5% |
6-9番人気 | 2-0-1-25 | 7.1% | 10.7% |
10番人気- | 0-0-0-10 | 0.0% | 0.0% |
優勝馬は前走で2番人気以内に推されていた馬が多く、前走下位人気で優勝したサークルオブライフ、レシステンシアはそれぞれアルテミスS、ファンタジーSと主要ローテで1着でした。
またこの2頭含め前走5番人気以下で好走した5頭はいずれも重賞連対馬。
前走1勝クラス
- 1番人気【1-2-1-7】
- 2番人気以下【0-1-0-29】
サンティーテソーロが前走1勝クラスで1番人気。
前走アルテミスS
- 2番人気以内【3-2-0-4】
- 3番人気以下【1-1-3-12】
リバティアイランドが前走アルテミスSで2番人気以内。
前走1400m
- 3番人気以内【2-1-3-23】
- 4番人気以下【1-0-0-29】
前走4番人気以下で優勝したのはレシステンシアで前走はファンタジーS1着。抽選対象馬を除くとアロマデローサ、イティネラートル、ウンブライル、ブトンドールが前走1400mで3番人気以内。
前走着順データ
着順 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1着 | 7-5-3-56 | 9.9% | 21.1% |
2着 | 1-1-3-19 | 4.2% | 20.8% |
3着 | 0-1-1-6 | 0.0% | 25.0% |
4着 | 0-0-0-9 | 0.0% | 0.0% |
5着 | 0-1-0-7 | 0.0% | 12.5% |
6-9着 | 0-0-1-12 | 0.0% | 7.7% |
10着- | 0-0-0-9 | 0.0% | 0.0% |
前走2着以下で好走しているのは全て重賞組。また5年連続で前走重賞で1着だった馬が優勝しています。前走オープン特別以下だった馬は1着必須です。
関西馬
- 1着【4-3-1-45】
- 2着【0-1-3-17】
- 3着以下【0-0-1-25】
関西馬は当日4番人気以内しか好走していないこともあり、前走着順は非常に重要です。抽選対象馬を除くとイティネラートル、ドゥーラ、ムーンプローブ、ラヴェルが前走1着だった関西馬。
前走タイム差(重賞・2着以下)
- タイム差無し【1-1-1-2】
- 0.1~0.5秒差【0-2-3-24】
- 0.6秒差以上【0-0-1-16】
今年は重賞で2着以下だったアリスヴェリテ、サラサハウプリティ、ドゥアイズ、ブトンドール、マラキナイア、ミシシッピテソーロ、リバティアイランドはいずれも0.1秒以上離されています。
阪神JF データまとめ
買いデータ
★馬番11番
★当日5番人気以内+前走4角4番手以内
★当日4番人気以内(特にノーザンF生産馬)
★前走アルテミスSで2番人気以内
消しデータ
★当日6番人気以下+偶数馬番
★当日6番人気以下+前走4角3番手以内
★当日5番人気以下の関西馬
★キャリア1戦または4戦以上
★前走オープン特別以下で乗り替わり
★前走1勝クラスで2番人気以下
阪神JF 予想
○ラヴェル
▲モリアーナ
△リバティアイランド
△サンティーテソーロ
△キタウイング
ウンブライルはもみじSからのローテは他有力馬に比べて1枚落ちますが、新馬戦・もみじSは共にラップ的には優秀な内容で馬格がある点も○。またノーザンF生産馬なので傾向からは当日4番人気以内なら買い。ただしスタートに難があることとルメール騎手が香港で騎乗するため乗り替わりになる点が不安要素。
ラヴェルは最重要ローテのアルテミスSを上がり最速で優勝。ノーザンF生産馬で父サンデー系、坂井騎手の継続騎乗想定など好走条件はある程度クリアしています。ただ比較的小柄な馬体は割引きで、キタサンブラック産駒やナミュール・ヴェスターヴァルトが上にいる血統からは左回りがベストと思われます。
モリアーナはデアリングタクトやサークルオブライフなど牝馬のコース成績が良いエピファネイア産駒。コスモス賞からのローテはウンブライル同様強調はできませんが関東馬なので人気薄でも拾えること、新馬戦のラスト3Fのラップが優秀なことなど一発の期待は十分。
リバティアイランドは前走進路確保に手間取ったとは言え、結果だけ見ると頭を狙うには足りない部分もあります。ノーザンF生産馬、460kg台の馬体と強調要素もありますが傾向からは2~3着狙い。ただ川田騎手×中内田調教師は過去5年のコース成績が勝率40%、複勝率63%と抜群の成績。
中穴以下で面白そうなのは未勝利戦・サフラン賞といずれも逃げて上がり最速と内容の濃かったエピファネイア産駒のサンティーテソーロ。予想オッズでは7~8番手ですが関東馬なので人気薄でも問題ありません。キタウイングは新潟2歳Sのタイムは平凡ですが破った馬がその後オープンクラスで好走しており、マイルの回収値が高いダノンバラード産駒という点も魅力。