2022/10/23(日)
阪神競馬場・芝3000m
過去8年分の菊花賞のデータを軸に、過去の好走馬の血統傾向や今年の登録馬のコース相性などを踏まえて注目馬をピックアップしています。
2週前予想なので回避馬・除外馬が含まれる場合があり、また枠順や馬体重など記事公開時には予想に反映できない要素もありますのでご了承ください。
菊花賞 登録馬
登録馬
予想人気(2週前)
2番人気 アスクビクターモア
3番人気 ジャスティンパレス
4番人気 ボルドグフーシュ
5番人気 ヴェローナシチー
参考:netkeiba.com
予想オッズではセントライト記念優勝のガイアフォースが1番人気。差の無い2番人気にはダービー3着、セントライト記念のアスクビクターモア、3番人気には神戸新聞杯を快勝したジャスティンパレスが推されています。
4番人気以下は2週前予想オッズでは混戦ですが神戸新聞杯3着のボルドグフーシュ、コース適性の高いエピファネイア産駒ヴェローナシチー、昨年優勝のタイトルホルダーと同じドゥラメンテ産駒のドゥラドーレス、ディナースタあたりが続きます。
菊花賞 コース&血統分析
阪神芝3000mの特徴
阪神芝3000mは阪神大賞典でみ使用されるコースで内回りコースを使用。向こう正面の直線入り口からスタートしコーナーを6回回ります。
最初のコーナーまでにペースが落ち着くことが殆どで、2週目の3~4コーナーからペースアップしそのままゴールまでの追い比べになる事が多いです。
菊花賞 父系統別データ
- ステイゴールド系【4-1-1-9】
- ディープインパクト系【3-2-3-9】
- キングカメハメハ系【2-2-1-21】
- ハーツクライ系【1-4-0-17】
- サンデーサイレンス系【1-1-2-19】
ステイゴールド系は阪神大賞典のアイアンバローズやシルヴァーソニック、ディープインパクト系は同じく阪神大賞典のディープボンドと成績は安定しています。ハーツクライ産駒はやや勝ち切れません。
昨年の菊花賞はドゥラメンテ産駒のタイトルホルダーが逃げ切り、2~3着にはエピファネイア産駒が入るなど若い種牡馬の産駒が結果を残しています。
菊花賞 母父系統別データ
- サドラーズウェルズ系【3-0-0-2】
- マイバブー系【2-0-0-2】
- リファール系【2-0-0-3】
- ミスタープロスペクター系【1-3-1-11】
- サンデーサイレンス系【1-2-3-22】
- デピュティミニスター系【1-0-1-3】
タイトルホルダーは母父サドラーズウェルズ系、ディープボンドは母父リファール系と欧州型ノーザンダンサー系の勝率の高さが目立ちます。ナスルーラ系はやや不振ですがその他の系統では複勝率はそれほど変わりません。
また長距離ということでノーザンダンサーのクロスを持つ馬はプラス。上に挙げた2頭以外にもメロディーレーン、ユーキャンスマイルなど近年このコースの勝ち馬はこれを持つ馬が目立ちます。
一方で昨年2~4着のオーソクレース、ディヴァインラヴ、ステラヴェローチェは母父ディープインパクト。母父ディープは中~長距離の複勝率は安定しています。
菊花賞 傾向データ①
枠順データ
枠順 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1枠 | 1-0-2-9 | 8.3% | 25.0% |
2枠 | 1-1-3-7 | 8.3% | 41.7% |
3枠 | 1-1-1-9 | 8.3% | 25.0% |
4枠 | 0-2-2-10 | 0.0% | 28.6% |
5枠 | 1-1-0-12 | 7.1% | 14.3% |
6枠 | 1-3-2-12 | 5.6% | 33.3% |
7枠 | 2-1-1-18 | 9.1% | 18.2% |
8枠 | 4-2-0-16 | 18.2% | 27.3% |
8枠は小頭数になりやすい阪神大賞典の影響が強く、外枠が強いという訳ではありません。昨年は③-⑱-⑪と内外両方から好走馬が出ており枠はそれほど気にしなくても良さそうです。
ただ長距離ということもあり道中内を回るに越したことはなく、外回り→内回りで行われた天皇賞・春や松籟Sでも内寄りの枠に入った馬が上位に入っています。
馬番データ
- 偶数馬番【4-8-6-42】
- 奇数馬番【7-3-5-51】
脚質データ
脚質 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
逃げ | 1-1-2-7 | 9.1% | 36.4% |
先行 | 5-5-4-28 | 11.9% | 33.3% |
差し | 1-3-1-26 | 3.2% | 16.1% |
追込 | 0-1-4-32 | 0.0% | 13.5% |
マクリ | 4-1-0-0 | 80.0% | 100.0% |
全馬初めての距離になりスタミナが切れた馬は下がっていくため、前か後ろかという位置取りはあまり意識しなくても良いと思います。
馬体重データ
馬体重 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
-439 | 1-0-0-1 | 50.0% | 50.0% |
440-459 | 1-3-1-11 | 6.3% | 31.3% |
460-479 | 2-3-1-18 | 8.3% | 25.0% |
480-499 | 0-3-8-32 | 0.0% | 25.6% |
500-519 | 7-1-1-22 | 22.6% | 29.0% |
520- | 0-1-0-9 | 0.0% | 10.0% |
阪神大賞典では500kg台の勝率が高いものの、昨年3着以内の3頭は464kg、474kg、484kg。世代戦なので馬格はそれほど気にしなくて良さそうです。
菊花賞 傾向データ②
人気データ
人気 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1番人気 | 3-0-2-3 | 37.5% | 62.5% |
2番人気 | 0-2-0-6 | 0.0% | 25.0% |
3番人気 | 2-1-0-5 | 25.0% | 37.5% |
4-6番人気 | 2-2-3-17 | 8.3% | 29.2% |
7-9番人気 | 1-2-1-20 | 4.2% | 16.7% |
10番人気- | 0-1-2-69 | 0.0% | 4.2% |
1番人気馬は安定していますが2番人気以下は混戦。単勝オッズで見ると過去8年の優勝馬は単勝オッズ15倍以内。また単勝オッズ50倍を超えると(0-0-0-60)と3着以内がありません。
所属データ
所属 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
美浦 | 2-1-2-38 | 4.7% | 11.6% |
栗東 | 6-7-6-82 | 5.9% | 18.8% |
京都開催時からのデータでは関東馬は割引き。過去8年ではフィエールマン、タイトルホルダーが関東馬で優勝し、その後天皇賞・春を制しています。
また関東騎手は(2-1-2-36)ですが連対した3頭はいずれも2枠。
キャリアデータ
キャリア | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
-5戦 | 2-1-0-14 | 5.9% | 17.6% |
6戦 | 4-2-0-17 | 17.4% | 26.1% |
7戦 | 2-1-4-21 | 7.1% | 25.0% |
8戦 | 0-2-4-19 | 0.0% | 24.0% |
9戦- | 0-2-0-49 | 0.0% | 3.9% |
キャリア5戦以下、10戦以上で好走したのは4頭いますがいずれもノーザンF生産馬。キャリア6~8戦は複勝率は変わりませんが勝ち切っているのはキャリアが浅い馬です。
インプレス、ガイアフォース、タイムオブフライト、マイネルトルファンが非ノーザンF生産馬でキャリア5戦以下。
騎手データ
- 継続騎乗【7-5-6-77】
- 乗り替わり【1-3-2-43】
長距離GⅠだけに継続騎乗組の成績が圧倒的で、乗り替わりで好走した6頭中5頭はノーザンF生産馬です。また過去8年ではルメール騎手が(2-2-1-2)、福永騎手が(1-3-1-3)、武豊騎手が(1-0-2-4)。昨年もこの3人は掲示板に載り、いずれも人気以上の着順でした。
生産者データ
- ノーザンF【3-6-6-46】
- 社台F【0-1-1-11】
直近4年間では3着以内12頭中10頭がノーザンF生産馬。また上に挙げたルメール騎手、福永騎手、武豊騎手の3人で(3-5-3-5)と大半を占めます。
ジェンヌ、ジャスティンパレス、セレシオン、ドゥラドーレス、フェーングロッテンがノーザンF生産馬。この中ではセレシオンが福永騎手想定となっています。
菊花賞 前走データ
前走クラスデータ
クラス | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
GⅠ | 0-0-0-1 | 0.0% | 0.0% |
GⅡ | 7-7-4-78 | 7.3% | 18.8% |
GⅢ | 1-0-0-5 | 16.7% | 16.7% |
オープン | 0-0-0-1 | 0.0% | 0.0% |
3勝 | 0-0-0-3 | 0.0% | 0.0% |
2勝 | 0-1-4-30 | 0.0% | 14.3% |
1勝 | 0-0-0-2 | 0.0% | 0.0% |
牝馬のように春のクラシックからの直行はほぼ無く、神戸新聞杯かセントライト記念からのローテが中心。また条件戦組は前走2000m以下が(0-0-0-17)、2200m以上が(0-1-4-18)。
主な前走
- 神戸新聞杯【5-3-3-39】
- セントライト記念【2-3-1-36】
- ラジオNIKKEI賞【1-0-0-1】
- 札幌記念【0-1-0-2】
- 小牧特別【0-1-0-0】
- 阿賀野川特別【0-0-2-1】
前走距離
- 1800m【1-0-0-8】
- 2000m【0-1-0-16】
- 2200m【3-4-4-50】
- 2400m【4-3-3-34】
- 2500m【0-0-0-5】
- 2600m【0-0-1-6】
前走場所
- 中山【2-3-1-38】
- 京都【0-0-0-0】
- 阪神【4-3-3-39】
- 中京【1-1-1-13】
- 札幌【0-1-1-9】
- 福島【1-0-0-1】
- 新潟【0-0-2-11】
前走人気データ
人気 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1番人気 | 4-1-3-23 | 12.9% | 25.8% |
2番人気 | 1-1-4-18 | 4.2% | 25.0% |
3番人気 | 1-1-1-12 | 6.7% | 20.0% |
4番人気 | 0-2-0-15 | 0.0% | 11.8% |
5番人気 | 0-1-0-8 | 0.0% | 11.1% |
6-9番人気 | 2-2-0-27 | 6.5% | 12.9% |
10番人気- | 0-0-0-17 | 0.0% | 0.0% |
前走上位人気馬が優勢。前走下位人気で3着以内に入るパターンはトライアルで好走した馬が大半です。
前走神戸新聞杯
- 1~3番人気【4-2-3-8】
- 4~5番人気【0-0-0-11】
- 6番人気以下【1-1-0-20】
神戸新聞杯で人気だった馬は堅実で、前走下位人気で好走したのは2014年のトーホウジャッカル(9番人気3着)、サウンズオブアース(8番人気2着)と人気を大きく上回る着順だった馬。
プラダリア、ヴェローナシチーが神戸新聞杯で3番人気以内。人気を大きく上回る結果と言えるのはジャスティンパレス(5番人気1着)、ヤマニンゼスト(12番人気2着)。
前走セントライト記念
- 1~3番人気【1-0-1-3】
- 4~5番人気【0-2-0-7】
- 6番人気以下【1-1-0-16】
逆にセントライト記念は人気だった馬が信用できませんが、昨年阪神開催ではセントライト記念1番人気のタイトルホルダー、5番人気のオーソクレースが連対しています。
前走条件戦
- 2番人気以内【0-1-4-24】
- 3番人気以下【0-0-0-11】
前走条件戦で3番人気以下だったのはインプレス、ジェンヌ、ポッドボレットの3頭。
前走着順データ
着順 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1着 | 3-1-5-38 | 6.4% | 19.1% |
2着 | 2-4-2-10 | 11.1% | 44.4% |
3着 | 2-2-0-13 | 11.8% | 23.5% |
4着 | 0-0-0-8 | 0.0% | 0.0% |
5着 | 0-0-1-11 | 0.0% | 8.3% |
6-9着 | 0-1-0-25 | 0.0% | 3.8% |
10着- | 1-0-0-15 | 6.3% | 6.3% |
前走4着以下は大きく割引き。前走6着以下で巻き返したのは不良馬場だった2017年のクリンチャー、前走セントライト記念で前が詰まって大敗したタイトルホルダー。
前走神戸新聞杯
- 3着以内【5-3-2-12】
- 4着以下【0-0-1-29】
唯一前走4着以下で好走したのは2016年のエアスピネル。ジャスティンパレス、ヤマニンゼスト、ボルドグフーシュが神戸新聞杯で3着以内。
前走セントライト記念
- 3着以内【1-2-1-15】
- 4着以下【1-1-0-21】
昨年のタイトルホルダーはセントライト記念で前が詰まり最後は追わずに敗れているので、セントライト記念組も基本的には好走馬から。ガイアフォース、アスクビクターモアがセントライト記念で3着以内。
前走タイム差(条件戦・1着)
- 0.3秒差以上【0-0-0-10】
- 0.1~0.2秒差【0-1-4-7】
- タイム差無し【0-0-0-11】
条件戦で1着だった馬は0.1~0.2秒差で勝っている馬に好走馬が多いのが特徴。今年はディナースタのみが該当。
菊花賞 データまとめ
買いデータ
★ノーザンダンサーのクロス持ち、母父ディープインパクト
★当日1番人気馬
★ノーザンF生産馬(特にルメール、福永、武豊騎手)
★前走神戸新聞杯で3番人気+3着以内
★前走2200m以上の条件戦で2番人気以内+0.1~0.2秒差で1着
消しデータ
★非ノーザンF生産馬でキャリア5戦以下または10戦以上
★非ノーザンF生産馬で乗り替わり
★前走2000m以下の条件戦
★前走条件戦で3番人気+2着以下
菊花賞 予想
○ジャスティンパレス
▲セレシオン
△ガイアフォース
△フェーングロッテン
△ボルドグフーシュ
アスクビクターモアはセントライト記念で2着に敗れましたが3着馬とは3馬身差。ダービーの内容からも実績・能力共に上位で母父レッドゴッド系にノーザンダンサーのクロス持ちと血統も○。不安要素としては関東馬×関東騎手で初の関西遠征になる点。過去の菊花賞や春天を見てもこのパターンだと内枠が欲しい所です。
ジャスティンパレスは神戸新聞杯では5番人気でしたが3馬身半差で快勝。ノーザンF生産馬でキャリア6戦、トライアル優勝という戦績は過去の優勝馬に近く、血統からは決して長距離向きではなさそうですが阪神開催の菊花賞・春天でディープの血を引く馬が活躍しているのは好材料。
セレシオンはキャリアは浅いもののノーザンF生産馬で長距離を得意とする友道厩舎の管理馬、福永騎手の継続騎乗想定と魅力十分。2勝クラス組なので過去の傾向からは2~3着狙いが無難ですが、皐月賞・ダービー上位組不在の今年ならチャンスは十分。
ガイアフォースは非ノーザンでキャリア5戦、ノーザンダンサーのクロスやディープを持たないなど不安要素はありますが、母父デピュティミニスター系は阪神の中~長距離で非常に成績が良い点は強調できます。
他ではフェーングロッテンは前走新潟記念と好走ローテからは外れますが母父キングヘイローはディープボンド、イクイノックスなど近年重賞好走馬を数多く輩出。同厩のボルドグフーシュは神戸新聞杯では外を回し3着と地力はあり末脚も堅実ですが、脚質的には展開の助けが必要か。