2023/2/12(日)
東京競馬場・芝1800m
過去8年分の共同通信杯のデータを軸に、過去の好走馬の血統傾向や今年の登録馬のコース適性などを踏まえて注目馬をピックアップしています。
1週前予想なので回避馬・除外馬が含まれる場合があり、また枠順や馬体重など記事公開時には予想に反映できない要素もありますのでご了承ください。
共同通信杯 登録馬
登録馬
予想人気(1週前)
2番人気 ファントムシーフ
3番人気 レイベリング
4番人気 タスティエーラ
5番人気 タッチウッド
参考:netkeiba.com
予想オッズでは東スポ杯で2着だったダノンザタイガーが1番人気、2~3番人気にはホープフルS4着のファントムシーフ、朝日杯FSで3着だったレイベリングが推されていますがそれほど差はありません。
4番手以下はやや離れサトノクラウン産駒のタスティエーラ、ドゥラメンテ産駒のタッチウッドと新馬上がりの2頭、他には新潟2歳S2着のウインオーディン、京都2歳S4着のシュタールヴィント、朝日杯FS4着のキョウエイブリッサなどが続きます。
共同通信杯 コース&血統分析
東京芝1800mの特徴
東京芝1800mは2コーナー付近にあるポケットからスタート。スタート後すぐに2コーナーに斜めに進路を取るため内枠が有利なコース形態となっています。
3コーナーまでの距離が長いため前半は比較的ゆったり流れ、直線の瞬発力勝負になることが多いコースです。
父系統別データ
- ディープインパクト系【3-1-4-15】
- ハーツクライ系【2-1-0-5】
- ロベルト系【1-0-0-5】
- サドラーズウェルズ系【1-0-0-3】
- サンデーサイレンス系【0-3-1-15】
- キングカメハメハ系【0-1-1-6】
ディープインパクト産駒は馬番1~4番が(3-1-1-2)に対して5番以降は(0-0-3-6)と内寄り優勢。ハーツクライ産駒は2年連続で好走馬を輩出とサンデー系が中心ですが、昨年のジオグリフやビーアストニッシド、2020年のダーリントンホールとノーザンダンサー系も好走馬が増えています。
母父系統別データ
- ストームキャット系【2-0-0-1】
- ミスタープロスペクター系【1-3-1-8】
- ロベルト系【1-0-2-1】
- サドラーズウェルズ系【0-2-1-3】
- サンデーサイレンス系【0-1-2-10】
ここから春のGⅠで結果を残しているのは米国型ノーザンダンサー系やミスプロ系、ボールドルーラー系などスピード型の母父を持つ馬。
母父サドラーズウェルズ系やロベルト系はここでは人気薄で好走することもありますが、春のGⅠではあまり良い成績を残せていません。ただこれはディープ産駒など父サンデー系が多かった影響もあり、今年はラストクロップのディープ産駒も不在ということで傾向が変わる可能性は十分あります。
共同通信杯 傾向データ①
枠順データ
枠順 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1枠 | 3-1-0-4 | 37.5% | 50.0% |
2枠 | 0-1-0-7 | 0.0% | 12.5% |
3枠 | 0-0-0-8 | 0.0% | 0.0% |
4枠 | 1-1-2-4 | 12.5% | 50.0% |
5枠 | 1-1-0-9 | 9.1% | 18.2% |
6枠 | 2-1-2-8 | 15.4% | 38.5% |
7枠 | 0-2-3-9 | 0.0% | 35.7% |
8枠 | 1-1-1-11 | 7.1% | 21.4% |
過去8年では12頭立てが最大なので8枠でもそれほど外ではありません。以前は内寄りの成績が良かったのですが昨年は馬番で⑩-⑤-⑧、一昨年は⑦-⑨-⑪と外枠からも好走馬が出ているので多頭数でなければあまり気にしなくても良さそうです。
馬番データ
- 偶数馬番【4-4-6-26】
- 奇数馬番【4-4-2-34】
馬番では1番が(3-1-0-4)、6番が(2-0-2-4)、8番が(0-2-1-4)。
前走時の馬番
- 偶数馬番【4-4-0-33】
- 奇数馬番【4-4-8-27】
連対数は同じですが、前走で奇数馬番だった馬が8年連続で3着に入っています。昨年はビーアストニッシドが逃げ粘りましたが前走で1枠1番だった馬が(0-0-4-4)と半数を占め、前走奇数馬番だった馬は回収値も単複共に100超えと優秀です。
ウインオーディン、キョウエイブリッサ、シーズンリッチ、タッチウッド、ファントムシーフが前走時奇数馬番で、キョウエイブリッサとファントムシーフが前走時1枠1番でした。
脚質データ
脚質 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
逃げ | 0-2-1-7 | 0.0% | 30.0% |
先行 | 4-2-4-14 | 16.7% | 41.7% |
差し | 3-4-2-17 | 11.5% | 34.6% |
追込 | 1-0-1-21 | 4.3% | 8.7% |
マクリ | 0-0-0-1 | 0.0% | 0.0% |
前半スローのラスト3F勝負になることが多く、レースの上がり3位以内が(7-6-2-10)と基本的に末脚勝負。
前走4角位置
- 4番手以内【3-4-3-23】
- 5番手以下【4-4-5-37】
前走4角4番手以内+前走1着は(3-3-2-11)、2着以下は(0-1-1-12)。前走1着で好走している8頭は全てノーザンF生産馬です。タスティエーラが前走4角4番手以内で1着だったノーザンF生産馬。
また前走4角5番手以下+前走1着は(2-1-2-11)、2着以下は(2-3-3-26)。前走敗れていても買いやすいのは4角5番手以下だった馬。
前走上がり3F
- 1位【7-2-3-22】
- 2~3位【0-2-1-9】
- 4~5位【0-2-3-7】
- 6位以下【0-2-1-19】
2016年のディーマジェスティは前走時出走取消のためデータには反映されていませんが、その前の未勝利戦では上がり1位でした。前走中山だった3頭は上がり35秒台でしたが、東京や阪神だった馬はいずれも上がり33秒台でした。
コレペティトール、タッチウッド、ロードプレイヤーが前走上がり1位。また今年は前走時上がり33秒台はウインオーディン(新潟芝1600m)、タスティエーラ(東京芝1800m)の2頭。
馬体重データ
馬体重 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
-439 | 0-0-0-3 | 0.0% | 0.0% |
440-459 | 2-0-1-6 | 22.2% | 33.3% |
460-479 | 1-3-3-25 | 3.1% | 21.9% |
480-499 | 0-4-3-15 | 0.0% | 31.8% |
500-519 | 4-0-1-9 | 28.6% | 35.7% |
520- | 1-1-0-2 | 25.0% | 50.0% |
ダノンベルーガ、エフフォーリアなど近年は馬格がある馬の優勝が多いものの複勝率ではそれほど差はありません。昨年のビーアストニッシド、一昨年のヴィクティファルスと480kg未満の人気薄も2~3着に入っており回収値は悪くありません。
前走との馬体重差
- +体重【6-3-3-21】
- 増減無【0-2-3-11】
- -体重【1-3-2-28】
人気馬であっても馬体重が±0kg以下だと勝ち切れません。また関西馬は馬体重の増減による複勝率の差はありませんが、関東馬はプラス体重になる馬の複勝率が高く、±0kg以下で好走した6頭は全て京成杯やセントポーリア賞など年明けに1戦使っていました。
共同通信杯 傾向データ②
人気データ
人気 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1番人気 | 0-3-1-4 | 0.0% | 50.0% |
2番人気 | 1-0-2-5 | 12.5% | 37.5% |
3番人気 | 4-1-1-2 | 50.0% | 75.0% |
4-6番人気 | 3-3-2-16 | 12.5% | 33.3% |
7-9番人気 | 0-1-1-20 | 0.0% | 9.1% |
10番人気- | 0-0-1-13 | 0.0% | 7.1% |
近年は小頭数になりやすいこともあり人気馬優勢ですが1番人気馬は勝ち切れません。理由としては既に賞金を持っているため余力残しの仕上げが多いこと、また1kg増の57kgを背負うことが多かったことが挙げられます。
ただし今年は57kg以上はおらず、来年からは馬齢重量に変更となるので一律で56kgの負担重量となります。
所属データ
所属 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
美浦 | 6-5-3-37 | 11.8% | 27.5% |
栗東 | 2-3-5-19 | 6.9% | 34.5% |
地方 | 0-0-0-4 | 0.0% | 0.0% |
優勝しているのは関東馬が多いものの、複勝率では関西馬の方が高くそれほど気にする必要はありません。
キャリアデータ
キャリア | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1戦 | 2-2-2-5 | 18.2% | 54.5% |
2戦 | 2-0-2-12 | 12.5% | 25.0% |
3戦 | 3-4-2-17 | 11.5% | 34.6% |
4戦 | 1-1-2-9 | 7.7% | 30.8% |
5戦- | 0-1-0-17 | 0.0% | 5.6% |
キャリア1戦で好走した6頭はいずれもノーザンF生産馬かつ前走が1800m以上でした。タスティエーラがキャリア1戦のノーザンF生産馬です。キャリア5戦以上は割引き。
生月データ
- 1月【0-2-0-5】
- 2月【1-1-6-19】
- 3月【7-2-1-14】
- 4月【0-2-1-14】
- 5月【0-1-0-7】
2015~2021年までは7年連続で3月生まれが優勝していました。昨年は3月生まれの2頭が下位人気で2月生まれのダノンベルーガが優勝しましたが、人気サイドで3月生まれがいたら注目しても良さそうです。
今年はタスティエーラが3月生まれ。
騎手データ
- 継続騎乗【6-3-3-28】
- 乗り替わり【2-5-5-32】
優勝しているのは継続騎乗が多いものの複勝率では変わりません。
また過去8年では継続騎乗で3着以内に入った12頭中その後GⅠで連対したのは9頭。直近ではジオグリフ、エフフォーリア、シャフリヤールなどがいます。
一方乗り替わりで3着以内に入った12頭中その後GⅠで連対した馬はいません。昨年は乗り替わりで優勝したダノンベルーガが天皇賞・秋で3着に入っていますが、クラシックで買いたいのは継続騎乗で好走している馬です。
生産者データ
- ノーザンF【5-6-5-18】
クイーンC同様ノーザンF生産馬が非常に強いレース。人気馬だけではなく2021年7番人気2着のヴィクティファルス、2018年6番人気1着のオウケンムーンなど中穴も好走しています。
シーズンリッチ、タスティエーラ、ダノンザタイガーがノーザンF生産馬。
共同通信杯 前走データ
前走クラスデータ
クラス | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
GⅠ | 0-3-0-5 | 0.0% | 37.5% |
GⅡ | 1-0-0-5 | 16.7% | 16.7% |
GⅢ | 1-1-5-17 | 4.2% | 29.2% |
オープン | 0-0-0-3 | 0.0% | 0.0% |
1勝 | 4-2-1-14 | 19.0% | 33.3% |
未勝利 | 0-0-0-8 | 0.0% | 0.0% |
新馬 | 2-2-2-5 | 18.2% | 54.5% |
2017年から4年連続で1勝クラス組が優勝、昨年は新馬上がりのダノンベルーガが優勝しており重賞組は近年2~3着までが多いのが特徴です。
また前走が東京芝1800mだった馬が(1-3-1-3)、東京芝2000mだった馬が(2-0-1-2)で合わせても複勝率60%台。タスティエーラ、ダノンザタイガーが前走東京芝1800m、シーズンリッチが前走東京芝2000m。
主な前走
- 東スポ杯2歳S【1-0-1-3】
- ホープフルS【1-0-0-6】
- 葉牡丹賞【1-0-0-1】
- 百日草特別【1-0-0-0】
- 朝日杯FS【0-3-0-3】
- セントポーリア賞【0-2-0-0】
- 京成杯【0-1-2-9】
前走距離
- 1600m【1-3-2-16】
- 1800m【2-4-2-12】
- 2000m【5-1-4-27】
前走場所
- 東京【3-3-2-10】
- 中山【4-1-2-30】
- 京都【0-0-2-11】
- 阪神【1-4-1-3】
- 中京【0-0-1-1】
前走人気データ
人気 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1番人気 | 4-3-5-11 | 17.4% | 52.2% |
2番人気 | 2-2-1-7 | 16.7% | 41.7% |
3番人気 | 0-0-0-10 | 0.0% | 0.0% |
4番人気 | 1-1-0-8 | 10.0% | 20.0% |
5番人気 | 0-1-2-6 | 0.0% | 33.3% |
6-9番人気 | 0-1-0-10 | 0.0% | 9.1% |
10番人気- | 0-0-0-8 | 0.0% | 0.0% |
前走が1勝クラス以下だった馬は前走2番人気以内、オープンクラスだった馬は前走5番人気以内が目安になります。
前走オープンクラス
- 5番人気以内【1-4-5-20】
- 6番人気以下【0-0-0-12】
キョウエイブリッサ、シルバースペード、トーアライデン、ロードプレイヤーが前走オープンクラスで6番人気以下。
前走1勝クラス以下
- 1番人気【4-3-3-7】
- 2番人気【2-0-0-5】
- 3番人気以下【0-1-0-15】
前走2番人気で優勝したのはエフフォーリア、ダノンキングリーでいずれもキャリア2戦2勝でした。今年はシーズンリッチ、タスティエーラ、タッチウッドが前走1勝クラスで1番人気。
前走着順データ
着順 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1着 | 5-4-4-22 | 14.3% | 37.1% |
2着 | 1-1-0-6 | 12.5% | 25.0% |
3着 | 1-0-2-2 | 20.0% | 60.0% |
4着 | 0-1-1-2 | 0.0% | 50.0% |
5着 | 0-1-0-5 | 0.0% | 16.7% |
6-9着 | 0-1-0-15 | 0.0% | 6.3% |
10着- | 0-0-1-8 | 0.0% | 11.1% |
1勝クラス組は前走で3着以内なら問題ありません。オープンクラス組は前走5着以内が目安になります。
前走オープンクラス
- 5着以内【1-3-4-17】
- 6着以下【0-1-1-15】
シルバースペード、トーアライデン、ロードプレイヤーが前走オープンクラスで6着以下。
前走1勝クラス
- 1着【3-1-1-3】
- 2~3着【1-1-0-1】
- 4着以下【0-0-0-10】
コレペティトールが前走1勝クラスで1着。
前走タイム差(2着以下)
- 0.2秒差以内【2-0-2-8】
- 0.3秒差以上【0-4-2-30】
前走0.3秒以上負けているのはキョウエイブリッサ、シーズンリッチ、シュタールヴィント、シルバースペード、トーアライデン、ロードプレイヤーの6頭。
共同通信杯 データまとめ
買いデータ
★母父米国型ノーザンダンサー系、ミスプロ系
★ノーザンF生産馬
★前走東京芝1800~2000m
★前走1勝クラス以下で2番人気+2着以内
★3月生まれの人気馬
消しデータ
★馬体重±0kg以下(2~3着まで)
★当日7番人気以下
★キャリア5戦以上
★前走オープンクラスで6番人気+6着以下
★前走1勝クラスで3番人気+4着以下
共同通信杯 予想
○タスティエーラ
▲レイベリング
△ファントムシーフ
△ロードプレイヤー
ダノンザタイガーはキャリア3戦全てが左回りの芝1800mでノーザンF生産馬、ハーツクライ産駒に母父が米国型のストームキャット系、川田騎手の継続騎乗とここで結果を残せばクラシックが非常に楽しみになります。データ的には前走上がり順位が惜しい所ですが、その前の2戦は上がり33秒台を使えており大きな減点はありません。
タスティエーラはキャリア1戦ですがノーザンF生産馬なので問題無し。前走が東京芝1800mで上がりは2位でしたが33.5秒、過去8年で7頭が優勝している3月生まれと面白い傾向にも該当します。乗り替わりが確定なのでクラシックに向けては微妙ですが、ここでは一発も期待できます。
レイベリングはキャリア1戦ながら朝日杯では僅差の3着に健闘。新馬戦の内容からは1800mへの延長は問題無さそうです。朝日杯組は勝ち切れませんがジオグリフやアドマイヤマーズは57kgを背負っての2着だったので、それほど気にはなりません。
ファントムシーフは母父がサドラーズウェルズ系、また3着の多い前走1枠1番と紐候補としては魅力的。ハービンジャーなどのダンジグ持ちは東京新聞杯のナミュール、プレサージュリフトなど結果を残しているのでこの時期の東京は合いそうです。
最後に前走内容は割引き要素も多くデータ的には微妙ですが、時々人気薄で好走している母父ロベルト系で2走前の百日草特別では上がり33.1秒でキングズレインの2着に入ったロードプレイヤー。