2022/11/20(日)
阪神競馬場・芝1600m
過去8年分のマイルCSのデータを軸に、過去の好走馬の血統傾向や今年の登録馬のコース相性などを踏まえて注目馬をピックアップしています。
2週前予想なので回避馬・除外馬が含まれる場合があり、また枠順や馬体重など記事公開時には予想に反映できない要素もありますのでご了承ください。
マイルCS 登録馬
登録馬
予想人気(2週前)
2番人気 サリオス
3番人気 シュネルマイスター
4番人気 ダノンスコーピオン
5番人気 セリフォス
参考:netkeiba.com
今年のヴィクトリアマイル含めマイルGⅠ3勝のソダシが予想オッズ1番人気。2番人気は一時期の低迷を脱し安田記念3着、毎日王冠優勝と復調気配のサリオス、国内のマイルでは3着を外したことがないシュネルマイスターが3番人気に推されています。
4番人気以下も今年のNHKマイルC優勝馬ダノンスコーピオン、そのダノンスコーピオンを富士Sで破ったセリフォス、今年のマイラーズC優勝馬ソウルラッシュ、3連勝で関屋記念を制したウインカーネリアンなど混戦模様です。
マイルCS コース&血統分析
阪神芝1600mの特徴
阪神芝1600mは外回りコースを使用。コーナーが内回りに比べてゆったりしているため直線で横一線になりやすく、直線の長さが474mと長く坂もあるため差しや追い込みが決まりやすいコースです。
速い上がりを使える馬が強いためディープインパクトなどのサンデーサイレンス系種牡馬が得意としています。
マイルCS 父系統別データ
- ディープインパクト系【6-9-6-53】
- サンデーサイレンス系【4-6-8-64】
- キングカメハメハ系【4-2-6-35】
- ハーツクライ系【3-1-3-18】
- ロベルト系【2-1-2-12】
ディープインパクト系は牡馬が(1-8-5-36)、牝馬が(5-1-1-17)と性別による偏りが大きいのが特徴。外回りで実力を発揮しやすいコースなのでリーディング上位種牡馬は安定しています。
阪神で行われた過去2年で3着以内に入った馬を見ると昨年2着に入ったシュネルマイスター以外は父サンデー系でした。
マイルCS 母父系統別データ
- サンデーサイレンス系【3-6-6-75】
- ミスタープロスペクター系【3-3-7-26】
- ストームキャット系【3-2-2-15】
- ボールドルーラー系【3-0-0-1】
- ダンジグ系(欧)【2-4-2-17】
- フォーティナイナー系【2-1-1-6】
牝馬はボールドルーラー系やストームキャット系など全体的に米国型の母父を持つ馬の成績が良く、牡馬はどの系統でも大きな差はありませんがやや複勝率が高いのはミスプロ系。
また良馬場では全体的にミスプロ系、ロベルト系の複勝率が高く、道悪ではデピュティミニスター系やストームキャット系など米国型ノーザンダンサー系、またはサンデー系が成績を伸ばしています。
マイルCS 傾向データ①
枠順データ
枠順 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1枠 | 4-1-2-31 | 10.5% | 18.4% |
2枠 | 3-3-4-31 | 7.3% | 24.4% |
3枠 | 2-1-1-38 | 4.8% | 9.5% |
4枠 | 4-4-4-33 | 8.9% | 26.7% |
5枠 | 1-5-2-39 | 2.1% | 17.0% |
6枠 | 4-7-3-36 | 8.0% | 28.0% |
7枠 | 7-4-5-39 | 12.7% | 29.1% |
8枠 | 2-2-6-49 | 3.4% | 16.9% |
3枠、8枠は人気馬が少なかった影響もあり枠による成績の差はそれほどありませんが、回収値が高いのは6~7枠。
また阪神は連続開催でマイルCS当日はAコース最終週。昨年も内ラチ沿いは荒れており、馬場状態だけではなく枠の並びや位置取りも重要。過去2年ではルメール、福永、川田騎手と関西上位騎手の騎乗馬が上位に入っているので、迷ったら騎手で買うのもアリ。
馬番データ
- 偶数馬番【13-14-14-141】
- 奇数馬番【14-13-13-155】
馬番では7番が(2-4-4-17)、13番が(3-2-2-11)で複勝率40%弱。
4番人気以下
- 1~4枠【2-2-6-118】
- 5~8枠【7-9-11-141】
人気薄の好走は外寄りの方が多いのが特徴です。また1~4枠から好走した10頭中8頭は父サンデー系だったので、非サンデー系の人気薄は外枠が狙い目。
脚質データ
脚質 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
逃げ | 3-2-0-22 | 11.1% | 18.5% |
先行 | 10-9-9-67 | 10.5% | 29.5% |
差し | 11-12-11-109 | 7.7% | 23.8% |
追込 | 3-4-7-98 | 2.7% | 12.5% |
直線の長い阪神外回りなので脚質による有利不利はありません。過去2年は800m通過が46.9秒、47.6秒と前半はゆったり入り直線勝負という形。
馬体重データ
馬体重 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
-439 | 1-0-1-8 | 10.0% | 20.0% |
440-459 | 2-4-5-38 | 4.1% | 22.4% |
460-479 | 8-7-10-79 | 7.7% | 24.0% |
480-499 | 4-10-4-77 | 4.2% | 18.9% |
500-519 | 10-4-4-56 | 13.5% | 24.3% |
520- | 2-2-3-38 | 4.4% | 15.6% |
複勝率ではそれほど差はありませんが、GⅠになるとある程度馬格がある馬が殆どなのでそれほど気にする必要は無さそうです。ちなみに過去2年で掲示板に載った馬の中で最小だったのはインディチャンプの472kg、最大はサリオスの538kg。
マイルCS 傾向データ②
人気データ
人気 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1番人気 | 2-1-1-4 | 25.0% | 50.0% |
2番人気 | 0-4-0-4 | 0.0% | 50.0% |
3番人気 | 2-3-0-3 | 25.0% | 62.5% |
4-6番人気 | 3-0-4-17 | 12.5% | 29.2% |
7-9番人気 | 1-0-3-20 | 4.2% | 16.7% |
10番人気- | 0-0-0-67 | 0.0% | 0.0% |
過去8年では10番人気以下は3着以内が無く人気馬優勢。京都開催時は1番人気が勝てないレースでしたが代替開催の2年間は1番人気馬が優勝しています。
所属データ
所属 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
美浦 | 4-2-2-28 | 11.1% | 22.2% |
栗東 | 4-6-6-87 | 3.9% | 15.5% |
関東馬は前走3着以内で(3-2-2-12)、4着以下は(0-0-0-16)と前走好走馬から。また好走馬7頭中5頭は外国人騎手(ルメール騎手含む)が騎乗していました。
シュネルマイスターが前走4着以下の関東馬。
馬齢データ
馬齢 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
3歳 | 2-1-2-25 | 6.7% | 16.7% |
4歳 | 3-3-3-18 | 11.1% | 33.3% |
5歳 | 2-3-3-42 | 4.0% | 16.0% |
6歳 | 1-1-0-16 | 5.6% | 11.1% |
7歳- | 0-0-0-14 | 0.0% | 0.0% |
3歳馬は古馬に対して1kg減になるためやや苦戦。好走した3歳馬5頭中4頭はGⅠ連対馬、残る1頭は2017年のサングレーザーで前走古馬相手のスワンSで優勝しています。
また5歳以上でも馬券には絡んでいますが好走馬はほぼキャリア20戦以内。
キャリアデータ
- 20戦以下【7-8-8-63】
- 21戦以上【1-0-0-52】
ハッピーアワー、ベステンダンクがキャリア21戦以上。
騎手データ
- 継続騎乗【3-6-4-58】
- 乗り替わり【5-2-4-57】
2020~2021年はコロナの影響もあり海外騎手不在でしたが、海外騎手への乗り替わりは○。また関東騎手は(0-1-1-28)、好走したシュネルマイスター、イスラボニータは当日2番人気以内でした。
サリオスがムーア騎手、セリフォスがレーン騎手、ピースオブエイトがCデムーロ騎手想定となっています。
生産者データ
- ノーザンF【5-1-4-34】
- 追分F【1-1-2-1】
- 社台F【0-3-1-18】
ノーザンF生産馬は2020年は1~3着を独占、昨年の2着シュネルマイスターはドイツのノーザンF生産ですが、これを含めると2021年は1~6着まで独占。京都開催時より阪神開催の方が好走率が上がっています。
サリオス、シュネルマイスター、ソダシ、ダノンザキッド、ピースオブエイト、ホウオウアマゾンがノーザンF生産馬。
マイルCS 前走データ
前走クラスデータ
クラス | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
GⅠ | 4-2-2-18 | 15.4% | 30.8% |
GⅡ | 2-3-6-53 | 3.1% | 17.2% |
GⅢ | 2-3-0-38 | 4.7% | 11.6% |
オープン以下 | 0-0-0-6 | 0.0% | 0.0% |
前走GⅢで好走した5頭はGⅡ昇格前の富士Sからのローテ。ほぼ前走GⅠか富士S、スワンSの前哨戦組しか馬券に絡んでおらず、特に天皇賞・秋や安田記念など東京組が中心です。
また距離延長で優勝したミッキーアイル、グランアレグリアはいずれもマイルGⅠ優勝馬。
主な前走
- 富士S【2-3-1-34】
- 毎日王冠【2-1-2-15】
- スプリンターズS【2-0-0-4】
- 天皇賞・秋【1-1-2-6】
- 安田記念【1-1-0-3】
- スワンS【0-2-2-25】
前走距離
- 1200m【2-0-0-5】
- 1400m【0-2-2-25】
- 1600m【3-4-1-51】
- 1800m【2-1-2-23】
- 2000m【1-1-3-9】
前走場所
- 東京【6-6-5-65】
- 中山【2-0-0-9】
- 京都【0-2-2-28】
- 阪神【0-0-0-6】
- 札幌【0-0-1-0】
前走人気データ
人気 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1番人気 | 3-3-0-19 | 12.0% | 24.0% |
2番人気 | 3-2-4-10 | 15.8% | 47.4% |
3番人気 | 2-1-0-14 | 11.8% | 17.6% |
4番人気 | 0-2-1-13 | 0.0% | 18.8% |
5番人気 | 0-0-2-8 | 0.0% | 20.0% |
6-9番人気 | 0-0-1-24 | 0.0% | 4.0% |
10番人気- | 0-0-0-27 | 0.0% | 0.0% |
前走上位人気馬が優勢。前走5番人気以下で3着に入った3頭はいずれも前走2000mでした。
前走GⅡ・GⅢ
- 4番人気以内【3-6-5-47】
- 5番人気以下【0-0-1-44】
エアロロノア、ハッピーアワー、ピースオブエイト、ベステンダンクが前走GⅡ、GⅢで5番人気以下。
前走1400m以下
- 2番人気以内【2-2-2-10】
- 3番人気以下【0-0-0-20】
シュネルマイスター、ロータスランドが前走1400m以下で3番人気以下。
当日5番人気以内
- 前走1番人気【2-3-0-13】
- 前走2~3番人気【5-3-2-4】
- 前走4番人気以下【0-2-2-4】
当日5番人気以内に推された馬は前走1番人気より2番人気以下だった馬の方が複勝率が高いのが特徴。特に毎日王冠、スワンSで1番人気だった馬が不振です。
有力馬ではシュネルマイスター、ダノンスコーピオン、ソウルラッシュが前走2~3番人気。
前走着順データ
着順 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1着 | 2-2-2-19 | 8.0% | 24.0% |
2着 | 2-3-0-12 | 11.8% | 29.4% |
3着 | 2-2-2-11 | 11.8% | 35.3% |
4着 | 0-0-3-10 | 0.0% | 23.1% |
5着 | 1-1-1-12 | 6.7% | 20.0% |
6-9着 | 1-0-0-19 | 5.0% | 5.0% |
10着- | 0-0-0-32 | 0.0% | 0.0% |
前走3着以内の複勝率が高く、前走4着以下から巻き返したのは富士Sや毎日王冠など全て前走が東京だった関西馬でした。また前走敗れている場合は0.5秒差以内が目安になります。
前走1400m以下
- 3着以内【2-2-2-14】
- 4着以下【0-0-0-16】
前走4着以下
- 前走東京【2-1-4-46】
- 前走東京以外【0-0-0-27】
シュネルマイスター、ベステンダンク、ホウオウアマゾン、マテンロウオリオン、ロータスランドが前走1400m以下で4着以下。またこの5頭は前走東京以外で4着以下にも該当。
前走タイム差(2着以下)
- 0.5秒差以内【5-6-6-45】
- 0.6秒差以上【1-0-0-51】
唯一前走0.6秒差以上の負けから巻き返したのは3歳時のペルシアンナイトで前走富士Sは不良馬場でした。ハッピーアワー、ベステンダンク、ホウオウアマゾンが前走0.6秒以上負けています。
マイルCS データまとめ
買いデータ
★母父ミスプロ系(良馬場)、米国型ノーザンダンサー系(道悪)
★GⅠ連対または古馬重賞勝ち実績のある3歳馬
★ノーザンF生産馬
★当日5番人気以内+前走2~3番人気
消しデータ
★当日10番人気以下
★前走4着以下の関東馬
★キャリア21戦以上
★前走GⅡ・GⅢで5番人気以下
★前走1400m以下で3番人気+4着以下
★前走東京以外で4着以下、または前走0.6秒以上負け
マイルCS 予想
○ダノンスコーピオン
▲セリフォス
△ジャスティンカフェ
△シュネルマイスター
△ソダシ
サリオスは昨秋から春にかけては馬体重の変動も大きく仕上げが難しい部分がありましたが、安田記念・毎日王冠と好走し復調気配。前走内容からも特に割引き要素はありません。またハーツクライ産駒はGⅠで海外騎手が騎乗すると複勝率約50%と他種牡馬の産駒より成績が大きく伸びるのが特徴。調整が難しい馬ですが状態面が整えば。
ダノンスコーピオンはNHKマイルC優勝、富士Sでは56kgを背負い3着と前哨戦としては問題無い内容。やや小柄な馬体、2歳時に比べ3歳以降コース成績を落としがちなロードカナロア産駒は気になりますが、川田騎手・安田隆厩舎は共にコース複勝率50%前後のコンビ。3歳世代のレベルの高さからも引き続き期待。
セリフォスは富士Sではダノンスコーピオンを下し優勝、安田記念でも4着に好走しているように古馬相手でも能力上位。中内田厩舎は前哨戦に強いイメージはありますがこのコースでは連対率40%台と断トツの成績。追分F生産でダイワメジャー産駒という血統からも2~3着では抑えておきたいです。
他ではジャスティンカフェは末脚の爆発力は魅力。今年は逃げ馬が少ないのでスローのヨーイドン勝負になれば面白そうです。シュネルマイスターは前走スプリンターズSの内容は割引きですが、マイルに戻る今回はやはり軽視できません。
ソダシは桜花賞などのコース実績に加えマイルへの距離短縮、斤量減と条件は向きますが速い流れを先行して押し切るのが好走パターン。上がり勝負になりやすいレースであることや逃げ馬が少ない点など展開が向くかが微妙な所。