2023/5/7(日)
東京競馬場・芝1600m
過去8年分のNHKマイルCのデータを軸に、過去の好走馬の血統傾向や今年の登録馬のコース適性などを踏まえて注目馬をピックアップしています。
2週前予想なので回避馬・除外馬が含まれる場合があり、また枠順や馬体重など記事公開時には予想に反映できない要素もありますのでご了承ください。
NHKマイルC 登録馬
登録馬
予想人気(2週前)
2番人気 ドルチェモア
3番人気 クルゼイロドスル
4番人気 カルロヴェローチェ
5番人気 オオバンブルマイ
参考:netkeiba.com
予想オッズでは3連勝でNZTを快勝したエエヤンが1番人気、2番人気は昨年の朝日杯FS優勝馬ドルチェモア、3番人気はジュニアCを4馬身差で逃げ切ったクルゼイロドスルが推されています。
4番人気以下はファルコンS2着のカルロヴェローチェ、アーリントンCを勝ったオオバンブルマイ、朝日杯FS2着のダノンタッチダウン、アーリントンC3着のショーモンなどが続きますが予想オッズからはかなりの混戦模様です。
NHKマイルC コース&血統分析
東京芝1600mの特徴
東京芝1600mはスタート後直線が続くため、枠順による影響は小さいコースです。他の競馬場ならペースが落ち着く3ハロン目辺りから下り坂になってコーナーに入るため、息が入らない流れになりがちです。
そのためクラスが上がると短距離馬より中距離でも実績のある馬の好走が目立つようになります。
父系統別データ
- サンデーサイレンス系【2-3-1-29】
- ディープインパクト系【2-2-0-15】
- デピュティミニスター系【2-0-0-3】
- キングカメハメハ系【1-1-2-23】
- ダンジグ系(欧)【1-0-0-2】
- ストームキャット系【0-1-1-4】
ダイワメジャー産駒は(2-2-1-6)で人気馬は堅実です。またノーザンダンサー系も人気馬は安定していますが、昨年18番人気のカワキタレブリーが3着に好走。
また近年はカワキタレブリー、ソングライン、ラウダシオン、ケイデンスコールと4代目までにストームキャットを持つ馬が人気薄で好走しています。他にもダンジグ(デインヒル)やデピュティミニスター持ちに注意。
母父系統別データ
- ミスタープロスペクター系【3-1-1-12】
- サドラーズウェルズ系【3-0-0-3】
- サンデーサイレンス系【2-0-0-24】
- ダンジグ系(米)【0-2-0-4】
- デピュティミニスター系【0-1-2-9】
- ダンジグ系(欧)【0-1-1-8】
母父ナスルーラ系、ロベルト系は相性がイマイチで好走したのはソングライン(ストームキャット持ち)、ボンセルヴィーソ(ダイワメジャー産駒)と父系が強調できる馬。ノーザンダンサー系は欧州型が(3-1-2-18)、米国型が(0-3-2-17)。
近年は母父ミスプロ系の好走が増えていますが、キングマンボ系(キングカメハメハ系)を除く母父ミスプロ系で好走しているのは母が父ミスプロ系×母父ノーザンダンサー系になる馬のみ。
NHKマイルC 傾向データ①
枠順データ
枠順 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1枠 | 0-1-0-15 | 0.0% | 6.3% |
2枠 | 1-1-0-13 | 6.7% | 13.3% |
3枠 | 0-1-2-13 | 0.0% | 18.8% |
4枠 | 1-0-1-14 | 6.3% | 12.5% |
5枠 | 0-3-2-11 | 0.0% | 31.3% |
6枠 | 2-0-1-13 | 12.5% | 18.8% |
7枠 | 1-1-0-22 | 4.2% | 8.3% |
8枠 | 3-1-2-18 | 12.5% | 25.0% |
全体的に外寄りの成績が良く、当日3番人気以内+1~4枠は(2-3-1-10)に対して5~8枠は(3-1-1-2)。7枠の成績が悪いのは人気薄が多かった影響もあり、2021年はシュネルマイスターが7枠から優勝しています。
馬番データ
- 偶数馬番【3-3-7-58】
- 奇数馬番【5-5-1-61】
特に成績の良い馬番はありませんがカワキタレブリーやソングライン(10番)、ラウダシオンやケイアイノーテック(11番)、レッドヴェイロン(17番)ケイデンスコール(18番)と10~11番、17~18番あたりの穴馬に注意。
前走枠順データ(前走中山)
- 1枠【1-2-1-4】
- 2~7枠【0-1-1-38】
- 8枠【3-1-1-6】
前走が中山だった馬は前走での枠順が1枠か8枠だった馬の成績が良いのが特徴。馬番では1番か14~16番です。
大半がNZT組ですが、シュネルマイスターのように前走が小頭数でも前走時1枠・または8枠が好成績。ウンブライル、クルゼイロドスルが該当し、モリアーナがは7枠ですが馬番14番でした。
また前走時2~7枠で好走したミュゼスルタン、ロードクエストはいずれも当日2番人気でした。
脚質データ
脚質 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
逃げ | 1-1-1-5 | 12.5% | 37.5% |
先行 | 2-2-1-27 | 6.3% | 15.6% |
差し | 4-2-5-50 | 6.6% | 18.0% |
追込 | 1-3-1-37 | 2.4% | 11.9% |
当日5番人気以内は逃げ・先行馬の複勝率が高く、6番人気以下は差し・追い込みでの好走が目立ちます。
前走4角位置(前走中山)
- 5番手以内【4-3-1-21】
- 6番手以下【0-1-2-27】
前走阪神は直線の長い1600~1800m組が多いため位置取りは関係ありませんが、前走中山は先行していた馬が優勢です。前走4角6番手以下で3着に入った3頭はレインボーライン、ミュゼスルタン、マテンロウオリオンでいずれもマイル重賞勝ち馬。
前走4角位置(前走阪神)
- 5番手以内【0-2-2-19】
- 6番手以下【3-2-2-26】
逆にアーリントンCなどの阪神組で優勝しているのは前走4角6番手以下だった馬。
前走上がり3F(父サンデーサイレンス系)
- 1~2位【0-1-1-16】
- 3~5位【3-2-2-15】
- 6位以下【1-2-1-21】
また父サンデー系は前走上がり2位以内が不振で人気より着順を落としがちです。父サンデー系ではカルロヴェローチェ、トーホウガレオン、ミシシッピテソーロが前走上がり2位以内。
馬体重データ
馬体重 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
-439 | 0-0-2-9 | 0.0% | 22.2% |
440-459 | 1-2-0-23 | 3.8% | 11.5% |
460-479 | 4-2-6-33 | 8.9% | 26.7% |
480-499 | 3-2-0-37 | 7.1% | 11.9% |
500-519 | 0-2-0-13 | 0.0% | 13.3% |
520- | 0-0-0-4 | 0.0% | 0.0% |
人気馬はあまり馬格の影響はありませんが、当日6番人気以下は480kg未満が(1-2-6-54)、480kg以上が(1-1-0-39)と比較的小柄な馬が好調。
また480kg以上で好走している9頭全てがGⅠ以外では複勝率100%。そのため人気馬が大半ですが、ソングラインやラウダシオンといった穴馬も含まれます。今年は前走時の馬体重480kg以上だとショーモン、ダノンタッチダウンが該当します。
前走との馬体重差
- +体重【2-3-2-42】
- 増減無【3-0-1-23】
- -体重【3-5-5-54】
NHKマイルC 傾向データ②
人気データ
人気 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1番人気 | 1-1-1-5 | 12.5% | 37.5% |
2番人気 | 3-2-1-2 | 37.5% | 75.0% |
3番人気 | 1-1-0-5 | 14.3% | 28.6% |
4-6番人気 | 2-1-2-19 | 8.3% | 20.8% |
7-9番人気 | 1-1-2-20 | 4.2% | 16.7% |
10番人気- | 0-2-2-68 | 0.0% | 5.6% |
最も複勝率が高いのは2番人気馬ですが、1番人気馬でも複勝率は37.5%と混戦です。1番人気で馬券に絡んだグレナディアガーズ、レシステンシア、メジャーエンブレムはいずれも朝日杯FSまたは阪神JFの優勝馬。
単勝オッズだと6.9倍以下は(5-5-2-10)と安定していますが、7.0倍以上はオッズもあまりアテになりません。
所属データ
所属 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
美浦 | 3-4-1-43 | 5.9% | 15.7% |
栗東 | 5-4-7-76 | 5.4% | 17.4% |
関東馬は前走3着以内が(1-1-0-22)と前走好走馬の成績が振るわず、関西馬は前走6着以下が(0-0-1-29)とこちらは前走好走馬が優勢です。
このデータで割引きになるのはウンブライル、エエヤン、シャンパンカラー、シングザットソング、ダノンタッチダウン、ドルチェモア、ナヴォーナ、フロムダスク、ユリーシャ。
キャリアデータ
キャリア | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
-3戦 | 1-2-1-9 | 7.7% | 30.8% |
4戦 | 0-2-0-24 | 0.0% | 7.7% |
5戦 | 2-4-2-25 | 6.1% | 24.2% |
6戦 | 4-0-2-23 | 13.8% | 20.7% |
7戦- | 1-0-3-38 | 2.4% | 9.5% |
近年はキャリア5~6戦が中心です。また他の世代戦だとノーザンF生産馬はキャリアの浅い馬でも走っていますが、このレースではキャリア4戦以下のノーザンF生産馬は(0-1-0-20)。ルフトシュトロームやグランアレグリアなどの人気馬も敗れています。(シュネルマイスターはドイツのノーザンF生産馬なので含めていません。)
カルロヴェローチェ、ダノンタッチダウン、ナヴォーナがキャリア4戦以下のノーザンF生産馬。
騎手データ
- 継続騎乗【6-5-3-65】
- 乗り替わり【2-3-5-54】
乗り替わりは社台F、社台白老F、ノーザンF生産馬だと(1-3-4-26)、他生産馬では(1-0-1-28)。
生産者データ
- ノーザンF【3-3-5-41】
ノーザンF生産馬で好走した11頭はいずれも阪神マイル重賞への出走経験がありました。具体的には朝日杯FS・阪神JF・桜花賞・アーリントンCの4レース。これに該当するのはウンブライル、ショーモン、セッション、ダノンタッチダウン、トーホウガレオン、モリアーナ。
NHKマイルC 前走データ
前走クラスデータ
クラス | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
GⅠ | 4-3-0-19 | 15.4% | 26.9% |
GⅡ | 2-1-3-40 | 4.3% | 13.0% |
GⅢ | 2-3-5-45 | 3.6% | 18.2% |
オープン | 0-1-0-11 | 0.0% | 8.3% |
1勝 | 0-0-0-3 | 0.0% | 0.0% |
人気に推されたGⅠ組は安定していますが、トライアルから弥生賞、毎日杯などローテの幅は広いレースです。アーリントンCは2018年から開催時期が移りましたが、昨年のカワキタレブリーやカテドラルなど人気薄の3着が多いのが特徴です。
また関東馬はGⅠ組の成績が良く、GⅡ・GⅢ組の好走は関西馬が大半です。
主な前走
- 桜花賞【2-2-0-10】
- 皐月賞【2-1-0-7】
- NZT【1-1-2-29】
- アーリントンC【1-0-4-19】
- ファルコンS【1-0-1-15】
- 弥生賞【1-0-0-2】
- 毎日杯【0-2-0-5】
前走距離
- 1200m【0-0-0-1】
- 1400m【1-0-1-27】
- 1600m【4-4-6-65】
- 1800m【0-3-1-17】
- 2000m【3-1-0-9】
前走場所
- 東京【0-0-0-4】
- 中山【4-4-3-48】
- 京都【0-0-0-5】
- 阪神【3-4-4-45】
- 中京【1-0-1-16】
前走人気データ
人気 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1番人気 | 4-3-1-11 | 21.1% | 42.1% |
2番人気 | 2-2-0-20 | 8.3% | 16.7% |
3番人気 | 0-0-0-18 | 0.0% | 0.0% |
4番人気 | 0-0-3-13 | 0.0% | 18.8% |
5番人気 | 0-1-1-10 | 0.0% | 16.7% |
6-9番人気 | 1-2-2-25 | 3.3% | 16.7% |
10番人気- | 1-0-1-22 | 4.2% | 8.3% |
前走重賞で1番人気だった馬は(4-3-1-8)複勝率50%と安定しています。
また前走1番人気だった関西馬も(3-2-1-4)と好調。2020年9番人気1着のラウダシオン、2018年6番人気1着のケイアイノーテックなど穴馬の好走も多いのが特徴です。
カルロヴェローチェ、ドルチェモア、ユリーシャが関西馬で前走重賞で1番人気。
前走1600m
- 5番人気以内【3-3-4-34】
- 6番人気以下【1-1-2-31】
シャンパンカラー、シングザットソング、トーホウガレオン、ミシシッピテソーロが前走1600mで6番人気以下。
前走1800m以上
- 2番人気以内【2-2-0-7】
- 3番人気以下【1-2-1-19】
オールパルフェ、ダノンタッチダウンが前走1800m以上で3番人気以下。
前走着順データ
着順 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1着 | 1-1-0-33 | 2.9% | 5.7% |
2着 | 3-3-3-13 | 13.6% | 40.9% |
3着 | 0-0-2-15 | 0.0% | 11.8% |
4着 | 2-2-0-4 | 25.0% | 50.0% |
5着 | 2-0-1-9 | 16.7% | 25.0% |
6-9着 | 0-1-1-20 | 0.0% | 9.1% |
10着- | 0-1-1-25 | 0.0% | 7.4% |
昨年はアーリントンC1着のダノンスコーピオンが優勝しましたが、各トライアルなど前走1着馬の成績が非常に悪いレースです。ダノンスコーピオン以前に好走しているのも2015年のアルビアーノ(前走3/17フラワーC)、ミッキーアイル(前走3/1アーリントンC)なので、レース間隔と前走での仕上げ度合いは気にしたい所です。
前走1600m
- 1着【1-0-0-15】
- 2~5着【3-3-5-26】
- 6着以下【0-1-1-24】
ウンブライル、サトノヴィレ、シャンパンカラー、ショーモン、セッション、トーホウガレオン、ミシシッピテソーロ、モリアーナが前走1600mで2~5着。
前走1800m以上
- 9着以内【3-4-1-15】
- 10着以下【0-0-0-11】
オールパルフェが前走9着以内、ダノンタッチダウンは10着以下。
前走タイム差(2着以下)
- 0.5秒差以内【6-5-7-43】
- 0.6秒差以上【1-2-1-43】
前走0.6秒差以上の負けから巻き返した4頭中3頭は前走GⅠ。例外は昨年のカワキタレブリーで前走アーリントンCで12番人気11着。前走GⅠ以外ではオールパルフェ、ドルチェモア、ユリーシャが前走0.6秒以上負け。
NHKマイルC データまとめ
買いデータ
★4代目までにストームキャット持ち
★当日3番人気以内+5~8枠
★前走中山で1枠・8枠だった馬(馬番1番または14~16番)
★阪神マイル重賞の出走経験があるノーザンF生産馬
★前走1番人気(特に前走重賞・または関西馬)
★前走1600mで5番人気以内+2~5着
消しデータ
★前走中山で2~7枠だった馬
★前走中山で4角6番手以下(マイル重賞勝ち馬を除く)
★馬体重480kg以上(GⅠ以外で複勝率100%の馬を除く)
★キャリア4戦以下のノーザンF生産馬
★前走1800m以上で10着以下
NHKマイルC 予想
○ショーモン
▲クルゼイロドスル
△ドルチェモア
△オオバンブルマイ
△ウンブライル
モリアーナは想定では10番人気前後ですがクイーンCでは上がり最速で桜花賞4~5着のハーパー、ドゥアイズと僅差の3着で東京マイルの新馬戦も上がり33.0秒と見所のある内容。また前走NZTでは馬番14番から4角4番手+4着と面白そうな所。父ロベルト系はあまり相性が良くないレースですがキャリア5戦や470kg前後の馬格、また横山典騎手への乗り替わりなど強調要素は多め。
ショーモンはここ最近重賞でも好騎乗が目立つ鮫島駿騎手の継続騎乗。キャリア5戦で経験として重要な阪神マイル経験も豊富。500kg前後の馬格ですがキャリア複勝率100%なので問題なく抑えられます。マインドユアビスケッツ産駒は1年目ですが左回りの方が人気以上に好走することが多く、アーリントンC組なので人気薄でも3着では抑えたい1頭。
クルゼイロドスルはジュニアCからのローテが過去例が少ない分評価が難しい所ですが、東京マイルの未勝利戦を1.33.5で勝ちジュニアCでは8枠から逃げ切るなどキャリア内容は悪くありません。また血統面はそれほど強調できませんが、デムーロ騎手はレース相性○。
ドルチェモアはソダシなど東京マイル重賞で実績豊富な須貝厩舎。前走NZTの内容は割引きですが実績からは見直し可能。三浦騎手も東京マイルGⅠではグランプリボス、タガノブルグを人気薄で2着に持ってくるなど得意なコース。
他ではオオバンブルマイは小柄な馬体なので頭よりは2~3着狙いですが父ストームキャット系×母父ディープは昨年のカワキタレブリーと近く、東京でも京王杯2歳S勝ちの実績を持つ点は好材料。ウンブライルはキャリア5戦のノーザンF生産馬で阪神マイル経験を持つなど、こちらも紐候補に。