2022/11/13(日)
阪神競馬場・芝2200m
過去8年分のエリザベス女王杯のデータを軸に、過去の好走馬の血統傾向や今年の登録馬のコース相性などを踏まえて注目馬をピックアップしています。
2週前予想なので回避馬・除外馬が含まれる場合があり、また枠順や馬体重など記事公開時には予想に反映できない要素もありますのでご了承ください。
エリザベス女王杯 登録馬
登録馬
予想人気(2週前)
2番人気 スタニングローズ
3番人気 ナミュール
4番人気 ジェラルディーナ
5番人気 ピンハイ
参考:netkeiba.com
予想オッズでは2年前の3冠馬で長期休養明けとなった今年は宝塚記念で3着に入っているデアリングタクトが1番人気。2番人気は秋華賞馬スタニングローズ、3番人気は秋華賞で2着だったナミュールが推されています。
4番人気以下はオールカマー優勝のジェラルディーナ、秋華賞は除外となりましたが西宮Sを快勝したピンハイ、昨年の優勝馬アカイイト、札幌記念3着のウインマリリンあたりが続きます。
エリザベス女王杯 コース&血統分析
阪神芝2200mの特徴
阪神芝2200mは内回りコースを使用。2000mスタート地点のさらに後方からスタートします。
スタート直後が下り坂になっているため前半のペースが速くなりやすいのが特徴ですが、2コーナー辺りで一旦落ち着きます。直線が短いため3~4コーナーから徐々に進出でき直線も伸びる脚が必要になります。
エリザベス女王杯 父系統別データ
- キングカメハメハ系【5-4-2-33】
- ステイゴールド系【3-2-2-22】
- ディープインパクト系【2-5-4-43】
- レッドゴッド系【2-0-0-0】
- ハーツクライ系【1-1-2-7】
宝塚記念が多く含まれるためキングカメハメハ系が上位ですが、昨年のエリザベス女王杯はキズナ産駒のワンツー、一昨年はディープインパクト産駒が2~3着。
他にも掲示板前後に好走した馬見るとディープインパクト産駒はやはり相性が良く、それ以外ではエピファネイア、スクリーンヒーローとロベルト系も注意。
エリザベス女王杯 母父系統別データ
- サンデーサイレンス系【3-1-1-27】
- ミスタープロスペクター系【2-1-1-20】
- デピュティミニスター系【2-0-2-16】
- サドラーズウェルズ系1-2-0-9】
- ロベルト系【1-1-3-13】
- ストームキャット系【1-1-2-9】
母系は様々で系統別での差はそれほどありませんが、代替開催で行われたエリザベス女王杯で好走した馬を見るとシアトルスルーなどのボールドルーラー系、サドラーズウェルズまたはヌレイエフ、ミスプロを持つ馬が目立ちます。
エリザベス女王杯 傾向データ①
枠順データ
枠順 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1枠 | 1-3-3-13 | 5.0% | 35.0% |
2枠 | 3-4-2-12 | 14.3% | 42.9% |
3枠 | 1-2-2-16 | 1.8% | 23.8% |
4枠 | 2-0-2-19 | 8.7% | 17.4% |
5枠 | 1-4-0-21 | 3.8% | 19.2% |
6枠 | 2-0-2-24 | 7.1% | 14.3% |
7枠 | 1-3-3-25 | 3.1% | 21.9% |
8枠 | 5-0-2-24 | 16.1% | 22.6% |
2枠の複勝率の高さは人気馬が多かった影響もあります。スタート後の直線が長いので枠による差はそれほどな無く、昨年は1枠・3枠・8枠と内外両方馬券に絡んでいます。
ただし阪神は10月からの連続開催でエリザベス女王杯の週もAコース終盤。昨年も内の芝は荒れており、外目を回る方が有利になる可能性は高そうです。
馬番データ
- 偶数馬番【11-7-7-73】
- 奇数馬番【5-9-9-81】
馬番では2番が(2-4-4-6)と断トツの成績。昨年も9番人気クラヴェルが3着に入っています。
脚質データ
脚質 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
逃げ | 3-2-0-11 | 18.8% | 31.3% |
先行 | 10-5-6-38 | 16.9% | 35.6% |
差し | 3-5-7-49 | 4.7% | 23.4% |
追込 | 0-3-3-53 | 0.0% | 10.2% |
マクリ | 0-1-0-3 | 0.0% | 25.0% |
昨年はある程度馬場が荒れていた上にハイペースとなり後方組が上位独占。1コーナーから向正面までは平坦→残り1000mから直線の坂までは下りが続くコースなのでペースが緩みにくく、前半は溜める方が展開が向きやすいコースです。
馬体重データ(牝馬のみ)
馬体重 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
-439 | 0-0-1-5 | 0.0% | 16.7% |
440-459 | 0-2-2-10 | 0.0% | 28.6% |
460-479 | 5-0-2-16 | 21.7% | 30.4% |
480-499 | 0-1-2-8 | 0.0% | 27.3% |
500-519 | 1-0-0-2 | 33.3% | 33.3% |
520- | 1-0-0-1 | 50.0% | 50.0% |
昨年、一昨年は450kg台の小柄な馬、500kg台の大型馬が馬券に絡んでいるので馬格は気にしなくても良さそうです。
エリザベス女王杯 傾向データ②
人気データ
人気 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1番人気 | 1-2-2-3 | 12.5% | 62.5% |
2番人気 | 0-0-1-7 | 0.0% | 12.5% |
3番人気 | 4-0-2-2 | 50.0% | 75.0% |
4-6番人気 | 2-1-2-19 | 8.3% | 20.8% |
7-9番人気 | 0-4-1-19 | 0.0% | 20.8% |
10番人気- | 1-1-0-65 | 1.5% | 3.0% |
京都開催時から1番人気馬は勝ち切れませんが、阪神開催ではラッキーライラックが優勝。1番人気で4着以下に敗れた3頭はオークス未出走、好走した5頭はオークスで3着以内に入っていました。
今年は予想オッズ上位のデアリングタクト、スタニングローズ、ナミュールはいずれもオークス3着以内の実績を持つのでこの中から1番人気に推された馬はプラス評価。
所属データ
所属 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
美浦 | 1-2-0-34 | 2.7% | 8.1% |
栗東 | 7-6-8-81 | 6.9% | 20.6% |
関東馬は2016年以降馬券絡みは無く、昨年も秋華賞馬アカイトリノムスメが2番人気7着、3~5番人気だったウインマリリン、テルツェット、ウインキートスも10着以下に敗れています。
ウインキートス、ウインマリリン、クリノプレミアム、コトブキテティス、テルツェット、ホウオウエミーズ、ライラックが関東馬。
馬齢データ
馬齢 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
3歳 | 1-2-2-21 | 3.8% | 19.2% |
4歳 | 6-3-5-39 | 11.3% | 26.4% |
5歳 | 1-2-1-41 | 2.2% | 8.9% |
6歳 | 0-1-0-10 | 0.0% | 9.1% |
7歳- | 0-0-0-4 | 0.0% | 0.0% |
3~4歳馬が強く、5歳以上で馬券に絡んだ5頭(6回)は前年のエリザベス女王杯で6着以内に入っていました。
キャリアデータ
- 15戦以下【6-4-8-48】
- 16戦以上【2-4-0-67】
ほぼ年齢とリンクしますがキャリア16戦以上は割引き。こちらもキャリア16戦以上で好走したのはラッキーライラックやクロコスミアなど前年の好走馬が殆どです。
5歳以上またはキャリア16戦以上でエリザベス女王杯6着以内の実績を持つのはアカイイト、イズジョーノキセキ、ウインマリリン、ソフトフルートの4頭。
騎手データ
- 継続騎乗【4-4-8-58】
- 乗り替わり【4-4-0-57】
昨年はテン乗りだったアカイイト、ステラリアが1~2着。京都開催から数えて4年連続で乗り替わりになる馬が優勝しています。
また関東騎手で馬券に絡んだのは昨年のクラヴェル(横山典騎手)、2015年のマリアライト(蛯名騎手)と大ベテランの騎乗馬。
生産者データ
- ノーザンF【5-1-7-40】
- 社台F【1-3-0-17】
ノーザンF生産馬は当日6番人気以内で(5-1-6-17)、7番人気以下で(0-0-1-23)と人気サイド優勢。
アンドヴァラナウト、サンテローズ、ジェラルディーナ、スタニングローズ、テルツェット、ナミュール、ルビーカサブランカがノーザンF生産馬。
エリザベス女王杯 前走データ
前走クラスデータ
クラス | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
GⅠ | 1-2-4-22 | 3.4% | 24.1% |
GⅡ | 7-6-3-49 | 10.8% | 24.6% |
GⅢ | 0-0-1-9 | 0.0% | 10.0% |
OP以下 | 0-0-0-35 | 0.0% | 0.0% |
過去8年ではGⅢ以下は(0-0-1-44)とほぼ馬券に絡んでおらず、唯一3着に入ったのは昨年のクラヴェルで前走は新潟記念でした。代替開催の2年間含め、府中牝馬Sからのローテが中心です。
主な前走
- 府中牝馬S【4-5-2-29】
- オールカマー【2-1-0-9】
- 秋華賞【1-2-1-19】
- 札幌記念【1-0-1-1】
- 新潟記念【0-0-1-1】
- オークス【0-0-1-1】
- ヴィクトリアマイル【0-0-1-0】
前走距離
- 1600m【0-0-1-3】
- 1800m【4-5-2-39】
- 2000m【2-2-3-33】
- 2200m【2-1-1-20】
- 2400m【0-0-1-16】
- 2600m【0-0-0-4】
前走場所
- 東京【4-5-4-37】
- 中山【1-1-0-11】
- 京都【1-1-1-37】
- 阪神【0-1-1-8】
- 札幌【1-0-1-6】
前走人気データ
人気 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1番人気 | 1-2-3-7 | 7.7% | 46.2% |
2番人気 | 2-0-2-15 | 10.5% | 21.1% |
3番人気 | 1-1-0-15 | 5.9% | 11.8% |
4番人気 | 1-0-3-14 | 5.6% | 22.2% |
5番人気 | 1-1-0-12 | 7.1% | 14.3% |
6-9番人気 | 1-4-0-35 | 2.5% | 12.5% |
10番人気- | 1-0-0-17 | 5.6% | 5.6% |
前走で1番人気だった馬は安定しており、前走1番人気+当日3番人気以内だと(1-2-3-3)。前走下位人気からの巻き返しは府中牝馬S組に多いのが特徴です。
前走GⅡ
- 4番人気以内【5-2-3-18】
- 5番人気以下【2-4-0-31】
前走5番人気以下で好走した6頭中5頭は府中牝馬S組で、5頭全てが人気より上の着順に入っていました。
アンドヴァラナウト、ウインマイティーが前走GⅡで4番人気以内。府中牝馬S組で人気より好走しているのはイズジョーノキセキ、クリノプレミアムの2頭。
前走着順データ
着順 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1着 | 1-2-2-28 | 3.0% | 15.2% |
2着 | 2-2-1-16 | 9.5% | 23.8% |
3着 | 3-0-3-13 | 15.8% | 31..6% |
4着 | 0-0-0-9 | 0.0% | 0.0% |
5着 | 1-2-1-9 | 7.7% | 30.8% |
6-9着 | 1-2-1-25 | 3.4% | 13.8% |
10着- | 0-0-0-15 | 0.0% | 0.0% |
GⅠ組は前走3着以内、GⅡ組は前走5着以内が目安になります。
前走GⅡ
- 5着以内【6-5-3-28】
- 6着以下【1-1-0-21】
アンドヴァラナウト、イズジョーノキセキ、ウインキートス、ウインマイティー、ウインマリリン、ジェラルディーナが前走GⅡで5着以内。
前走GⅠ
- 3着以内【1-1-3-10】
- 4着以下【0-1-1-11】
また前走GⅠで0.6秒差以上負けていると(0-0-0-10)。スタニングローズ、ナミュールが前走GⅠで3着以内。
エリザベス女王杯 データまとめ
買いデータ
★馬番2番
★当日1番人気+オークスで3着以内の実績がある馬
★当日6番人気以内のノーザンF生産馬
★前走GⅡで4番人気+5着以内
消しデータ
★関東馬
★5歳以上+エリザベス女王杯で6着以内に入った経験が無い馬
★前走オープン特別以下
★前走10着以下
エリザベス女王杯 予想
○イズジョーノキセキ
▲アカイイト
△デアリングタクト
△ジェラルディーナ
△ナミュール
スタニングローズはノーザンF生産馬で当日人気が予想される点、オークスでの好走実績を持つ点など全体的に強調要素が多め。キングカメハメハ産駒の牝馬はこのコースではあまり強調できませんが、母父デピュティミニスター系はクロノジェネシス、レイパパレなどコース成績○。3歳世代のレベルの高さからも引き続き期待できます。
イズジョーノキセキは府中牝馬Sではソダシを差し切る金星。想定10番人気前後の5歳馬ですが昨年格上挑戦ながら5着に好走しており、父エピファネイアに複勝率の高い母父キングカメハメハ+シアトルスルー、サドラー、ミスプロ持ちと血統的な裏付けもあります。ただし岩田康騎手が騎乗できないため騎手次第。
アカイイトは昨年の優勝がフロック視される部分もありますが、キズナ産駒の牝馬はとにかくコース相性抜群。前走内容は決して評価できませんが昨年と同じく府中牝馬Sをステップにしていること、牝馬にとっては数少ない2200mという舞台だけに前年の実績を持つことは素直に評価。
デアリングタクトは5歳馬で過去にエリザベス女王杯の出走経験が無い点は割引きですが、3冠馬なので過去の傾向はある程度度外視できます。オークス好走実績があるので当日1番人気なら買いやすく宝塚記念の好走実績もありますが、血統的には頭より2~3着候補。
ジェラルディーナはオールカマー1着、京都記念で4着に入っているように距離経験がある点は好材料。母父ディープは複勝率は高いものの2~3着が多いのでこちらも紐まで。
ナミュールは東京や外回りコースに比べると内回りのコーナリングに不安があり、秋華賞も4角で外に膨れるロス。それでも半馬身差まで詰めているので能力はトップクラスですが、勝負所での位置取りが鍵。