2022/4/17(日)
中山競馬場・芝2000m
過去8年分の皐月賞のデータを軸に、過去の好走馬の血統傾向や今年の登録馬のコース適性などを踏まえて注目馬をピックアップしています。
1週前予想なので回避馬・除外馬が含まれる場合があり、また枠順や馬体重など記事公開時には予想に反映できない要素もありますのでご了承ください。
皐月賞 登録馬
登録馬
予想人気(2週前)
2番人気 キラーアビリティ
3番人気 イクイノックス
4番人気 ダノンベルーガ
5番人気 オニャンコポン
参考:netkeiba.com
予想オッズでは朝日杯FS優勝馬で弥生賞では2着だったドウデュースが1番人気、ホープフルSを制したディープインパクト産駒キラーアビリティが2番人気。3番人気には東スポ杯を快勝し5か月振りとなるキタサンブラック産駒イクイノックスが推されています。
4番人気以下は回避の可能性もあるとのことですがキャリア1戦で共同通信杯を勝ったダノンベルーガ、京成杯を勝ったオニャンコポン、弥生賞を勝ったアスクビクターモア、共同通信杯で2着だったジオグリフあたり支持を集めていますが、この辺りまでは人気が割れています。
以下少し離れて若葉Sを3馬身差で逃げ切ったデシエルト、ホープフルSで2着だったジャスティンパレス、重賞を連戦しスプリングSで初重賞制覇となったビーアストニッシドなどが続きます。
皐月賞 コース&血統分析
中山芝2000mの特徴
中山芝2000mは内回りコースを使用し、直線入り口あたりからのスタート。コーナーまでの距離が十分にあることから1800mよりも位置争いが激しくなりますが、道中のペースは落ち着く傾向にあります。
最後の直線は310mで残り200mからは急坂が待ち構えています。パワーや小回り適性が必要なコースですが、路盤改修やエアレーション作業の影響で9月開催などは高速馬場になりやすい傾向があります。
皐月賞 父系統別データ
- ディープインパクト系【3-2-2-27】
- キングカメハメハ系【2-3-1-13】
- サンデーサイレンス系【1-0-3-18】
- ロベルト系【1-0-1-6】
- ステイゴールド系【1-0-0-9】
過去8年で2頭以上馬券に絡んだ種牡馬はディープインパクト(3-2-2-22)、キングカメハメハ(1-1-0-9)、ルーラーシップ(0-1-1-1)の3頭。ハーツクライ産駒は(0-1-0-12)とやや相性が悪く、2着に入ったのは2020年のサリオス。
皐月賞 母父系統別データ
- サンデーサイレンス系【2-3-1-20】
- ミスタープロスペクター系【1-0-0-15】
- ロベルト系【1-0-0-7】
- グレイソヴリン系【1-0-0-6】
- ボールドルーラー系【1-0-0-2】
- ストームキャット系【0-1-1-1】
母系は様々ですがミスプロ系や欧州型ノーザンダンサー系が好走しているのは道悪時。良馬場ではナスルーラ系が好調です。
また穴狙いならヒズマジェスティなどリボー系の血を持っている馬に注意。人気薄で好走したガロアクリーク、ジェネラーレウーノ、ダンビュライトや2020年17番人気4着のウインカーネリアンもこの血を引いていました。
近年はストームキャットやヌレイエフ、ミスプロ、トニービンを持つ馬も比較的目立ちますが、この辺りを持つ馬は元々多いのでそれほど気にしなくても良いかもしれません。
皐月賞 傾向データ①
枠順データ
枠順 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1枠 | 2-0-0-13 | 13.3% | 13.3% |
2枠 | 1-1-2-12 | 6.3% | 25.0% |
3枠 | 0-1-0-15 | 0.0% | 6.3% |
4枠 | 2-3-1-10 | 12.5% | 37.5% |
5枠 | 0-0-2-14 | 0.0% | 12.5% |
6枠 | 2-0-1-13 | 12.5% | 18.8% |
7枠 | 0-2-0-19 | 0.0% | 9.5% |
8枠 | 1-1-2-17 | 4.8% | 19.0% |
人気馬は内外どちらからでも好走可能。4枠7番は昨年のエフフォーリア、一昨年のサリオスなど5年連続で馬券に絡んでおり過去8年では(2-3-1-2)。
馬番データ
- 偶数馬番【4-1-5-58】
- 奇数馬番【4-7-3-55】
当日5番人気以下
- 1~4枠【1-0-1-37】
- 5~8枠【2-2-4-58】
当日5番人気以下は外寄りの成績が良く、内寄りから好走したエポカドーロ、ステラヴェローチェは次走日本ダービーでも3着以内に入っています。
皐月賞での馬番別のダービー成績
- 1~5番【6-3-1-13】
- 6~18番【0-4-4-39】
今回の予想には全く関係ない話ですが、皐月賞で馬番1~5番だった馬がダービーで非常に強いのが特徴。昨年はエフフォーリアが4枠7番で皐月賞を制しましたがダービーでは2着に敗れています。狙った馬が内に入ったら次のダービーを見据えてレースを見るのも一つの楽しみです。
脚質データ
脚質 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
逃げ | 0-1-1-9 | 0.0% | 18.2% |
先行 | 3-4-3-17 | 11.1% | 37.0% |
差し | 5-2-4-47 | 8.6% | 19.0% |
追込 | 0-1-0-40 | 0.0% | 2.4% |
レースの上がり5位以内が(8-6-5-25)と末脚勝負になりますが、ペースは前半から緩みなく流れスピードの持続力が求められます。
前走データでも触れますが、近年は前走1800mを使っていた馬やサリオス、ペルシアンナイト、ダノンキングリーのようにマイルで強い競馬をした馬が好走していることからも先行力やスピードが重要。
前走4角位置
- 4番手以内【6-5-6-62】
- 5番手以下【2-3-2-51】
前走重賞で4角4番手以内+1着だった馬は(5-3-5-13)で複勝率50%。アスクビクターモア、キラーアビリティ、ビーアストニッシドが該当します。
また前走4角5番手以下で優勝した2頭はディーマジェスティ、ドゥラメンテでどちらも前走は共同通信杯。共同通信杯を除くと(0-3-1-47)、2着の3頭は当日4番人気以内とかなり絞られます。
前走上がり3F
- 1位【4-4-3-37】
- 2~3位【2-1-1-35】
- 4~5位【2-3-2-20】
- 6位以下【0-0-2-21】
前走中山組は前走上がり順位による複勝率の差はありません。前走中山以外+上がり3位以下は(1-1-2-25)。好走したのはステラヴェローチェ、サリオス、アルアイン、ウインフルブルームと1800m以下・特にマイル重賞の実績馬。
前走上がり順位から割引きになるのはダンテスヴュー、デシエルト、ナニハサテオキ、メイショウラナキラ。
また共同通信杯で上がり2位以内だった馬が(4-0-1-5)でダノンベルーガが該当。
馬体重データ
馬体重 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
-439 | 0-0-0-1 | 0.0% | 0.0% |
440-459 | 0-0-1-14 | 0.0% | 6.7% |
460-479 | 3-2-1-41 | 6.4% | 12.8% |
480-499 | 3-3-3-28 | 8.1% | 24.3% |
500-519 | 2-2-3-21 | 7.1% | 25.0% |
520- | 0-1-0-8 | 0.0% | 11.1% |
460kg未満は割引き。また前走からプラス体重になる馬が苦戦しており、前走から馬体重の増減が無い馬が過去8年で5勝を挙げています。
前走との馬体重差
- +体重【0-1-3-32】
- 増減無【4-0-2-21】
- -体重【4-7-3-60】
前走時の馬体重差
- +体重【6-3-1-44】
- 増減無【1-1-1-23】
- -体重【1-4-6-45】
当日5番人気以内で見ると前走時-体重だと(0-3-1-8)、±0kg以上だと(5-3-2-18)。複勝率は変わりませんが、人気馬は前走時±0kg以上、今回±0kg以下になる馬が狙い目です。
有力馬で前走時±0kg以上だったのはドウデュース、イクイノックス、ダノンベルーガ、ジオグリフあたり。
皐月賞 傾向データ②
人気データ
人気 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1番人気 | 2-1-1-4 | 25.0% | 50.0% |
2番人気 | 2-1-0-5 | 25.0% | 37.5% |
3番人気 | 1-2-1-4 | 12.5% | 50.0% |
4-6番人気 | 0-2-2-20 | 0.0% | 16.7% |
7-9番人気 | 3-2-3-16 | 12.5% | 33.3% |
10番人気- | 0-0-1-64 | 0.0% | 1.5% |
過去8年で最も複勝率が高いのは8番人気馬で(1-1-3-3)。タイトルホルダー、ガロアクリーク、ジェネラーレウーノのように前走で重賞を勝っていながら評価が低い馬に注意。
また当日3番人気以内は距離延長組が(3-2-2-5)、2000m組が(2-2-0-7)と距離延長組が優勢。
所属データ
所属 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
美浦 | 4-2-3-41 | 8.0% | 18.0% |
栗東 | 4-6-5-72 | 4.6% | 17.2% |
当日3番人気以内だと関東馬が(3-1-1-3)、関西馬は(2-3-1-10)と関東馬優勢。
また関東馬は当日4番人気以下だと(1-1-2-38)ですが、好走した4頭は全て8番人気馬でした。
キャリアデータ
キャリア | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
-2戦 | 0-0-0-5 | 0.0% | 0.0% |
3戦 | 3-3-3-14 | 13.0% | 39.1% |
4戦 | 3-2-3-31 | 7.7% | 20.5% |
5戦 | 2-3-1-25 | 6.5% | 19.4% |
6戦- | 0-0-1-38 | 0.0% | 2.6% |
キャリア3戦で好走した9頭中8頭は無敗の重賞勝ち馬。例外は2015年のリアルスティールですがこちらは2戦目で重賞勝ち。
また当日4番人気以下はキャリア4~5戦が(3-4-4-48)、それ以外だと(0-0-2-52)と3着止まりです。
騎手データ
- 継続騎乗【6-5-5-60】
- 乗り替わり【2-3-3-53】
乗り替わりはノーザンF生産馬だと(2-2-2-22)、他生産馬は(0-1-1-31)。ノーザンF生産馬以外で好走した2頭はキタサンブラック、タイトルホルダーでどちらも同年の菊花賞を制しています。
有力馬ではダノンベルーガ、ジオグリフ、ジャスティンパレス、ビーアストニッシドが乗り替わり想定。ダノンベルーガ、ジオグリフ、ジャスティンパレスはノーザンF生産馬です。
生産者データ
- ノーザンF【4-5-3-42】
ノーザンF生産馬は当日マイナス体重で(4-4-1-19)、±0kg以上で(0-1-2-23)。±0kg以上で好走したマカヒキ、サトノダイヤモンド、ステラヴェローチェは日本ダービーでも3着に入っています。
イクイノックス、キラーアビリティ、ジオグリフ、ジャスティンパレス、ダノンベルーガ、ダンテスヴュー、デシエルト、ドウデュースがノーザンF生産馬。
皐月賞 前走データ
前走クラスデータ
クラス | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
GⅠ | 2-1-0-1 | 50.0% | 75.0% |
GⅡ | 1-5-3-51 | 1.7% | 15.0% |
GⅢ | 5-1-4-27 | 13.5% | 27.0% |
オープン | 0-1-1-25 | 0.0% | 7.4% |
1勝 | 0-0-0-8 | 0.0% | 0.0% |
近年は1800m組の勝率が高く、特に共同通信杯組が過去8年で4勝を挙げています。前走2000mで優勝しているのはサートゥルナーリア、コントレイルといずれもホープフルS優勝馬。
主な前走
- 共同通信杯【4-0-2-8】
- ホープフルS【2-0-0-0】
- スプリングS【1-1-2-25】
- 毎日杯【1-0-0-6】
- 弥生賞【0-4-1-25】
- 若葉S【0-1-1-14】
- 朝日杯FS【0-1-0-1】
前走距離
- 1600m【0-2-0-2】
- 1800m【6-1-5-48】
- 2000m【2-5-3-47】
- 2200m【0-0-0】
- 2400m【0-0-0-0】
前走場所
- 東京【4-0-2-9】
- 中山【3-5-4-61】
- 京都【0-0-1-5】
- 阪神【1-3-1-33】
- 中京【0-0-0-5】
前走人気データ
人気 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1番人気 | 4-5-4-26 | 10.3% | 33.3% |
2番人気 | 1-1-0-19 | 4.8% | 9.5% |
3番人気 | 1-0-1-15 | 5.9% | 11.8% |
4番人気 | 1-1-0-15 | 5.9% | 11.8% |
5番人気 | 0-1-2-9 | 0.0% | 25.0% |
6-9番人気 | 1-0-1-26 | 3.6% | 7.1% |
10番人気- | 0-0-0-3 | 0.0% | 0.0% |
前走重賞で1番人気+1着だった馬は(3-3-2-6)複勝率57.1%。また前走3番人気以下を狙うなら共同通信杯で1着だった馬か弥生賞・スプリングS組。
前走中山
- 3番人気以内【3-3-1-32】
- 4番人気以下【0-2-3-29】
前走4番人気以下で好走したのはタイトルホルダーやダンビュライトなど前走4角5番手以内だった逃げ・先行馬。アスクビクターモア、キラーアビリティ、ドウデュースが前走中山で3番人気以内。
前走中山以外
- 2番人気以内【3-3-3-22】
- 3番人気以下【2-0-1-30】
前走中山以外で3番人気以下だった馬は割引き。好走した3頭はエフフォーリア、ダノンキングリー、ディーマジェスティと3頭全て共同通信杯で優勝しています。
ダノンベルーガは前走3番人気だった共同通信杯で優勝、ダンテスヴュー、ナニハサテオキ、メイショウラナキラが前走中山以外で3番人気以下。
前走着順データ
着順 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1着 | 6-6-5-42 | 10.2% | 28.8% |
2着 | 2-1-1-23 | 7.4% | 14.8% |
3着 | 0-0-1-19 | 0.0% | 5.0% |
4着 | 0-1-0-8 | 0.0% | 11.1% |
5着 | 0-0-1-4 | 0.0% | 20.0% |
6-9着 | 0-0-0-15 | 0.0% | 0.0% |
10着- | 0-0-0-2 | 0.0% | 0.0% |
好走馬はほぼ前走2着以内。3着以下で好走したうちダンビュライト、サンリヴァルは前走弥生賞。ステラヴェローチェは前走共同通信杯で57kgを背負っていました。
前走タイム差(1着)
- 0.3秒差以上【1-3-1-11】
- 0.1~0.2秒差【5-1-3-17】
- タイム差無し【0-2-1-14】
前走を0.1~0.2秒差で勝っていた馬の勝率が高く、前走を0.3秒差以上で勝ち皐月賞でも優勝したのは昨年のエフフォーリア。
前走タイム差(2着以下)
- 0.2秒差以内【2-1-1-28】
- 0.3秒差以上【0-1-2-43】
皐月賞 データまとめ
買いデータ
★4枠7番
★前走重賞で4角4番手以内+1着
★前走共同通信杯で上がり2位以内
★当日8番人気の関東馬
★前走重賞勝ち+キャリア3戦全勝
★前走重賞で1番人気+1着
消しデータ
★前走共同通信杯以外で4角5番手以下(当日4番人気以内を除く)
★馬体重460kg未満
★当日プラス体重
★ノーザンF生産馬以外で乗り替わり
★前走中山以外で3番人気以下(共同通信杯組を除く)
皐月賞 予想
○ドウデュース
▲ジオグリフ
△キラーアビリティ
△アスクビクターモア
△デシエルト
ダノンベルーガはキャリア2戦が不安要素ですが今年はキャリア・ローテ共に完璧というタイプがいないため、優勝馬が多い共同通信杯優勝からのローテ・レース内容を評価。ハーツクライ産駒は相性が悪いレースですが、過去出走したハーツ産駒に比べると母系は割とスピード寄りの血統が多いためそれほど割り引く必要は無さそうです。
ドウデュースは近年勝ち切れない弥生賞組ですが、戦績的にはサリオスに近く母系からもスピード勝負の皐月賞への適性はありそうです。ノーザンF生産馬でデビュー以来武豊騎手とのコンビを継続していることなど有力馬の中では比較的割引き要素は少なく、武豊騎手も今年のGⅠで好調なのは好材料。
ジオグリフはダノンベルーガと同じく共同通信組で前走は57kgを背負い2着と内容は悪くありませんでした。ドレフォン産駒の牡馬は芝ではマイルより中距離の方が結果を残しており、キャリアを見ても1800mでの成績の良さから皐月賞は合いそうです。
キラーアビリティはサートゥルナーリアやコントレイルと同じホープフルS優勝からの直行ローテ。ディープ産駒に前走重賞を4角好位から優勝など前走内容だけを見れば問題ありません。ただ近年1600~1800m重賞実績馬が好走しやすい傾向を考えると微妙なズレも感じます。
アスクビクターモアも同じくディープ産駒で前走弥生賞を4角好位から優勝と強調要素はキラーアビリティに近いものの、弥生賞組なので相手までが妥当。最後にジオグリフと似た配合で前走若葉Sの逃げ切りが非常に鮮やかだったデシエルト。