2022/10/30(日)
東京競馬場・芝2000m
過去8年分の天皇賞・秋のデータを軸に、過去の好走馬の血統傾向や今年の登録馬のコース相性などを踏まえて注目馬をピックアップしています。
2週前予想なので回避馬・除外馬が含まれる場合があり、また枠順や馬体重など記事公開時には予想に反映できない要素もありますのでご了承ください。
天皇賞・秋 登録馬
登録馬
予想人気(2週前)
2番人気 ジャックドール
3番人気 シャフリヤール
4番人気 ダノンベルーガ
5番人気 ジオグリフ
参考:netkeiba.com
2週前の予想オッズでは皐月賞・ダービー2着の3歳馬イクイノックスが1番人気に推されています。2番人気は年始の白富士Sは1.57.4で逃げ切り勝ち、今年重賞2勝のジャックドール、3番人気は昨年のダービー馬で今年ドバイSCを制しているシャフリヤール。
以下ダービーでは1番人気に推されるも4着だったダノンベルーガ、今年の皐月賞馬ジオグリフ、今年のドバイターフの勝ち馬パンサラッサあたりが支持を集めており、他には小倉記念を圧勝したマリアエレーナ、大阪杯優勝馬ポタジェなどが続きます。
天皇賞・秋 コース&血統分析
東京芝2000mの特徴
東京芝2000mは1コーナー奥のポケットからスタート。2コーナーに進入するまでの距離が短いため外枠が不利なコース形態となっています。特に多頭数の場合外枠に入った逃げ・先行馬は苦戦傾向。
直線の瞬発力が求められるコースですが、開幕直後は芝丈が長い場合もありイメージ以上にタフさやスタミナが要求されることもあります。
天皇賞・秋 父系統別データ
- キングカメハメハ系【4-0-1-16】
- ロベルト系【2-0-0-1】
- ディープインパクト系【1-7-2-41】
- サンデーサイレンス系【1-0-2-15】
- ノーザンダンサー系【0-1-0-2】
エフフォーリア、アーモンドアイ、レイデオロと近年は非サンデー系の優勝が多く、ディープ産駒は2着が7回と非常に多いのが特徴。
ディープ産駒を細かく見ると当日5番人気以内が(1-5-1-14)、4歳馬が(0-5-0-11)、キャリア15戦以下が(1-6-1-22)、母父ノーザンダンサー系が(0-5-1-18)。
天皇賞・秋 母父系統別データ
- サンデーサイレンス系【3-0-1-17】
- ミスタープロスペクター系【1-2-0-15】
- ロベルト系【1-1-0-4】
- サドラーズウェルズ系【1-0-0-1】
- デピュティミニスター系【0-2-3-12】
母系は様々ですが、米国型ノーザンダンサー系は(0-4-3-25)と2~3着止まり。またエフフォーリア、キタサンブラック、モーリス、レイデオロ、さらにディープ産駒で唯一優勝したスピルバーグと母系にリファールを持つ優勝馬が目立ちます。
ディープ産駒の2着が多いことからも近年の連対馬はリファール持ちが多数という結果に。今年は登録15頭中10頭がリファール持ちでこれを持たないのはカラテ、ジオグリフ、パンサラッサ、ユーバーレーベン、レッドガランの5頭。
天皇賞・秋 傾向データ①
枠順データ
枠順 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1枠 | 1-3-0-9 | 7.7% | 30.8% |
2枠 | 1-0-0-13 | 7.1% | 7.1% |
3枠 | 1-0-1-12 | 7.1% | 14.3% |
4枠 | 3-0-1-11 | 20.0% | 26.7% |
5枠 | 1-2-1-12 | 6.3% | 25.0% |
6枠 | 0-1-1-13 | 0.0% | 13.3% |
7枠 | 1-2-2-14 | 5.3% | 26.3% |
8枠 | 0-0-2-17 | 0.0% | 10.5% |
近年はフルゲート割れする事も多く、馬番で見ると真ん中から内寄りの4~9番あたりに好走馬が固まっています。過去8年では馬番10番以降は(0-2-4-48)と1着が無く、2着に入った2頭は父ディープ×母父米国型ノーザンダンサー系のリアルスティール、ステファノス。
馬番データ
- 偶数馬番【5-4-4-48】
- 奇数馬番【3-4-4-53】
馬番では9番が(1-2-1-4)、8番が(2-0-1-4)。また当日6番人気以下は偶数馬番が(0-2-4-37)、奇数馬番が(0-0-1-41)と偶数馬番優勢です。
ディープインパクト産駒
- 1~4枠【1-2-0-22】
- 5~8枠【0-5-2-18】
ディープ産駒は外枠の方が好走数が多く、内枠から好走したのはコントレイル、ジェンティルドンナ、スピルバーグの3頭。
前走時の枠順(前走東京以外)
- 1~4枠【1-1-1-36】
- 5~8枠【3-4-2-26】
また前走が東京以外だった馬は前走の枠順が5~8枠だった馬が好成績。1~4枠から好走したイスラボニータ、サングレーザー、ラブリーデイは同年に2000mの重賞勝ちの実績がありました。
前走東京以外で1~4枠、かつ今年2000mの重賞勝ちの実績が無いのはパンサラッサ。
脚質データ
脚質 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
逃げ | 0-0-2-6 | 0.0% | 25.0% |
先行 | 4-3-2-22 | 12.9% | 29.0% |
差し | 4-4-2-41 | 7.8% | 19.6% |
追込 | 0-1-2-31 | 0.0% | 8.8% |
マクリ | 0-0-0-1 | 0.0% | 0.0% |
直近4年は1分58秒を切る決着で12秒を切るラップが淡々と続くレースです。流れに乗れないと直線だけで追い込むのは厳しく、不良馬場で行われた2017年を除くと近年はマイル実績馬の好走が目立ちます。
前走4角位置
- 4番手以内【1-2-3-42】
- 5番手以下【7-6-5-56】
前走4角5番手以下の連対率が高く、当日5番人気以内に絞ると(7-5-2-12)。またここから前走上がり3位以内が(7-2-1-7)、4位以下は(0-3-1-5)となります。有力馬ではイクイノックス、ダノンベルーガが前走4角5番手以下+上がり3位以内。
また前走4角4番手以内から好走した6頭は全てGⅠ馬でした。これを満たさないのはジャックドール、バビット、マリアエレーナ。
前走上がり3F
- 3位以内【7-3-2-34】
- 4位以下【1-5-6-64】
前走上がり4位以下で優勝したのは2017年のキタサンブラックで、この年は台風の影響で優勝タイムが2.08.3という超不良馬場でした。昨年のコントレイルも前走上がり4位以下で2着に敗れています。
前走上がり3位以内はイクイノックス、カラテ、ダノンベルーガ、ノースブリッジ、マリアエレーナ、ユーバーレーベンの6頭。
馬体重データ
馬体重 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
-439 | 0-0-0-1 | 0.0% | 0.0% |
440-459 | 0-0-1-10 | 0.0% | 9.1% |
460-479 | 0-5-3-22 | 0.0% | 26.7% |
480-499 | 4-1-2-40 | 8.5% | 14.9% |
500-519 | 3-2-2-24 | 9.7% | 22.6% |
520- | 1-0-0-4 | 20.0% | 20.0% |
過去8年の優勝馬はいずれも480kg以上。また480kg未満で2着に入った5頭は全てディープ産駒です。ディープ産駒以外で前走時の馬体重が480kg未満だったのはバビット、パンサラッサ、マリアエレーナの3頭。
前走との馬体重差
- +体重【3-4-2-38】
- 増減無【1-0-4-11】
- -体重【3-4-2-38】
前走時の馬体重差
- +体重【5-6-6-48】
- 増減無【0-0-1-16】
- -体重【1-0-1-32】
前走時に±0kg以下だった馬の成績が悪く、好走した3頭はいずれもGⅠ馬。イクイノックス、カデナ、カラテ、ジオグリフ、ダノンベルーガ、パンサラッサ、マリアエレーナ、ユーバーレーベンが前走時±0kg以下。
天皇賞・秋 傾向データ②
人気データ
人気 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1番人気 | 5-1-1-1 | 62.5% | 87.5% |
2番人気 | 1-2-2-3 | 12.5% | 62.5% |
3番人気 | 1-1-0-6 | 12.5% | 25.0% |
4-6番人気 | 1-2-4-17 | 4.2% | 29.2% |
7-9番人気 | 0-1-0-23 | 0.0% | 4.2% |
10番人気- | 0-1-1-51 | 0.0% | 3.8% |
1番人気馬は堅実で2番人気も近年は安定しています。単勝オッズ3.9倍以内だと(7-1-2-2)ですが、4.0~9.9倍は(0-4-1-12)。近年は6番人気以内で決まることが多く、7番人気以下で好走した3頭は海外含めGⅠ連対実績がありました。
また当日2番人気以内の関東馬は(4-1-2-0)複勝率100%。有力馬ではイクイノックス、ダノンベルーガ、ジオグリフが関東馬。
当日6番人気以下
- 前走東京【0-2-4-23】
- 前走東京以外【0-0-1-52】
また人気薄は前走東京組が大半。唯一東京以外で3着に入ったのは2017年のレインボーライン(前走宝塚記念)なので、良馬場なら前走東京組のみ抑えればいいかと思います。
所属データ
所属 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
美浦 | 6-2-4-33 | 13.3% | 26.7% |
栗東 | 2-6-4-68 | 2.5% | 15.0% |
人気で触れたように当日2番人気以内の関東馬は堅実。ただし騎手は関東騎手が(2-2-2-39)に対して関西騎手が(5-5-6-53)。関東騎手の3着以内6回中3回は戸崎騎手です。
馬齢データ
馬齢 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
3歳 | 1-0-1-6 | 12.5% | 25.0% |
4歳 | 2-5-4-23 | 5.9% | 32.4% |
5歳 | 5-3-3-30 | 12.2% | 26.8% |
6歳- | 0-0-0-42 | 0.0% | 0.0% |
過去8年では6歳以上は全て4着以下。また過去8年では3歳で好走したのはエフフォーリア、イスラボニータとどちらも皐月賞馬。それ以前はフェノーメノ、ペルーサとGⅠ未勝利馬も好走しています。
毛色データ
- 鹿毛【7-4-3-43】
- 黒鹿毛【1-1-3-24】
- 青鹿毛【0-3-0-7】
- 芦毛【0-0-2-4】
- 栗毛【0-0-0-22】
騎手データ
- 継続騎乗【6-4-6-59】
- 乗り替わり【2-4-2-42】
過去8年では乗り替わりで優勝したのはモーリス、ラブリーデイと当日1番人気馬。
生産者データ
- ノーザンF【5-5-5-39】
ノーザンF生産馬は当日3番人気以内で(5-2-2-5)、4番人気以下は(0-3-3-34)。またノーザンF生産馬で好走したのは全てGⅠ連対実績(海外含む)を持つ馬です。
イクイノックス、シャフリヤール、ジオグリフ、ダノンベルーガ、ポタジェがノーザンF生産馬。ダノンベルーガ以外はGⅠ連対実績があります。
天皇賞・秋 前走データ
前走クラスデータ
クラス | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
GⅠ | 4-6-3-18 | 12.9% | 41.9% |
GⅡ | 4-2-5-70 | 4.9% | 13.6% |
GⅢ以下 | 0-0-0-10 | 0.0% | 0.0% |
海外 | 0-0-0-3 | 0.0% | 0.0% |
ローテの敷居が高いレースで、前走GⅢ以下で好走したのは2007年3着のカンパニーまで遡ります。カデナ、カラテ、マリアエレーナが前走GⅢ。
主な前走
- 安田記念【2-2-1-3】
- 宝塚記念【1-2-2-11】
- 毎日王冠【1-1-4-31】
- 札幌記念【1-1-0-12】
- オールカマー【1-0-0-13】
- 京都大賞典【1-0-0-10】
- 日本ダービー【1-0-0-1】
前走距離
- 1600m【2-2-1-4】
- 1800m【1-1-4-35】
- 2000m【1-2-0-21】
- 2200m【2-2-3-24】
- 2400m【2-0-0-13】
- 3200m【0-1-0-3】
前走場所
- 東京【4-3-5-36】
- 中山【1-0-0-10】
- 京都【1-1-0-10】
- 阪神【1-3-2-16】
- 札幌【1-1-0-14】
前走人気データ
人気 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1番人気 | 4-2-2-13 | 29.2% | 45.8% |
2番人気 | 0-3-3-8 | 0.0% | 42.9% |
3番人気 | 0-2-0-17 | 0.0% | 10.5% |
4番人気 | 0-0-0-12 | 0.0% | 0.0% |
5番人気 | 1-0-0-9 | 10.0% | 10.0% |
6-9番人気 | 0-1-3-25 | 0.0% | 13.8% |
10番人気- | 0-0-0-14 | 0.0% | 0.0% |
前走レース関係なく買えるのは前走2番人気以内。前走3番人気以下になると宝塚記念組か毎日王冠組しか好走馬がおらず、近年は前走下位人気で買えるのはほぼ毎日王冠組です。
また前走GⅠで1番人気だった馬は(4-2-1-1)と堅実。ダノンベルーガが前走日本ダービーで1番人気でした。
前走3番人気以下
- 宝塚記念・毎日王冠【1-3-3-36】
- その他のレース【0-0-0-41】
アブレイズ、カデナ、カラテ、ジオグリフ、ジャックドール、バビット、ユーバーレーベン、レッドガランが宝塚記念・毎日王冠以外で3番人気以下でした。
前走着順データ
着順 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1着 | 2-3-2-17 | 8.3% | 29.2% |
2着 | 3-0-2-12 | 17.6% | 29.4% |
3着 | 2-1-2-13 | 11.1% | 27.8% |
4着 | 0-0-0-13 | 0.0% | 0.0% |
5着 | 0-0-2-4 | 0.0% | 33.3% |
6-9着 | 1-2-0-26 | 3.4% | 10.3% |
10着- | 0-2-0-16 | 0.0% | 111.1% |
前走人気と近く、前走レースを気にせず抑えられるのは前走3着以内。前走4着以下からの好走は宝塚記念か毎日王冠組が多いのが特徴です。
前走4着以下
- 宝塚記念・毎日王冠【1-2-2-30】
- その他のレース【0-2-0-31】
宝塚記念、毎日王冠以外で4着以下から巻き返したのは2019年のダノンプレミアムと2016年のリアルスティールでどちらも安田記念。この2頭は安田記念で2番人気で10着以下に大敗していました。
アブレイズ、カデナ、シャフリヤール、ジオグリフ、ダノンベルーガ、バビット、ユーバーレーベン、レッドガランが宝塚記念・毎日王冠以外で4着以下。
天皇賞・秋 データまとめ
買いデータ
★当日3番人気以内+前走4角5番手以下
★単勝オッズ3.9倍以内、または当日2番人気以内の関東馬
★ノーザンF生産馬(当日3番人気以内、GⅠ連対実績あり)
★前走GⅠで1番人気
消しデータ
★前走東京以外で1~4枠
★前走4角4番手以内(GⅠ馬を除く)
★前走時の馬体重が±0kg以下
★6歳以上、または前走GⅢ以下
★前走宝塚記念・毎日王冠以外で3番人気+4着以下
天皇賞・秋 予想
○シャフリヤール
▲ジャックドール
△ポタジェ
△ジオグリフ
イクイノックスは前走日本ダービーでは4角後方から上がり最速で2着。ダービーからの直行ローテは少ないものの昨年のエフフォーリアがこのローテで優勝しており、前走内容としては問題ありません。人気が予想される関東馬であること、コース勝率30%台のルメール騎手、母系にリファールを持つ点など全体的にプラス要素が多めです。
シャフリヤールは前走海外なので前走関連のデータからは外れますが、2着が多いディープ産駒の4歳馬。小柄な馬なので国内では初となる58kgは不安要素ですが、全兄アルアインという血統や毎日杯のラップからも舞台設定は○。藤原厩舎もここ1番での仕上げには定評があり、Cデムーロ騎手の継続騎乗となる点もプラス。
ジャックドールはGⅠ未勝利や前走人気など割引き要素もありますが前走札幌記念で優勝、また昨秋から春にかけて左回りで5連勝。2月の白富士Sも1.57.4で逃げ切っており、東京替わりは歓迎。また有力馬の中では前走時プラス体重であること、藤岡厩舎も近年コース成績が良い点などが強調できます。
今年はダービー組の3歳馬など近年例が少ないローテが多い中、ポタジェは毎日王冠を叩いての出走。斤量58kgということもあり着順については度外視。ディープ×母父デピュティミニスター系という血統など2~3着候補としては有力です。
ジオグリフはノーザンF生産馬で皐月賞勝ちの実績があるの人気薄でも抑えられますが、前走内容や血統からは上位に比べるとやや割引きでポタジェと同じく2~3着候補。
他ではパンサラッサはコーナリングで突き放すタイプだけに、コーナー4つの右回りに比べると東京では不安があります。ダノンベルーガは皐月賞も直前まで出走未定だったように春に無理をした感があり、春2冠の内容からもここでは評価は厳しく本格化は来年か。