2023/4/30(日)
京都競馬場・芝3200m
過去8年分の天皇賞・春のデータを軸に、過去の好走馬の血統傾向や今年の登録馬のコース相性などを踏まえて注目馬をピックアップしています。
2週前予想なので回避馬・除外馬が含まれる場合があり、また枠順や馬体重など記事公開時には予想に反映できない要素もありますのでご了承ください。
※血統・枠順などのコースデータは京都開催時のデータ(2013~2020年)を集計しています。
天皇賞・春 登録馬
登録馬
予想人気(2週前)
2番人気 ジャスティンパレス
3番人気 ボルドグフーシュ
4番人気 シルヴァーソニック
5番人気 アスクビクターモア
参考:netkeiba.com
予想オッズでは一昨年の菊花賞、昨年の天皇賞・春を共に圧勝しているタイトルホルダーが1番人気。2番人気は昨年の菊花賞3着馬で前走阪神大賞典を快勝したジャスティンパレス、3番人気は菊花賞・有馬記念・阪神大賞典で2着のボルドグフーシュが推されています。
4番人気以下はステイヤーズS、サウジのレッドシーターフHを連勝しているシルヴァーソニック、昨年の菊花賞馬アスクビクターモア、天皇賞・春で2年連続2着のディープボンド、大阪杯4着のマテンロウレオなどが続きます。
天皇賞・春 コース&血統分析
京都芝3200mの特徴
京都芝3200mは天皇賞・春でのみ使用されるコースです。菊花賞はスタートから上り坂ですが天皇賞・春ではスタートはほぼ平坦となっています。
長距離、また4角の角度が急な外回りコースなので人気薄はどちらかと言えば真ん中から内寄りに好走馬が多いのが特徴です。
父系統別データ
- ステイゴールド系【4-1-1-12】
- ディープインパクト系【2-2-2-17】
- サンデーサイレンス系【2-0-2-24】
- ハーツクライ系【0-5-2-14】
- ハンプトン系【0-0-1-1】
ステイゴールド、ディープインパクト、ハーツクライ産駒で(6-8-4-29)と3着内の大半を占めます。いずれも種牡馬を引退済で産駒は減っていますが他好走馬を見てもやはりサンデー系が中心。
阪神開催の昨年はタイトルホルダー、テーオーロイヤルとキングカメハメハ系が好走しましたが京都開催時の8年間では全滅。非サンデー系ではユーキャンスマイル、キセキ、ゴールドアクターが人気に推されましたがいずれも4着以下に敗れています。
母父系統別データ
- ニジンスキー系【2-0-0-5】
- ダンジグ系(欧)【2-0-0-1】
- プリンスリーギフト系【2-0-0-0】
- デピュティミニスター系【1-0-0-5】
- ミスタープロスペクター系【0-3-1-6】
- ボールドルーラー系【0-1-1-2】
父サンデー系が圧倒的ということもあり母父サンデー系は(0-0-0-25)。欧州型ノーザンダンサー系の勝率が高く、ミスプロ系も勝ち切れないものの複勝率は優秀です。
長距離なのでノーザンダンサーのクロス持ち、また改修前の2019~2020年はスティッフェリオ、グローリーヴェイズなどノーザンテーストを持つ馬が人気以上に好走しています。
血統表を見てもダンジグやヌレイエフ、ニジンスキーなどノーザンダンサー系の血を3代目までに持つ馬の好走が目立ちます。
天皇賞・春 傾向データ①
枠順データ
枠順 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1枠 | 2-1-1-10 | 14.3% | 28.6% |
2枠 | 1-1-0-12 | 7.1% | 14.3% |
3枠 | 1-1-1-12 | 6.7% | 20.0% |
4枠 | 1-1-3-10 | 6.7% | 33.3% |
5枠 | 0-1-0-15 | 0.0% | 6.3% |
6枠 | 1-2-1-12 | 6.3% | 25.0% |
7枠 | 1-1-1-16 | 5.3% | 15.8% |
8枠 | 1-0-1-20 | 4.5% | 9.1% |
当日3番人気以内の人気馬なら枠順不問、4番人気以下・穴馬を狙うなら内寄りまたは1桁馬番です。
馬番データ
- 偶数馬番【4-4-5-50】
- 奇数馬番【4-4-3-57】
馬番では6番が(1-2-1-4)、1番が(2-1-0-5)、8番が(0-0-3-5)。
馬番データ(当日4番人気以下)
- 1~8番【1-4-5-40】
- 9~18番【0-1-1-57】
当日4番人気以下+馬番9番以降は大幅に割引き。好走したのはフェイムゲームと外国馬レッドカドー。
脚質データ
脚質 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
逃げ | 1-0-0-7 | 12.5% | 12.5% |
先行 | 3-6-4-15 | 10.7% | 46.4% |
差し | 3-2-4-51 | 5.0% | 15.0% |
追込 | 0-0-0-32 | 0.0% | 0.0% |
マクリ | 1-0-0-2 | 33.3% | 33.3% |
長距離なので表はあまり参考になりません。人気薄は序盤から先行し粘る形での好走が比較的多く、人気馬は序盤中団から4角で先団まで押し上げていく形が目立ちます。
前走4角位置
- 4番手以内【7-4-4-49】
- 5番手以下【1-4-3-57】
前走でも4角好位だった馬の成績が良く、前走4角5番手以下で優勝したのは2019年のフィエールマンで当日1番人気。アイアンバローズ、アスクビクターモア、エンドロール、サンレイポケット、トーセンカンビーナ、ヒュミドール、ブレークアップ、メロディーレーンが前走4角5番手以下。
前走上がり3F
- 1位【4-3-2-14】
- 2~3位【0-2-2-33】
- 4~5位【1-1-2-19】
- 6位以下【3-2-1-40】
阪神大賞典で上がり1位+1着だと(2-0-2-2)、日経賞で上がり1位+1着だと(1-1-0-2)。ジャスティンパレス、タイトルホルダーが該当します。
馬体重データ
馬体重 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
-439 | 0-0-0-2 | 0.0% | 0.0% |
440-459 | 1-4-2-11 | 5.6% | 38.9% |
460-479 | 0-3-3-21 | 0.0% | 22.2% |
480-499 | 4-0-2-46 | 7.7% | 11.5% |
500-519 | 1-0-1-20 | 4.5% | 9.1% |
520- | 2-1-0-7 | 20.0% | 30.0% |
勝ち切っているのは480kg以上の馬格のある馬が多いものの小柄な馬も2~3着に入ることが多く、特に460kg未満は2020年11番人気2着のスティッフェリオ、2016年13番人気2着のカレンミロティックなど大穴の好走もあり複回値は優秀です。
特にハーツクライ産駒は480kg未満が(0-4-2-8)、480kg以上が(0-1-0-6)と小柄な馬に好走馬が目立ちます。今年はマテンロウレオがハーツクライ産駒で前走時476kg。
前走との馬体重差
- +体重【4-2-1-38】
- 増減無【2-3-3-18】
- -体重【2-3-3-50】
関東馬は±0kg以上だと(4-2-1-6)、マイナス体重だと(0-0-1-17)。人気馬に±0kg以上だった馬が多かった影響もありますが、今年も同じような馬がいれば注意。アスクビクターモア、エンドロール、タイトルホルダー、トーセンカンビーナ、ヒュミドールが関東馬。
天皇賞・春 傾向データ②
人気データ
人気 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1番人気 | 3-3-0-2 | 37.5% | 75.0% |
2番人気 | 4-0-1-3 | 50.0% | 62.5% |
3番人気 | 1-0-1-6 | 12.5% | 25.0% |
4-6番人気 | 0-2-4-18 | 0.0% | 25.0% |
7-9番人気 | 0-1-1-21 | 0.0% | 8.7% |
10番人気- | 0-2-1-55 | 0.0% | 5.2% |
過去8年の優勝馬はいずれも当日3番人気以内。当日4番人気以内は(8-4-6-14)と安定していますが2~3着に人気薄が入ることもあり、馬体重データで触れたように比較的小柄な穴馬がよく馬券に絡んでいます。
所属データ
所属 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
美浦 | 3-2-2-27 | 8.8% | 20.6% |
栗東 | 5-6-6-78 | 5.3% | 17.9% |
タイトルホルダーやフィエールマン、グローリーヴェイズ、ミッキースワローと関東の牡馬で好走しているのは菊花賞で掲示板前後に来ていた馬。アスクビクターモア、タイトルホルダーは菊花賞優勝馬です。
馬齢データ
馬齢 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
4歳 | 3-2-4-22 | 9.7% | 29.0% |
5歳 | 4-3-1-33 | 9.8% | 19.5% |
6歳 | 1-2-1-25 | 3.4% | 13.8% |
7歳- | 0-1-2-25 | 0.0% | 10.7% |
4~5歳の成績が良く、6歳で優勝したのはゴールドシップ。また4歳馬で優勝した3頭はいずれも前年の菊花賞馬、2~3着に入った6頭も年明け以降の重賞勝ちの実績がありました。
4歳馬ではアスクビクターモアが昨年の菊花賞馬、ジャスティンパレスが前走阪神大賞典で優勝、エンドロール、ボルドグフーシュ、マテンロウレオは年明け以降の重賞勝ちはありません。
騎手データ
- 継続騎乗【5-4-4-63】
- 乗り替わり【3-4-4-42】
継続騎乗は前走2着以内で(5-4-4-24)、3着以下で(0-0-0-38)と好走しているのは前走2着以内。アフリカンゴールド、ディープボンド、ディアスティマ、ブレークアップ、マテンロウレオが前走3着以下で継続騎乗想定。
乗り替わりは前走4着以内で(3-2-4-18)、5着以下で(0-2-0-24)と継続騎乗組に比べると前走着順に幅はありますが、5着以下で巻き返したカレンミロティック、シュヴァルグランは同じ騎手とのコンビでGⅠで連対した実績がありました。今年はヒュミドールのみが前走2着以内で乗り替わり想定。
生産者データ
- ノーザンF【4-4-5-40】
ノーザンF生産馬で馬券に絡んでいるのは父サンデー系のみで、アリストテレスやユーキャンスマイルなど非サンデー系は人気馬でも4着以下に敗れています。アイアンバローズ、ジャスティンパレス、ディアスティマがノーザンF生産馬でいずれも父サンデー系です。
今年から斤量ルールが変わるので前走時55kg以下は少なくなると思いますが、前走55kg以下の牡馬で好走したのはテーオーロイヤル、グローリーヴェイズ、シュヴァルグランと前走で重賞を勝っている馬。
天皇賞・春 前走データ
前走クラスデータ
クラス | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
GⅠ | 2-1-0-4 | 28.6% | 42.9% |
GⅡ | 6-6-7-77 | 6.3% | 19.8% |
GⅢ | 0-1-1-17 | 0.0% | 10.5% |
オープン | 0-0-0-7 | 0.0% | 0.0% |
前走の格が重要で大阪杯か年明け以降のGⅡからの好走馬が多く、年明け一度使って2戦目となる馬が中心です。
主な前走
- 阪神大賞典【2-4-4-37】
- 日経賞【2-1-2-33】
- 大阪杯【2-1-0-3】
- AJCC【1-0-0-1】
- 有馬記念【1-0-0-0】
- ダイヤモンドS【0-1-1-13】
- 日経新春杯【0-1-0-0】
- 京都記念【0-0-1-4】
前走距離
- 2000m【2-1-0-8】
- 2200m【1-0-1-5】
- 2400m【0-1-0-5】
- 2500m【3-1-2-34】
- 3000m【2-4-4-37】
- 3200m【0-0-0-1】
- 3400m【0-1-1-13】
前走場所
- 東京【0-1-1-16】
- 中山【4-1-2-35】
- 京都【0-1-1-5】
- 阪神【4-5-4-44】
前走人気データ
人気 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1番人気 | 4-3-5-13 | 16.0% | 48.0% |
2番人気 | 1-1-1-17 | 5.0% | 15.0% |
3番人気 | 1-1-0-10 | 8.3% | 16.7% |
4番人気 | 0-1-1-9 | 0.0% | 18.2% |
5番人気 | 1-1-0-7 | 11.1% | 22.2% |
6-9番人気 | 1-1-1-30 | 3.0% | 9.1% |
10番人気- | 0-0-0-19 | 0.0% | 0.0% |
前走で1番人気だった馬は複勝率50%弱と堅実で、前走3着以内だと(4-3-5-8)。ボルドグフーシュが該当します。
また関東馬で好走しているのはほぼ前走1番人気馬です。
前走東開催
- 2番人気以内【3-1-3-15】
- 3番人気以下【1-1-0-38】
前走東開催+3番人気以下で好走したのは前年優勝で当日1番人気のフィエールマン、日経賞で9番人気3着だったスティッフェリオ。
エンドロール、ディアスティマ、トーセンカンビーナ、ヒュミドールが前走東開催で3番人気以下。
前走西開催
- 5番人気以内【4-6-4-26】
- 6番人気以下【0-0-1-26】
アフリカンゴールド、サンレイポケット、マテンロウレオ、メロディーレーンが前走西開催で6番人気以下。
関東馬
- 1番人気【2-2-2-4】
- 2番人気以下【1-0-0-23】
前走2番人気以下で優勝したのは2020年のフィエールマン。前走は有馬記念で6番人気4着、また前年の優勝馬でした。アスクビクターモアが前走1番人気の関東馬、タイトルホルダーがコースは異なりますが前年の優勝馬。
前走着順データ
着順 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1着 | 4-4-4-14 | 15.4% | 46.2% |
2着 | 2-1-1-19 | 8.7% | 17.4% |
3着 | 1-1-1-14 | 5.9% | 17.6% |
4着 | 1-0-2-9 | 8.3% | 25.0% |
5着 | 0-0-0-11 | 0.0% | 0.0% |
6-9着 | 0-1-0-26 | 0.0% | 3.7% |
10着- | 0-1-0-11 | 0.0% | 8.3% |
前走4着以下から連対した馬はフィエールマン、カレンミロティック、シュヴァルグランの3頭でいずれも前年の天皇賞・春で3着以内に入っていました。
今年の前走4着以下の中ではディープボンドが前年3着以内の実績を持ちます。
前走阪神大賞典
- 1着【2-2-2-1】
- 2着以下【0-2-2-35】
阪神大賞典で1着だった馬は堅実です。唯一4着以下に敗れたのは2020年のユーキャンスマイルでこの中では唯一の非サンデー系。ジャスティンパレスが前走阪神大賞典で1着。
前走日経賞
- 3着以内【2-1-2-14】
- 4着以下【0-0-0-19】
タイトルホルダー、ディアスティマが前走日経賞で3着以内、アスクビクターモアが9着でした。
天皇賞・春 データまとめ
買いデータ
★ノーザンダンサーのクロス、ノーザンテースト持ち
★馬体重±0kg以上の関東馬
★当日4番人気以内
★前走1番人気の関東馬
★前走阪神大賞典で1着
消しデータ
★当日4番人気以下+馬番9~18番
★菊花賞、または年明けの重賞で勝っていない4歳馬
★継続騎乗+前走3着以下
★前走東開催で3番人気 以下、西開催で6番人気以下
★前走4着以下(天皇賞・春で3着以内の実績がある馬を除く)
天皇賞・春 予想
○タイトルホルダー
▲アスクビクターモア
△ディアスティマ
△ディープボンド
△ボルドグフーシュ
ジャスティンパレスは阪神大賞典で2番人気1着、4角2番手から上がり1位と傾向としては文句無しの内容でした。過去好走した4歳馬とも共通する点が多く、ルメール騎手の継続騎乗想定も○。また京都開催に変わることで過去の傾向からは父サンデー系、特にディープ産駒であることが強調できます。
タイトルホルダーは長距離実績は改めて触れるまでもなく、日経賞でも59kgを背負いながら4角先頭から上がり最速で1着とこちらも前走内容は問題ありません。モンジュー、トニービン、ノーザンテーストを持つ血統構成も評価できますが、父ミスプロ系が勝てないレースという1点のみが不安要素。
アスクビクターモアは不良馬場の影響もあり日経賞では大敗。前走内容としては割り引きですが、昨年の菊花賞馬でありジャスティンパレスと同じくディープ産駒であることから巻き返しに期待。ダービーでは先行し2.22.2で3着に入っており、高速の良馬場の方が期待できそうです。
ディアスティマは前走内容はやや足りませんがディープ産駒に母父ミスプロ系と血統は悪くありません。母系のマキャヴェリアンは天皇賞・春で3年連続好走のシュヴァルグラン、16番人気で3着に入ったメイショウドンタクの母父とGⅠでは存在感のある血統で、今年の登録馬の中では京都替わりが楽しみな1頭。
ディープボンドは前年好走馬という点では抑えられ、この馬自身京都新聞杯勝ちの実績がありますがキズナ産駒も京都は得意としていました。ボルドグフーシュは前走1番人気など強調材料もありますが4歳馬で重賞未勝利など過去の好走馬と比較すると物足りず、川田騎手も長距離は苦手としているのでここでは割引き。