2023/3/5(日)
中山競馬場・芝2000m
過去8年分の弥生賞のデータを軸に、過去の好走馬の血統傾向や今年の登録馬のコース適性などを踏まえて注目馬をピックアップしています。
1週前予想なので回避馬・除外馬が含まれる場合があり、また枠順や馬体重など記事公開時には予想に反映できない要素もありますのでご了承ください。
弥生賞 登録馬
登録馬
予想人気(1週前)
2番人気 グランヴィノス
3番人気 タスティエーラ
4番人気 レヴォルタード
5番人気 ワンダイレクト
参考:netkeiba.com
京都2歳S・ホープフルSと2000m重賞で2着に好走しているトップナイフが予想オッズでは1番人気。2番人気は京都2歳Sでは1番人気に推されるも6着だったグランヴィノス、3番人気は共同通信杯で2番人気4着だったタスティエーラが推されています。
4番人気以下は東京芝2000mの未勝利戦を1.59.4の好タイムで勝ち上がったレヴォルタード、若駒Sで2着だったワンダイレクト、京都2歳Sの優勝馬グリューネグリーンなど、登録は12頭ながらクラシックに向けて楽しみな馬が集まりました。
弥生賞 コース&血統分析
中山芝2000mの特徴
中山芝2000mは内回りコースを使用し、直線入り口あたりからのスタート。コーナーまでの距離が十分にあることから1800mよりも位置争いが激しくなりますが、道中のペースは落ち着く傾向にあります。
父系統別データ
- ディープインパクト系【6-1-0-9】
- キングカメハメハ系【1-1-2-14】
- ノーザンダンサー系【1-0-0-0】
- ハーツクライ系【0-4-2-5】
- サンデーサイレンス系【0-1-2-10】
過去8年でディープインパクト産駒が6勝を挙げており圧倒的な成績。ハーツクライ系はドウデュース、ダノンザキッド、ワーケアと人気馬が勝ち切れない反面、ボーンディスウェイ、マイスタイルなど人気薄の好走も目立ちます。
母父系統別データ
- デピュティミニスター系【3-0-0-2】
- ミスタープロスペクター系【1-1-0-11】
- サドラーズウェルズ系【1-1-0-1】
- ロベルト系【1-0-1-5】
- サンデーサイレンス系【0-1-3-17】
- キングカメハメハ系【0-1-1-3】
- ダンジグ系(欧)【0-1-1-2】
ディープ産駒なら母系は不問ですが、近年はタイトルホルダー、シュネルマイスター、ダノンザキッドなど欧州型ノーザンダンサー系を母父に持つ馬の好走が増えています。
当日5番人気以下で好走した馬は過去8年で6頭いますが、ハーツクライ産駒3頭などトニービン持ちが5頭いました。
弥生賞 傾向データ①
枠順データ
枠順 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1枠 | 1-0-0-7 | 12.5% | 12.5% |
2枠 | 0-0-2-6 | 0.0% | 25.0% |
3枠 | 0-0-1-7 | 0.0% | 12.5% |
4枠 | 2-0-2-4 | 25.0% | 50.0% |
5枠 | 0-2-0-8 | 0.0% | 20.0% |
6枠 | 0-1-1-11 | 0.0% | 15.4% |
7枠 | 0-4-1-11 | 0.0% | 31.3% |
8枠 | 5-1-1-9 | 31.3% | 43.8% |
過去8年は10~12頭立てのやや小頭数で行われており、外の7~8枠で好走しているのは馬番だと8~11番あたりになります。
馬番データ
- 偶数馬番【4-5-7-26】
- 奇数馬番【4-3-1-37】
馬番では10番が(2-3-1-2)、4番が(2-0-2-4)、11番が(2-0-0-3)、8番が(0-2-1-5)。
関西馬
- 1~6枠【0-1-5-25】
- 7枠【0-3-1-2】
- 8枠【4-0-0-3】
関東馬は枠順による偏りはありませんが関西馬は外枠の成績が抜群で、馬番8~11番の関西馬は(4-3-1-5)。大半が人気サイドですがメイショウテンゲン、マイスタイルといった人気薄も含まれます。
1~6枠で唯一2着に入ったのは昨年のドウデュースで6枠7番でした。また8枠で優勝した4頭はいずれもディープ産駒。
脚質データ
脚質 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
逃げ | 1-1-0-6 | 12.5% | 25.0% |
先行 | 4-3-5-15 | 14.8% | 44.4% |
差し | 3-2-2-17 | 12.5% | 29.2% |
追込 | 0-2-1-23 | 0.0% | 11.5% |
マクリ | 0-0-0-2 | 0.0% | 0.0% |
2019年のシュヴァルツリーゼ、ブレイキングドーンや2015年のブライトエンブレムなど後方から届いているのは道悪の年。前半のペースは緩むことが多く、良馬場なら4コーナーである程度の位置が必要です。
前走4角位置(前走2000m)
- 4番手以内【4-0-5-13】
- 5番手以下【1-1-0-16】
前走2000m・4角5番手以下で連対した2頭は2020年のワーケア、2017年のカデナでいずれも当日1番人気。アームブランシュ、グランヴィノスが前走2000mで4角5番手以下。
前走4角位置(前走1800m以下)
- 3番手以内【0-1-0-11】
- 4番手以下【3-6-3-18】
ゴッドファーザーが前走1800m以下で4角3番手以内。
前走上がり3F
- 1位【6-5-1-15】
- 2~3位【0-2-3-14】
- 4~5位【1-0-1-12】
- 6位以下【1-1-3-20】
前走が重賞で上がり1位だと(3-3-1-3)。
また良馬場での開催時は前走上がり3位以内が(4-5-4-16)、4位以下が(1-0-1-18)と前走上がり上位馬が強いのが特徴です。4位以下で好走した2頭はタイトルホルダー、ボーンディスウェイでいずれも前走がホープフルSで5着以内。
前走上がり3位以内はゴッドファーザー、タスティエーラ、ワンダイレクトの3頭。上がり下位でも前走ホープフルSだったのはグリューネグリーン、トップナイフの2頭。
馬体重データ
馬体重 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
-439 | 0-0-0-5 | 0.0% | 0.0% |
440-459 | 1-2-1-12 | 6.3% | 25.0% |
460-479 | 3-0-1-12 | 18.8% | 25.0% |
480-499 | 4-4-4-21 | 12.1% | 36.4% |
500-519 | 0-2-2-9 | 0.0% | 30.8% |
520- | 0-0-0-4 | 0.0% | 0.0% |
やや小柄な馬でも走っていますが皐月賞やダービーに繋がりやすいのは馬格がある馬。当日5番人気以内+480kg未満は(3-1-1-9)、480kg以上は(4-5-5-12)。
前走との馬体重差
- +体重【2-6-1-25】
- 増減無【2-0-2-10】
- -体重【4-2-5-27】
前走時の馬体重差
- +体重【6-4-6-30】
- 増減無【1-0-1-4】
- -体重【1-3-1-23】
前走時にマイナス体重だった馬は複勝率が低めですが当日2番人気以内なら(1-2-1-1)。ドウデュース、ダノンザキッド、マカヒキとその後GⅠで好走している馬も含まれます。
今年はグリューネグリーン、セッションが前走時マイナス体重。
弥生賞 傾向データ②
人気データ
人気 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1番人気 | 2-3-1-2 | 25.0% | 75.0% |
2番人気 | 3-2-0-3 | 37.5% | 62.5% |
3番人気 | 1-0-2-5 | 12.5% | 37.5% |
4-6番人気 | 1-2-3-18 | 4.2% | 25.0% |
7-9番人気 | 1-1-1-21 | 4.2% | 12.5% |
10番人気- | 0-0-1-14 | 0.0% | 6.7% |
1~2番人気は堅実で馬券圏外に敗れた馬を見るとインダストリア、ニシノデイジー、ラストドラフトなど父が非サンデー系だった馬が目立ちます。
当日6番人気以下で好走しているのはハーツクライ産駒が3頭、ディープインパクト産駒が1頭、ディープと同じ血統のブラックタイド産駒が1頭なので臨戦過程よりは血統重視か。
所属データ
所属 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
美浦 | 4-4-2-34 | 9.1% | 22.7% |
栗東 | 4-4-6-27 | 9.8% | 34.1% |
地方 | 0-0-0-2 | 0.0% | 0.0% |
関西馬の複勝率・回収値が高く関東馬は当日4番人気以内で(4-3-1-8)、5番人気以下は(0-1-1-26)と人気馬優勢。また良馬場では関西馬の複勝率が高く、道悪だと関東馬の複勝率が高いのが特徴です。
キャリアデータ
キャリア | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1戦 | 0-1-0-5 | 0.0% | 16.7% |
2戦 | 2-2-0-8 | 16.7% | 33.3% |
3戦 | 3-4-4-15 | 11.5% | 42.3% |
4戦 | 2-1-2-10 | 13.3% | 33.3% |
5戦 | 1-0-2-11 | 7.1% | 21.4% |
6戦- | 0-0-0-11 | 0.0% | 0.0% |
キャリア3戦以下で好走したのはノーザンFなど社台系生産馬が多く、人気薄を狙うならキャリア4~5戦。
騎手データ
- 継続騎乗【5-6-7-27】
- 乗り替わり【3-2-1-35】
継続騎乗の複勝率が40%と高く、当日4番人気以内だと(4-6-4-9)。また過去8年ではルメール騎手が(1-2-1-1)、武豊騎手が(1-1-2-2)。
また乗り替わりは前走1着が(2-2-0-12)、2着以下だと(1-0-1-23)。前走2着以下で好走したのはタイトルホルダー、オーソリティでいずれも前走ホープフルSでした。
生産者データ
- ノーザンF【3-5-3-12】
- 社台F【1-0-2-7】
ノーザンF生産馬は当日2番人気以内で(4-4-1-2)。また前走GⅠだと(0-4-2-0)と1着こそありませんが複勝率は100%。グランヴィノス、セッション、タスティエーラ、フォトンブルー、レヴォルタードがノーザンF生産馬。
弥生賞 前走データ
前走クラスデータ
クラス | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
GⅠ | 2-4-7-5 | 11.1% | 72.2% |
GⅡ | 0-0-0-3 | 0.0% | 0.0% |
GⅢ | 3-1-1-15 | 15.0% | 25.0% |
オープン | 1-0-0-5 | 16.7% | 16.7% |
1勝 | 2-2-0-20 | 8.3% | 16.7% |
未勝利 | 0-0-0-8 | 0.0% | 0.0% |
新馬 | 0-1-0-5 | 0.0% | 16.7% |
GⅠ組は複勝率70%台と非常に優秀ですが賞金が足りている場合も多いため有力馬は前哨戦という意味合いが強く、勝率は高くありません。
近年はアスクビクターモア、シュネルマイスター、サトノフラッグと1勝クラス組の人気馬が3年連続で連対しています。
主な前走
- 朝日杯FS【1-3-2-1】
- ホープフルS【1-1-5-4】
- 東スポ杯2歳S【1-1-0-0】
- きさらぎ賞【1-0-1-3】
- 京都2歳S【1-0-0-2】
- 若駒S【1-0-0-3】
前走距離
- 1400m【0-0-0-1】
- 1600m【1-5-2-12】
- 1800m【2-2-1-16】
- 2000m【5-1-5-29】
- 2200m【0-0-0-2】
- 2400m【0-0-0-2】
前走場所
- 東京【1-2-0-17】
- 中山【3-2-5-24】
- 京都【3-1-1-8】
- 阪神【1-3-2-4】
- 中京【0-0-0-5】
- 小倉【0-0-0-3】
前走人気データ
人気 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1番人気 | 4-5-2-9 | 23.5% | 47.1% |
2番人気 | 0-5-1-11 | 0.0% | 35.3% |
3番人気 | 1-1-0-6 | 12.5% | 25.0% |
4番人気 | 1-0-3-8 | 8.3% | 33.3% |
5番人気 | 1-0-0-9 | 10.0% | 10.0% |
6-9番人気 | 1-0-1-16 | 5.6% | 11.1% |
10番人気- | 0-0-1-3 | 0.0% | 25.0% |
前走3番人気以下で好走したのは全て重賞組。前走がオープン特別以下だった馬は前走2番人気以内が目安です。
前走オープン特別以下
- 2番人気以内【3-3-0-15】
- 3番人気以下【0-0-0-23】
アームブランシュ、セッション、トーアライデン、フォトンブルー、ワンダイレクトが前走オープン特別で3番人気以下。
前走GⅠ
- 4番人気以内【1-4-5-2】
- 5番人気以下【1-0-2-3】
GⅠ組は前走下位人気でも問題ありませんが、複勝率が高いのは前走4番人気以内。今年はグリューネグリーン、トップナイフ共に前走5番人気以下でした。
前走着順データ
着順 | 着度数 | 勝率 | 複勝率 |
1着 | 6-6-1-29 | 14.3% | 31.0% |
2着 | 0-0-2-4 | 0.0% | 33.3% |
3着 | 0-1-1-8 | 0.0% | 20.0% |
4着 | 1-0-0-4 | 20.0% | 20.0% |
5着 | 1-0-3-1 | 20.0% | 80.0% |
6-9着 | 0-1-1-12 | 0.0% | 14.3% |
10着- | 0-0-0-4 | 0.0% | 0.0% |
前走が重賞以外だった馬は1着必須。また前走1着馬のうち前走での上がりが2位以下だった馬は割引きです。
関西馬
- 1着【3-4-1-13】
- 2着以下【1-0-5-13】
関西馬は特に前走1着馬の連対率が高く、唯一前走2着以下で優勝したのは2019年のメイショウテンゲン。父ディープ×母父フレンチデピュティという弥生賞で非常に強い配合でした。今年は前走未勝利戦のヨリマルのみが前走1着の関西馬。
前走1着馬
- 前走上がり1位【6-5-1-13】
- 前走上がり2位以下【0-1-0-16】
前走上がり1位で1着だった馬が当日3番人気以内に推されると(6-4-1-3)と堅実です。ゴッドファーザーが前走上がり1位で1着。
前走タイム差(2着以下)
- 0.2秒差以内【0-0-2-7】
- 0.3~0.9秒差【2-2-5-13】
- 1.0秒差以上【0-0-0-13】
前走2着以下からの巻き返しは重賞組・ほぼ前走GⅠですが前走で1秒以上負けていると割引きです。アームブランシュ、フォトンブルーが前走1秒以上負け。
弥生賞 データまとめ
買いデータ
★母父欧州型ノーザンダンサー系、トニービン持ち
★4枠(馬番4番)、7~8枠(馬番8~11番 ※特に関西馬)
★当日1~2番人気(特に父サンデー系)
★ノーザンF生産馬(当日2番人気以内・前走GⅠ)
★当日3番人気以内+前走上がり1位で1着
消しデータ
★前走2000mで4角5番手以下、1800m以下で4角3番手以内
★当日良馬場+前走上がり4位以下
★当日3番人気以下+前走時マイナス体重
★乗り替わり+前走2着以下(前走ホープフルSを除く)
★前走オープン特別以下で3番人気+2着以下
弥生賞 予想
○グリューネグリーン
▲ワンダイレクト
△レヴォルタード
△タスティエーラ
トップナイフは複勝率の高いGⅠ組で京都2歳S、ホープフルSと連続2着。横山典騎手の継続騎乗に加えて前で競馬ができる脚質など強調要素が多く、馬格があるのでここで好走すればクラシックも楽しみです。当日2番人気以内の成績が良いレースでもあるので、大きな割引き要素はありません。
グリューネグリーンはホープフルSでは大敗しましたが京都2歳Sではトップナイフを下して優勝。ラブリーデイ産駒は数が少ないながら2000mの成績が最も良く、トニービンを持つので人気薄でも問題ありません。1週前の予想オッズでは7~8番手なのでこのままの人気なら馬券的な旨味もありそうです。
ワンダイレクトは若駒Sではマイネルラウレアに屈しましたが勝ちに等しい内容。ハービンジャー産駒は京成杯に良績が多いものの中山芝2000mは実績があり、田辺騎手もコース回収値が高いので一発も期待できます。今年数少ない前走上がり上位馬という点からも面白そうです。
レヴォルタードは前走未勝利戦が割引きですが、近年コース成績を伸ばしているエピファネイア産駒に中山実績のある牝系。またソールオリエンス、マルターズディオサなど重賞でのコース成績が圧倒的な手塚厩舎という部分は気になります。
最後にサトノクラウンの初年度産駒は中山では勝ち切れず東京巧者が目立つため、タスティエーラはここでは割引き。